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英会話教室に1週間通ったら、自分と向き合うことになった話。


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:白濱優子(ライティング・ゼミ平日コース)

 
 
「どうして泣いているの?」
 
先生に、そう聞かれても私は何も答えられなかった。
大粒の涙が目からポロポロこぼれ落ちた。
これは、私が学生だった頃の話である。
英会話教室に通って、たった1週間経ったその日。
私は、言葉を発せずに泣き崩れたのだった。
 
ここで、間違って解釈して欲しくないことがある。
私は、英語がわからなくて泣いたのではない。
英語を使って「伝えたいことが無い」ということに気づいた自分に落ち込んでしまったのだった。
その英会話教室はマンツーマンの指導をする方針だった。
なので、レッスンは個人個人の覚えたい内容に合わせてくれる。
旅行に行った際の会話。ビジネスで使う会話。外国人の友達と話すための会話。
何を選んでも良い。私に合わせて話す内容を決めてくれる。
 
私は、最初は英語での自己紹介をし合うレッスンを選んだ。
「どこに住んでいるの?」
「年齢はいくつ?」
「今まで行った国はどこ?」
このくらいまでは、私も楽しみながら会話ができた。
 
でも、レッスンが進むにつれ、質問が増えていく。
「趣味はなんですか?」
これは、ちょっと悩んだ。
映画を見るのが好きだけれど、見る回数は人並み以下だ。
料理をするのも好きだけど、そんなに上手くはない。
家でゴロゴロすることかなぁ。
でも、そんな趣味恥ずかしい。
それに、英語で「ゴロゴロする」がなんて言うのかわからない。
困ってしまった。
言葉を詰まらせながらも、なんとか会話をする。
 
アメリカ人の先生は、どんどん私に質問してくる。
「あなたの夢は何?」
「どんなことをするのが好き?」
「なんで英語を覚えたいの?」
 
私は答えることができなかった。
私は自分が、何を好きで、何のために英語を覚えて、何を成し遂げたいのか。
自分で自分がわかっていなかった。
 
もちろん、先生が悪気なく私に質問しているのはわかっている。
でも、私は、自分の「からっぽさ」を自覚してしまい、言葉に詰まってしまった。
そして、涙が溢れてしまった。
何も答えず泣きじゃくる私を見て、先生は困ってしまっていた。
何かひどいことを言ってしまったのか? と、心配させてしまい、申し訳ないことをしたと思う。
そして、ほどなくして、私は理由を言わずに、英会話教室を辞めた。
 
この経験は辛い思い出だが、「自分」を持たないと、英語ではなく母国語の日本語でさえも
伝えることができないと知る、良い機会だった。
 
伝える方法を学ぼうとした私は、伝えたいことが無いということを思い知らされた。
 
その時から、ずっと考えている。
「自分の意思をしっかりと伝えれるようになりたい」と。
 
ただ、あれから時が経って、33歳になった今、自分の意思をちゃんと持てているのか。
それはまだ自信がない。
あの時、伝えたいことが無かった私。
あの頃の私が今の自分を見たらどう思うのだろうか。
 
最近、私はあの頃、英会話教室で感じた時と同じ感情を抱くことになった。
天狼院書店のライティング・ゼミというライティングを学ぶ講座に通い始めた。
そこでは、1週間に1回2000字程度の文章を提出する宿題が出される。
テーマは自由で、何を書いても良い。
 
この何を書いても良いという「自由なテーマ」が私を困らせた。
「私は何を伝えたいのだろう?」
 
何を書いても良いという課題は、優しいようで、すごく厳しい。
 
でも、私はあの頃から少し成長していた。
今日で4週目。つまり4回目の文章を書いている。
なんとか、伝えたいことを絞り出して気持ちを言葉にしている。
家族のこと、夫婦のこと。身近なことを書いてみた。
 
書き出すまでは、まだぼんやりとした気持ちなのだが、
書いてみると、自分はこんなこと思っていたんだと、気づかされることもあった。
そして、それをネットに投稿すると、Facebookでシェアしてもらえたり、
いろんな人から意見をもらえたり、
自分の気持ちが少しずつだけど、人に伝わっていくのを感じて嬉しかった。
 
年齢を重ねたからもあると思うけれど、学生時代に英会話教室で泣いていた頃の私よりは
自分を持てているかもしれない。
 
でも、まだ私はまだ自分を模索している。
 
「あなたのミッションは何?」
最近、転職した会社で社長に聞かれた言葉だ。
「ええと……」私は、もごもごと口ごもった。
「今はまだわかりません」そう答えるので精一杯だった。
 
それから少し時が経った。
私のミッションはまだわからない。
でも、仕事を始めて、今の会社が大好きになって
この会社の良い部分を多くの人に伝えれる仕事がしたいと思うようになった。
それがミッションかどうかはわからないが、そう思っている。
 
そしてまだ個人的なミッションはまだ見つけられていないけれど、
探しながら生きて生きたい。
 
見つからないからと言って、泣きじゃくるのはもうやめよう。
探そうとしていれば、いつかきっと見つかるはずだから。
 
今なら、泣いているあの頃の私に「大丈夫だよ」と言ってあげたい。
会社で社員のみんなが真剣に仕事を取り組んでいる姿を見て、ミッションが出てきたように、
何か大切なものを見つけられたら、自然と伝えたい気持ちが溢れ出るのだと思うから。
 
これからも自分と向き合っていきたい。

 
 
***

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2018-07-11 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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