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メディアグランプリ

ロックスターはパンドラの箱も開ける


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:珈琲一杯!(ライティング・ゼミ日曜コース)

 
 
日本におけるロックスターのトップといえば、B’zだ。
強く印象に残る美しいメロディー、スケールの大きな世界観の中で人の心情を描く歌は、
圧倒的な力で聴く人を魅了し、とりこにする。
90年代から、ドラマやCMのテーマ曲としてB’zの楽曲を耳にすることが多く、
日本の音楽シーンの一翼を担う存在として認識されていると思う。
アルバム、シングルが日本で一番売れているアーティストであるし、
ライブはスタジアムやドームでの開催が当たり前で、
チケットがすぐ完売してしまうほどの人気だ。
自分も金銀のベスト盤が出たころからのファンで、大人になってからはファンクラブにも入った。
 
これだけ人気があってPOPなアーティストであるのに、
B’zのファンであると公言することがはばかられるような気持ちでいた。
楽曲はみんな知っている。
ライブには子供も、おじさんおばさんも来ている。
かけあいにはみんな夢中になって応えているし、Ultra Soulの最後なんか当たり前にみんなでジャンプする。
それでも、安心してファンだと言うことができないのだ。
それはかつて、自分の周りではノリがよくてB’zをBGMにかけているのがおしゃれで似合うという人にしか許されておらず、自分では「あいつ、B’zなんか聴いて調子に乗っているんじゃないか」と後ろ指をさされてしまう心配があったからだ。
B’zの楽曲が好きだなんて気に入らないと言ってくる人もいた。不良の音楽という見方もあった。
そんなちょっと危ない人に対する心配が大きな理由だが、他にも理由がある。
時代の問題や複雑な心情を緻密に描いているロックであるという点でも日常会話に乗りづらいところがあるし、
荒々しさにつながるような曲、性的な曲もあって、自分のキャラの範疇に収まりきらず、そこに触れると会話のコントロールが利かなくなるような感じがする部分があるのだ。
それに、ボーカルの稲葉さんとギターの松本さんは伝説か、超人か、というような存在で、めったなことでは口にできないような別格の位置づけであるのだ。
そういうわけで、自分にとってB’zは、日々元気をくれたりやる気にさせたりしてくれるけれど、決して近づきすぎたり開けたりしてはならないパンドラの箱のようなものだった。
 
 
そんなB’zのプラチナチケットが手に入った。
ファンクラブ会員限定のライブを東京で開催することになり、
一縷の望みをかけて申し込んだ抽選に当選したのだ。
会場は品川ステラボールで、スタンディング席の後ろの方だがメンバーの顔がよく見える。
当日は本当にワクワクしながら会場に入った。
 
開演となりメンバーが登場すると、あふれる歓声。
生の稲葉さん、生の松本さんがいる。こちらからもあちらからも顔がはっきり見える距離だ。
松本さんのギターから始まる、代表曲の数々。
会場の大きさに合わせてアレンジされていて、ホールに響く一音一音をじっくり聴くことができるし、
ドラムやベースと合わせてものすごいエネルギーの和音を奏でることもある。
稲葉さんの声も松本さんのギターもシャープで、聴きなれた曲なのに一つ一つの音が新しく生み出されているかのような新鮮さがある。
これは現実なのかという半信半疑の気持ちの中、ただ酔いしれた。
 
途中、稲葉さんと目が合う瞬間があった。
よく漫画なんかで、女の子がキャーキャー言いながら倒れるシーンがあったりするが、あれは本当だ。
男の自分も、目が合った瞬間、意識が持っていかれて体がぐらっとした。
さすが稲葉さんである。
そのとき感じたのは、稲葉さんは飢えた狼のような荒々しさも持っているし、
頭の回転が速くてかっこいい唯一無二のスター性も持っていること、
客席の状態を理解して応えてくれるお兄さんのような顔も、物事をしっかり判断して進める大人の顔も持っていることだ。
そして、自分の決めた道をストイックに努力しながら進み続ける強さと正しさを持っていることだった。
 
そんなことを感じながらも、ライブの熱狂と感動は続いていく。
特に印象に残っているのは、曲名が「泣いて」で始まる楽曲だ。少し泣きたい気持ちのときや楽曲の世界に浸って聴くときと同じように、心底励まされるようにサビを歌ってもらえて、周りのファンと一緒にただただうれしい気持ちに満たされた。
向かい合って、一人のファンとして認めてもらえているように感じた。
そんな幸せをかみしめながらも曲はつづき、終演となった。
まだ夢の中にいるようだったが、ものすごい満足感だった。
B’zの二人と何かができて生まれ変わったような気持ちで、会場を後にした。
 
 
あの日、長年抱えていたパンドラの箱は開いた。
中からおそろしい怪物が出てくることはなく、
開いた中にあったのはひたむきに自分たちの音楽に取り組むB’zの二人の正しさ、強さ、かっこよさだった。
何のことはない、色々と考えて自分で箱を作り上げてしまったのだろう。
もしかすると自分がB’zが好きだなんて気に入らないという向きはまだ出てくるかもしれないが、
B’zの二人は誰かれ分け隔てなくまっすぐ歌ってくれるのだ。もう箱はいらない。
 
今年、B’zは30周年を迎えて、大人のロック、さらに先の世界を目指して進んでいる。
素直に心の底からB’zの音楽を楽しめるようになった自分が、
これからもう少し大人になってどんな楽曲と出会うことになるのか、今から楽しみだ。

 
 
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2018-07-18 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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