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メディアグランプリ

若い世代との触れ合いで生まれる思わぬ効果


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:川内夏絵(ライティング・ゼミ日曜コース)

 
 
「最近の若い子って、こんなことも聞くのよ」
とか、
「えっこんなことも分からないの?」
など、世代間のギャップって大きい。実際、20歳以上も離れていると、自分の子供と言ってもおかしくなく、そんな子達と仕事をすると、私たち世代では当たり前のことが、彼らには当たり前ではなかったりもする。
それは、時と場合によって良い結果になることもあるが、言わないととんでもない失敗を引き起こしたりするものだ。
 
そうはいっても、常識的なことも、教えたら次からはちゃんとできたりするので、知識がないだけで、学習能力は高かったりする。いっぽう年齢が高いと、パソコンの操作や新しいシステムを覚えるのに時間がかかる人もいるが、若い人はそういうことは早かったりする。
 
私たちが若い頃って、どうだったかな? と、時々同世代の人たちと話すことがある。みんな口々に言うのは、
「なんかちょっと違う気がする」
と、いうことである。私たちだって若いころには、「新人類」という言葉や、「無表情」などと言われたことはある。だが、そう言われて反発しながらも、どうにか「団塊の世代」と言われた親の世代に近づきたいとも思っていた。
 
今の20歳前後の若い子たちが、どんな風に思っているかは分からないが、私が知っているその世代の若者は、人当たりがソフトで、あまり怒らないイメージがある。もちろん、ちょっとしたことでキレる子もいるのだが、穏やかな子と激しい性格の子との差が極端なように思う。
 
そんな子達と仕事をしていると、不思議なのだが、あまり気を遣わなくても良い楽さがある。私は基本的に、仕事中にあまり怒らないことにしている。同じ仕事をしていても、人によってやり方が違うし、最終的に私と同じ結果になっていたら構わないので、最後まで見守ることにしている。ただ、仕事が忙しいときやイレギュラーなことが起こったときに、マイペースな質問などされたら、思わずキツイ言い方をしてしまう。
そんなことがあった休み時間などに、
「さっきの言い方きつかったです。怖かったですよ」
など、笑いながら言われたりする。「言い方がキツイ」って「私たちは先輩に言えなかったけどね」と心の中でつぶやく。そういうことが言える図太さは、ある意味尊敬する。
私の性格もあるが、先輩から教えてもらったことをもう一度聞くのは怖かった。だいたい2回目以降は、聞けないものだ。質問した時には、メモも取り分かったつもりだが、細かな点が分かっていないこともあって、3回目の質問をすると必ず言われたものだ。
「前にも言ったと思うけど」
と。これは実に怖かったし、「使えない」と思われたくなくて、その後は先輩のやり方を観察したりしてなんとか覚えたものだった。だが、私が接している若い子は、それをしない。「これやって」と言われるまでしなかったりする。それは、自分の仕事ではないと思っているようだ。
 
若い世代と仕事をしていると、驚くことも多いが、実は、すごいなと思うことがある。若い子特有の「負けず嫌い」なところがあまりなく、妙に素直なのである。私は若いころかなり生意気だった。でも、先輩たちは実に優しく見守ってくれたものだと思う。もしいま、私のような生意気な後輩がいたら、私は大きな心で接することはできないように思う。私が人間として未熟な部分が多いからだ。
 
そんな私の未熟な部分を、いとも簡単に指摘してきたのが、例の若い後輩だ。彼は言ったのである。
「Mさんは、もっと語尾を伸ばすといいのに。何とかですね~とか」
と。私は、少し戸惑ったが、あまりに自然に言われたので思わず、
「よく言われる」
と認めた。実は、夫や母親にもよく言われていた私の欠点だ。夫や母親に言われると妙にムカついて、「うるさい!」とか言ってしまいそうだが、やたら普通にニコニコして言われたら、素直に反省したのだ。ぼおっとした感じだが、核心を突いてくる、なかなかである。
 
そんな彼が、最近歴史が好きだと言うので、暇なときにちょっとだけ私が好きな分野の話をしてみた。そうすると、興味深く聞いており、面白いという感想を言われた。そこで、私が昔読んだ本を読み返したり、箱にしまい込んだ専門書などをひっぱりだしたりして、「ああ、懐かしい」など独り言いながら、「この本最後まで読んでないな、ちょっと読んで話してあげよう」など思うのである。もちろん、押しつけがましいのはどうかと思うので、話題が出たらにしようかな、とは思っている。
最初は、面倒だなと思っていたマイペースな後輩だったが、なぜか今は後輩との話題のために、私が逆に勉強をしている。
若い人と張り合うためというより、話をするためにいろいろ学ぶことが多い。今回の、歴史の話もそうだ。彼が本当に歴史に興味があるかどうかは、分からない。でも、私の古い知識が彼らにとっては新鮮であり、その反応がまた私に学習意欲を沸き立たせる、という良い循環作用がおきており、私には良い事しかない。
ひとえに、彼の穏やかな性格のおかげかも知れないが、若い世代と接することで、もっと学ぼう、やってみようという気が起きたことが実に嬉しいのだ。
 
異世代との交流や仕事は大変なことも多い。しかし、先入観は抜きにして同じ人間として、まっすぐ素直に向き合うと、思いがけず自分に良い効果をもたらすことが、私の今の状態で証明されたように思う。

 
 
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2018-07-25 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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