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嫌な奴は煮て焼いて食う!


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

【8月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《日曜コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:羽衣姫 香耶(ライティング・ゼミ日曜コース)

 
 
「もうこういうミスはないように、頑張ってくれよ」
頑張っていないからミスをしたような物言いはやめてくれないかな。名一杯頑張った後のこのミスなんだってば。
という思いは胸の中にしまっておいて
「申し訳ありません」
と深々と頭を下げる。
けれど、「次からは頑張ります」という言葉は、頭をかすめただけで、口には出てこなかった。
 
事務員のパートをしていた頃、上司にため息まじりに怒られることは、会社でたまに見る光景となっていた。
そう。ミスが年に数回、起こるのだ。なぜならば、私がうっかり者だからだ。
「ミスをしないように頑張れ」
と上司は言うのだが、それは頑張ればミスが減る人間に言う言葉であり、私のように、頑張っているのにも関わらずミスが起こる場合、システムを変えるか、人を増やすか、私の配属を変える他ないと私は思う。
要するに、私一人が処理できるキャパを完全に超えているのだ。
なのでそれは再三、上司に訴えていた。
「システムを変えて下さい。それができないならせめて人を増やして下さい。二者確認できればミスはかなり減ると思います。私の作業を確認する人間がいないと、こういうミスは必ず再発しますよ!」
自分で言いきってしまうのもどうかと思うが、本当のことだから仕方がない。
自分の仕事を自分で確認しても、ある一定の確率でミスは起こる(だって、本人は正しいと思い込んで作業をしているのだから)。なので、あともう一人、別の目線でチェックする人間がいれば、ミスはかなり減るはずなのだ。
だが、人員不足のこのご時世、上司はそれを「うん」と言うわけがない。
「お前一人でなんとか頑張ってくれ」
「これでも結構、頑張っている方だと思うんですけど……?」
チェック項目を増やしたり、一人でもミスをチェックできるようなシステムを自分で作ったり、私ができることはあれこれ取り入れてみた。
私の努力を評価してくれいている上司としては
「まぁ……そうなんだが……頑張ってくれ」
としか言いようがないのも納得できる。
 
とはいえ、私がミスをすればそのあおりを食らう人は出てくるわけで。普段の私の努力や訴えを知らない人などは
「またかよ!」
と言うのである。
「いつも同じミスしやがって! それの尻拭いはうちらがするんだぞ! お気楽な仕事をして、いい気なもんだ!」
と陰口をたたくのである。
「手抜きをしているからミスをしているわけではなく、これが私の精一杯なんです!」
と訴えたいが、陰口では直接相手に伝えられるわけがなく、まして、ミスしているのは私である。普通に考えれば、弁解の余地などない。
そのせいで彼らが私の尻拭いをしているのは確かで、彼らの作業に余分な負担をかけているのも私なのだ。
 
とはいえ。なのである。
 
私の中で自分が悪い。と思う部分と、相手の言い分も分かる。と思う部分と、とはいえ、私だけが責められるのに納得がいかない自分と。
そんな消化できない三つの感情が葛藤を始めるのである。
 
そんな時は、ソーセージである。
こいつはなかなか優秀なやつである。煮るもよし、焼くもよし。
今回のように三つ巴の感情が生まれた時は、私はスーパーでこいつを買っていくのである。
 
そうして家であることをすると……
不思議なことに、次の日からは陰口を言われなくなるのである。
 
別にこれをしたからと言って、私のミスが減るわけではない。
これをしたからと言って、上司が私の職場環境を良くしてくれるわけではない。
これをしたからと言って、陰口をたたいた相手が私に謝ってくるわけでもない。
 
だけど、なぜか勝利感。
だけど、なぜかスッキリ感。
だけど、なぜか爽快感。
 
私の中の
「ああぁ~! またミスをしてしまった!」
という罪悪感にさいなまれ続けることもなく、
「だからいつも人数を増やして下さいって言ってるじゃないか!」
という上司への恨み言も浮かんでこなくなり、
「あいつらめ! 好きなこと言いやがって!」
と陰口をたたくやつらへの怒りもなくなり、
「よし。明日からまた頑張ろう」
と、なんかスッキリした気持ちで前を向けるのである。
 
その方法とは。
 
買ってきたソーセージを家で調理をする時に
「はーはっはっ! ○○めっ! 今からお前を丸焦げにしてくれるわっ!」
とお子様向けのTV番組に出てくるような悪の総裁のごとく、嫌な奴をソーセージに見立てて名前をつけ
「ほーら! 火あぶりの刑じゃーっ!」
と勢いよく焼くのである。
そして、食べる時も
「○○めっ! お前などこの私が全部喰らってやるわーっ!」
と言いながらおいしく頂くのである。
 
この時のポイントは恥ずかしがらずに悪の総裁になりきることである。
恥ずかしがってモジモジする、とか、声に出さない、ということをすると、実は全くスッキリせずに、後々、三つ巴の感情の荒波に揉まれることになるので、ここはなりきるのがポイントである。
 
そうすると、先程も言ったように、次の日から陰口を言われなくなるのである。もしかしたら、私の気持ちがスッキリしているので私の耳に入ってこないだけなのかもしれないが。
しかし、私が職場で気持ちよく仕事ができる。ここが一番重要なのであるから、私の耳に陰口が届かなければ、それで良いのである。
 
ソーセージを相手に見立てて焼く、という行為はストレス発散以外に、もう一つ効果があると私は思う。
それは何かと言うと
「そいつを頭から食べてしまう」
ということだ。
ただ文句を言って「あいつが嫌いだ!」と言うもの良いが、それでは相手を拒否するだけだ。
けれど、ソーセージの場合、最後に自分の中に取りこんで、消化するのである。
ミスをした自分を責める感情も、相手に腹を立ててる自分の感情も、相手が怒るのももっともだという自分の感情も、全て自分の中に取り込んで消化する。取り込むことで、またひとつ自分を大きくしていく。
そんな効果があるように私は思う。
 
私はソーセージを焼く派だが、もちろん煮て「釜茹での刑じゃ~っ!」とやるのもアリである。
 
嫌な奴は煮て焼いて食う! これに限る!
是非、お試しあれ。

 
 
***

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2018-07-25 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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