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普通のサラリーマンが1泊4日で仕事を休まず週末カンボジアに行き、35時間滞在した話


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:甲斐 雄一郎(ライティング・ゼミ日曜コース)

 
 
0時40分出発
夜行列車でも夜行バスでもなく、いま、深夜便の飛行機でカンボジアに向かっている。
到着予定は翌日の朝9時……。
 
あれは、先週の金曜日であった。
カンボジアで働くことが決まった友人の送迎会に参加した日であった。
「来週の土曜日に朝8時からカンボジアでNGOの創立10周年記念パーティーやるけど来ない?」
かつて、私が所属していた、カンボジア現地のNGO団体が今年で10年を迎えるため、関係者含め100人を超える大きなイベントを開催するとのことであった。
「行きたい。でも来週末って……」
そう、来週末は祝日や有給休暇の予定は無く、一般的な土日休みの週末である。
沖縄や北海道のように数時間で行けるようなところであればまだしも、カンボジアに土日で行くなんて……。
常識的に考えると、カンボジアは土日で行くようなところではないだろう。
 
諦めきれない私は、スマホでカンボジア行きの航空券を検索していた。
「あった!」
 
料金:75,000円
往路
出発時刻(金曜深夜):0時40分@羽田空港
乗り継ぎ:5時@スワンナプーム空港(タイ)
到着(土曜):9時10分@シェムリアップ空港(カンボジア)
 
復路
出発時刻(日曜):20時30分@シェムリアップ空港(カンボジア)
乗り継ぎ:23時30分@スワンナプーム空港(タイ)
到着(月曜):7時45分@成田空港
 
「ハードなスケジュールとなるため、週明けの仕事は相当きついものになるだろう」
強行としか言えないスケジュールであった。
普段、残業が多いため、おそらく出発する金曜日は家に帰ることは不可能である。そのため、仕事が終わりそのまま羽田空港へ行く必要がある。
また、帰国日は月曜の朝であるため、成田空港到着後、そのまま出社する必要がある。
 
不可能だからと諦めるのは簡単である。
しかし、いつ終わるか分からないのが人生。
そんな心境であったためか、人生初の試みとして、まるで週末に箱根温泉に行くような感覚でカンボジア行きを決めたのであった。
 
そして、すぐにやってきた出発の金曜日。
案の定、残業のため家に帰る余裕もなく、仕事後にそのまま羽田空港へ向かった。
飛行機には無事に搭乗することができ、強硬スケジュールのカンボジア旅が始まった。
飛行機は何度乗ってもワクワクするもので、ドリンクを飲んだり、映画を見たり、結局眠ること無くスワンナプーム空港に到着した。
乗り換えのため、荷物検査を済ませ、カンボジア行きの飛行機が出発するまでラウンジで待機した。
そして出発時間の8時になり、カンボジアへ向かった。
予定通り朝9時にカンボジアに到着し、アライバルビザを取得し、出国審査を終えた。
 
残り35時間。着いた瞬間、帰国までのタイムリミットが作動し始めた。
 
東南アジア特有のカンカン照りの太陽とカンボジアの友人であるトゥクトゥクドライバーが私を笑顔で迎えてくれた。
「スォスダイ!」(久しぶり)
一年ぶりに会った彼と一年ぶりに話す現地語で挨拶を交わした。
 
パーティー会場はカンボジアの田舎であるため、バイクで1時間半ほどかかるため、お互い近況報告する間もなく会場に向かった。
1分でも早く到着したい状況であったが、なんと、道は渋滞していた。
実はカンボジアでは今月7月29日に総選挙があるため、国民がデモをしていたのだ。
「こんなときに限って……」
そもそも少ない滞在時間の中、渋滞に時間を食われるのは相当な痛手であった。
 
残り33時間。着いた! 時計は既に午前11時を回っていた。
現地で働くカンボジア人や日本から来ている友人、皆で10周年を祝いながら、現地の食事を楽しんだ。
私も旅の疲れも忘れて、みんなで踊り楽しんだ。
 
残り30時間。14時になり、一旦、解散となる。
私は寝不足で疲れていたため宿に戻ることにした。
来た道を1時間半かけて、宿にもどり軽い睡眠をとった。
 
残り26時間。18時より2次会なる夕食会があるため、レストランに向かった。
私自身、カンボジア現地で働いていたこともあり、当時の話をして盛り上がっている間に時間はあっという間に過ぎた。
 
残り21時間。23時になり、解散となる。
「ここで返って寝るのはもったいない」
その一心で残る力を振り絞って、友人であるトゥクトゥクドライバーと現地の居酒屋へ行った。
 
残り18時間。積もり積もった話を二人でしながら盛り上がるうちに、深夜2時になり、さすがに宿に帰ることにした。
 
残り9時間。疲れが溜まっていたためか、ついつい寝すぎてしまい、気付けば朝11時を回っていた。
気付けば、もう旅の終わりが近づいていたが、カンボジアと言えば、やはり、アンコールワットだろう。
ということで、友人とアンコールワットに向かうことにした。
 
残り5時間。アンコールワットを観光し、昼食を取っている間に昼3時になっていた。
「来たからにはお土産は買おう」ということで、市内に向かった。
 
残り3時間。買い物を終え、宿に戻り、シャワーを浴びて空港へ向かう準備を始めた。
「ほんとにあっという間だった……」
 
残り1時間。友人のトゥクトゥクドライバーに空港まで送ってもらった。
「チャム チュープ クニア ペー クラオイ」(また会おう)
今回のような強行スケジュールで来られるくらいであるならば、またすぐに会える気がした。
 
残り0時間。名残惜しいがバンコク行きの飛行機が出発し、35時間のカンボジアの滞在は終了した。
 
翌週からの仕事がどんなにきついものであったかは皆様のご想像通りである。
一切お勧めしないが、土日のカンボジア旅行は可能です。

 
 
***

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2018-07-25 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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