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最高の映画が、私にかけた「呪い」について


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:まつみん(ライティング・ゼミ日曜コース)

 
 
意を決して、私は映画見放題の会員サービスにはいることにした。
 
ずっと気になってはいたのだ。
わざわざレンタルショップでDVDを借りなくても、パソコンやスマホがあれば、24時間好きなタイミングで映画を観ることができるなんて。しかも、どんなに見ても月会費は一定なのだ。夢のようなサービスだ。
 
これで、ずっと観たいと思っていたアカデミー賞受賞作品だって、一気に観ることができる。
最近、話題になり気になっていたあのCGアニメだって観られる。
 
「利用していないなんてもったいない」
友人にも、以前からすすめられていた。
 
ところが、ずっとこのサービスに申し込むことをためらってもいた。
なぜなら、映画を自宅で、あるいは外出先で
観ることに、不安を感じていたからだ。
 
不安の原因はいくつか思い当たることがあった。
 
やらなければならない仕事が残っているのに、
書かなくてはいけない文章があるのに、
部屋がちらかっているから掃除をしなければならないのに、
映画を心から楽しめるのか?
 
映画を観ている最中に、急用が入ってしまうかも。
夢中になって観てしまった、待ち合わせの時刻に間に合わなかったらどうしよう。
そう心配していたら、映画を心から楽しめないのではないか?
 
いろんな原因が思い浮かんだ。
 
だから、申し込むのをためらっていた。
そう思っていた。
 
そんな中の、久しぶりの三連休。
意を決して申し込んだわけだ。
 
三連休なのだ。時間はたくさんある。
 
書かなければならない文章を書き終えた。
ちらかっている部屋も片付けた。
やらなければならない用事もすべて終えた。
 
さあ、映画をみよう。
 
 
面白い。
観はじめてよかった。
さすが、アカデミー賞受賞作品だ。
 
 
ところが、一時間経過したところで、中断する。
 
ラストはどうなるの?
先の展開が読めない、続きが気になる。
 
でも、やっぱり、
続きは後にしよう。
 
私はそう思い、まだ締め切りがずいぶん先の文章を書くためにパソコンを開いた。
 
 
映画館で映画を見るのはいい。
お金を払って座席に着いたら、最後まで観るしかない。
 
 
エンドロールが流れて感動して、ああ面白かったと、スムーズに行く。
こんなすばらしい映画を観ることができて、私はなんて幸せなんだろうと思う。
そして映画をまた観に行こよう。そう思うのだ。
 
 
それが、自宅だと映画を最後まで一気に見ることができない。
今回は、原因だと思っていたことをすべて解決してから見始めた。
 
それなのになぜ?
 
 
その答えに気がついたのは、天狼院のゼミがきっかけだと思う。
 
世の中にはたくさんの作品があることに、改めて気がついたのだ。
 
映画であれ、小説であれ、物語をエンターテイメントとした作品はこの世に数え切れないほどある。
自分が、書いている文章もその中の一つにしか過ぎない。
 
数え切れないほどの作品の中の一つと、偶然に出会って私は楽しんでいる。
 
ものすごい偶然だ。
こんな偶然はもう、一生訪れないのでは?
 
物語を楽しむという、私にとって最高のエンターテイメントに触れたとき、しかもそれが素晴らしい作品だった時、私は、心の底から生きていてよかったと感じる。
 
素晴らしい作品を作ってくれた方々に感謝するとともに、数多く存在する物語が存在する中、たまたまその作品に触れることができた偶然に感謝でいっぱいの気持ちになる。
 
それと同時に、
こんなに楽しいものには、二度と会えないのではないか?
だったら、一度に観るのではなく、もっとじっくり楽しむべきではないのか?
 
そういう思いから、映画を最後まで観ることができなくなっていたのだ。
まるで、映画を最後まで観てしまったら、もう二度と面白い映画に出会えない「呪い」が自分にかかってしまうのではないかと思っていたのだ。
 
偶然には再現性がない。
もう出会えないかもしれない。確証がない。
予想ができないことに対して、人は不安に陥るのだと思う。
私の不安の正体が、やっとわかった瞬間だった。
 
 
ところが、その「呪い」の解き方は、意外に早く見つかった。
 
ライディングゼミを受けた私は、この7月から小説家養成ゼミに申し込むことにした。
そこでの課題を作っていてふと気がついたのだ。
 
「そうだ、自分で面白いものを自分作れるようになれればいいんだ」
 
 
人から与えられようとするなら、待つしかない。
誰かすばらしい作品を作ってくれることを願うしかない。
そして、その作品との偶然の出会いを祈るしかない。
 
でも自分が作ることができたら?
 
もし、仮に、面白いものに出会うことができなかったとしても、自分で楽しいものが作り出せたら永遠に楽しみ続けることができるに違いない。
 
自分で作ることは、待つとは正反対の姿勢だ。
 
一度ではうまくいかないかもしれない。でも、心配はない。チャンスは生きている限りあるのだ。
 
一気に、気持ちが晴れた気がした。
そして同時に、私はどんな物語でも、どんな映画でも最後まで観られるようになると思えた。
 
 
これから、もっと楽しんでもらうための文章を書こう。
そして、たくさんの映画を、物語を楽しんでいけたらと思っている。
 
 
今度は、映画見放題の「呪い」にかからないよう、注意が必要にはなるが。

 
 
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2018-08-01 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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