メディアグランプリ

カメラは魔法


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

【8月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《日曜コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:藤野終夜(ライティング・ゼミ日曜コース)

 
 
「あ、この景色綺麗だ。撮ろうっと」
と俺は首からかけてあるニコンの一眼レフのカメラのカバーを外して、電源をオンにした。さて、どのモードで撮るか。オートには頼りたくないし。よし、とりあえずAモード(絞り優先モード)で撮るか。次に絞りはどうするか、他の設定はどうするか……。なんて事を考えながら、カメラの設定を決めて、構えて、ファインダー越しに景色を見る。よし、今だ! とシャッターボタンを半押しにして、ピントを合わせる。「ピピ」と音が鳴ったところでシャッターを切った。撮り終えた後、「さて、どんな風に撮れてますかな」とカメラの再生ボタンを押して、たった今撮ったばかりの写真をその場で確認しながら、「俺もすっかりカメラにハマったなぁ」なんて事を思っていた。そりゃそうだろうな。俺がこんなにカメラにハマるなんて、今までの人生の中で無かったもんな。じゃあ、どうしてこんなにカメラにハマったのかと言うと、キッカケは福岡天狼院だった。
 
それは俺が今から約一年前に福岡天狼院で、1回目のライティング・ゼミを受講していた時の事だ。その日のゼミの受講が終わった後、ちょっとした飲み会が行われた。お酒や、ドリンクを片手に皆がワイワイと楽しそうに話し込んでいた事を覚えている。そしてその日は、天狼院店主でゼミの講師の三浦さんも参加していた。その飲み会の時、皆が何を話していたか、具体的な会話の内容はすっかり忘れたけど、こんな感じのやり取りがあったのは今でも覚えている。そう、確か三浦さんが、「いやぁ、カメライイっすよ」と言ったので、俺は思わず「カメラって面白いですか?」と聞いたら、自信満々に「カメラ面白いすっよ」と答えたのだ。なんの迷いもなく。「カメラを始めたら、見方が変わる」と言った、様な気がした。(間違っていたら、すいません……)その時の俺は、「そうなんですか」と返事しただけだった。カメラを始めたら、見方が変わる。その言葉の意味を知るのはしばらくしてからだった。
 
カメラを始めてみようと思ったのは、福岡天狼院でフォト部のイベントが開催されていたので参加した事だ。その時はまだ、カメラを持っていなかったので、iPadで参加した。その時のイベントの内容は、太宰治の「人間失格」にちなんだ写真を撮ろう、というイベントだった。この時は、思うように写真を撮れなかったけど、この時はむしろ写真を「撮る」というより、「撮られる」方が多かったので、「カメラで撮られるのもイイかも」と思ってしまった。次に参加したのは、冬頃に開催されたフォト部のイベントで、この時は天狼院の近くの公園の夜景を撮影しよう、というイベントだった。俺はこのイベントの為に初めてソニーのコンパクトデジタルカメラを買った。唯、買ったはいいが、まだ完全に使いこなせなかったので、最初はオートモードに頼ってばかりだった。それでも、自分で撮影した写真をコンデジで確認すると、そこには、綺麗な夜景の写真が写っていた。初めて撮った写真をみた時、思わず顔がほころんだ。こんなに綺麗な写真を俺は撮ったんだ。と、感動した。それからは、都合がつく限り、フォト部や旅部のイベントに参加しては、写真を撮ったり、それ以外の時には家の近所や街に出て、自分なりに写真を撮ったりしていた。
 
写真を撮っていると、ふと思う事がある。「写真って、なんか魔法みたいだな」と。だって、こんなにも綺麗な景色を一度撮ったら、自分でデータを削除するか、カメラ本体やSDカードが壊れない限り、ずっとカメラに残り続けるから。それだけじゃない。プロのカメラマンにでもなれば、撮った写真で人を感動させたり、癒したりする事もある。たった一瞬。たった一瞬の景色を撮影して、切り取って、写真という形ある物に残す事ができるカメラを、魔法と呼ばずに何と言うのだろうか。「そんなの、ただのカメラの機能に過ぎないよ」と言う人もいるかもしれない。確かにその通りかもしれない。けど、それじゃあなんか味気ない。一瞬の景色を撮影して切り取って、写真という形ある物に永遠に残す事ができるカメラは、人間が生み出した偉大な発明の一つで、人工的に創り上げた一つの「魔法」だと俺は思う。
 
そして、カメラを始めた事で本当に見方が変わりつつあった。今までなんとなくしか見ていなかった景色や街の風景をカメラで撮ろうと思った時、「ここはどうやって撮ろうか」と考えたり、「あ、この景色撮りたい!」とつい衝動に駆られてiPadで写真を撮ったりと、今まで気づかせてくれなかった事に気づかせてくれたのも、カメラという「魔法」のおかげだと俺は思った。
 
今でも時間があれば、カメラを持って外に出て、写真を撮っている。中々上達しないのが悩みだけど、それでもカメラを楽しんでいる。カメラという最高の「魔法」を皆さんも試しに使ってみてはどうだろうか。きっと気づきもしなかった事に、カメラは気づかせてくれるから。

 
 
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2018-08-22 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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