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インドア派ネクラが地獄から脱出する方法


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:なかむら(ライティング・ゼミ日曜コース)

 
 
「それでは、各人1分程度で自己紹介をお願いします。名前と所属、あとは最近の趣味を添えて簡単にお願いします。それではどうぞ」
 
セミナーや研修の場面で一度は聞いたことがある、最初のアイスブレークだ。
その中に、決まって含まれるのが「あなたの趣味は何ですか」という質問。よくあるやり方だ。
 
私は、この質問が耳に入ってくるたびに、いつも困り果てる。
 
「趣味なんて、ないよ」
「けど、正直に趣味はありません、などと答えたら、周りの人からは、なんてつまらない人間なんだ、と思われるに違いない」
「本当に趣味の質問は困る。なんて答えればいいんだよ」
 
こういう場合は、聞いている人のウケが良いカッコいい趣味か、当たり障りない無難な趣味を答えるのがセオリーなのだろう。
 
世間では、どんな趣味がセオリーなのだろうか? すこし考えてみた。
 
旅行、写真、カメラ。よくある趣味だ。私は、やっていない。
草野球、フットサル、ゴルフ、テニス、ランニング、登山。もともと体を動かすのは好きだが、学生時代を最後に運動は卒業している。もちろん、やっていない。せいぜい心掛けていることは、会社で階段を使うことくらい。これでは、到底、趣味のレベルではない。
野球観戦、サッカー観戦。スポーツは好きだが、見るのは好きではない。
映画鑑賞、ドラマ鑑賞、読書。部屋にこもってできるので、多少は嗜むが、趣味と言えるほど詳しくはない。
 
こうして考えてみると、改めて、自分の性格に気づいてしまった。
 
そう。私は、インドア派ネクラなのだ。
そして、インドア派ネクラの私には趣味がないのだ。
私のようなインドア派ネクラにとって、趣味の質問は、地獄でしかない。
 
 
ところが、人生はそんなに悪いことばかりではない。
地獄から抜け出す道具を、5万円で手に入れられたのだ。
 
それは、クロスバイクだ。
クロスバイクとは、自転車の種類の1つであり、スポーツタイプの自転車の入門機とされる。
そして、Giantという大手自転車メーカーのクロスバイクが5万円から手に入れられる。
 
クロスバイクとの出会いは、ひょんなきっかけだった。
自宅を引っ越した関係で、自宅から最寄り駅まで遠くなり、歩くには少しきつい距離になった。そこで必要になったのが、自転車だった。別に、自転車を趣味にしようと思ったわけではない。遠くにある駅に少しでも早く到着したい、というまっとうな理由からだった。
 
クロスバイクに乗り始めて数か月。
しばらく使っていると、どうだろうか。めちゃくちゃ「よい」のだ。
 
すぐに、インドア派ネクラにとって、このクロスバイクが、地獄から脱出するキラーアイテムになりえると気づいた。
 
インドア派ネクラといえども、さすがに1日に1回は外出する。多くの人にとっては、通勤や通学だろう。自宅から会社や学校まで出かけているはずだ。私も、平日は毎日、会社まで通勤している。
 
インドア派ネクラは、基本的に家が好きなわけで、外出や人付き合いも「そこそこでいいや」と考える人種だ。
 
新しい趣味を作るために何かを始めなくても良い。新しい出会いが必要になるわけでもない。
今までのように、好きなようにインドア派ネクラの生活をしていればよいのだ。その生活の一部分を徒歩から自転車に変えるだけで、一気に「日常」が「趣味」に昇華される。
 
基本的に1人で自転車に乗るため、誰にも邪魔されずに自分の時間を大切にすることができる。誰か知らない人から急に話かけられて、気を使う必要もない。
わざわざ人込みに向かっているわけでもない。自分のペースで目的地に向かっていける。
 
それでいて、身体を動かしているという事実もある。スポーティな印象を与えることができ、さわやかな印象を与えることが可能だ。
 
私は、すっかりクロスバイクの魅力に取りつかれてしまった。
クロスバイクでの行動範囲も徐々に広がっていった。気持ちも晴れやかになるのが分かった。
 
まさに、クロスバイクは最高の趣味になったのだ。
 
 
クロスバイクの魅力にどっぷりとつかった私は、先日、勤務先のとある研修会場にいた。
2日間の集合研修で、全国各地から研修受講者が集まり、研修を受けるためだ。
受講生は、年齢、性別、職種も違う。もちろん、お互い初対面。人数は30人くらいいただろうか。
 
ここでも、講師の男性が、お決まりのアイスブレークを始めた。受講生に自己紹介を求めてきたのだ。
 
「それでは、各人1分程度で自己紹介をお願いします。名前と所属、あとは最近の趣味を添えて簡単にお願いします。それではどうぞ」
 
今までは地獄のような質問だった「趣味は何ですか?」という問いに、今ではいい表情を浮かべながら堂々と答えられる。
 
たった5万円で最高の答えを手に入れることができたのだ。
クロスバイクがすべてを解決してくれるはずだ。

 
 
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この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。
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2018-08-29 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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