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メディアグランプリ

想像か、現実か


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:Hawa (ライティング・ゼミ日曜コース)

 
 
「おねえちゃん、彼氏できた?」
帰省のたびに妹に問われる。答えはいつもおなじだ。
 
恋愛不適合者。
女性。彼氏いない歴=年齢。そんなわたしが自分を表現するならさしずめこんなところだ。
わたしは、恋愛には向いてない。
これは、おおざっぱで適当な、可愛げのない、モテない女の負け惜しみでも、ひがみでもなんでもない。恋愛にも向き不向きはあって、自分にはそれが向いてないんだという、ただそれだけのこと。
 
おそらく、わたしの恋愛対象は実在する男性だ。セクシュアルマイノリティではないし、小説やらアニメやらの男性に思いを寄せるあまり、実在する男性がくすんで見えるというわけでもない。
いくら恋愛に向いていないわたしとて、20年間、誰にもときめかなかったわけではないのだ。
幼稚園時代によく遊んだ友達。小学校時代のクラスメイト。中学時代の塾の友達。高校時代の塾の英語の先生。大学の委員会で一緒になった同期。
「あ、なんかすてき」って思うことは何度もあった。一時的ではあれ、ときめきはする。今風に言うと、キュンキュンする。するにはする。
この人、すてきだなと思った人が目の前にいるときは、その人に興味が湧く。お近づきになりたい、話しをしたいと思うし、自分に好意を持ってもらいたいなあとも思う。そこらへんにいる、普通の恋する乙女のように。
 
そう、ときめくところまではいくのだ。お付き合いできたらいいな、って思ったこともあったかもしれない。一瞬でも、恋愛感情らしきものを持つことはできるのだ。
だが、問題は、そこから先である。
決して、仲良くなるところまではいくんだけれど、友達どまりで恋人に発展しない、なんて話ではない。
 
物理的距離=心理的距離
なのである。それも、極端に。これはなかなか致命的である。
少しでも離れていると、その人に対する恋愛感情や興味が薄れてしまうのだ。薄れるどころか、なくなる。相手の存在が忘れ去られてしまう、というほうが正しいかもしれない。コンピュータからデータが消えるように。
 
どの程度が「離れる」 なのかというと、クラス替えや進学でばらばらになってしまうのは当然のこと、長期休暇で会う機会が減った時や、ひどいときは、視界から消えた瞬間にそのときめきが嘘のようにどこかへいってしまうのだ。
要は、移り気なのである。それも、筋金入りの。人間として何かが欠如しているのではないかと思うほどに。
 
自分の興味の対象が次々に移り変わるのだ。男でもテレビ番組でも本でも食べ物でも平等に。さっきまでは、すてきな男性で頭がいっぱいだったのに、次の瞬間には、目の前に現れたお菓子に夢中になる。そんな感じだ。
だから、いつまでたっても進展しない。恋心は、一瞬で過去のものになる。だからといって、別に痛くも痒くもない。
 
まわりの女友達は次々に彼氏と呼ばれる相手を作る。ときどき喧嘩しているけれど、おおむね幸せそうだ。たまに、ふられた、なんて話も聞くけれど、ふられるところまで進んでいる時点でわたしよりは進んでいる。総じてみんな、いきいきしているなあ、と思う。
 
友達を見て、すごいなあと思ってみたり、ちょっとうらやましいかもと思ってみたりすることもある。でも、恋人を作っても目の前に別のものが現れたら、それに夢中になってその人をほったらかしてしまって、たぶんすぐに終わってしまうんだろうなと思うと、そちらにエネルギーを注ぐことを躊躇してしまう。何かの間違いで結婚できたとしても、家庭以外のことに興味が向いてしまえばおしまいだ。幸か不幸か、今のところはどれも推測だが。
 
推測。そりゃあそうだ。まだ、経験していないのだから。
あれ? 推測? ということは、まだ、始まってもいないということ?
わたしは、起こりそうだと思い込んでいることを勝手に膨らませて、想像して、結論付けていたのか。
そりゃあ、周りの友達がなんかいきいきしているように見えるはずだ。少なくとも、彼女たちは「生きて」いるのだから。想像だけのわたしなんかに比べたら、生き生きしていて当たり前だ。
 
なんか、もったいないなあ。
勝手に思い込んで、推測して、結論付けて、それで自分の中では完結。頭の中でぐちゃぐちゃ考えて、行動にはうつさないで、終わってしまう。結局体験せずじまいだ。でも、なんだかもう体験したような気分になっている。
人生、半分以上損してるんじゃないか?
 
移り気なのは、仕方がない。どうしようもない。だってこれが自分だから。
でも、じゃあ、だからといって別に想像の世界に閉じこもっている必要もないわけで。
恋愛に向いていないのは、単なる思い込みか、それとも真実か。まあ、本当に恋人ができるかどうかは、相手もいることなのでわからないけれど。
 
でも、少なくとも行動してみる価値はあるかもしれない。
結論は、それからでも遅くないはず。

 
 
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2018-09-19 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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