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メディアグランプリ

玉露はダシだ!


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:纐纈ミキ(ライティング・ゼミ特講)
 
 
私の友人はお茶グルメである。
岐阜に住んでいるにもかかわらず、毎年新茶の季節になると静岡まで買いに行くのだ。そして毎回、私に「静岡まで連れてって」と運転を頼む。お茶を買うだけなら通販でも注文できるよと言ってはみるが、お茶の産地でお茶を飲みたいらしい。まぁ、旅行好きでドライブ好きな私にしては苦にはならないし、昼食とスイーツを行くたびにおごってくれるので一石二鳥である。
今年友人が行きたいと言い出したのは静岡県掛川市のお茶屋さんで、1階がお茶の販売店で2階が喫茶室となっていて、そこのお茶スイーツが美味しいと評判のお店だった。
先に2階に上がると既に満員となっていたので順番待ちリストに名前を書き、お茶を買いに1階に降りた。
様々なお茶があり悩んでいると、店員さんが
「よろしければお茶の試飲はいかがですか?」
と声をかけてくれたのでお言葉に甘えてお茶をいただくことになった。
「美味しい!」
「これは今年採れたお茶でおススメのお茶なんですよ」
と言われ、友人は即決で試飲したお茶を含めて3種類5袋を持ってレジに並んでいた。
「確かに美味しかったもんなー」
と、私も試飲したお茶を1袋買ってしまった。
ちょうど買い終わって2階に行くとすぐに名前を呼ばれ、喫茶室の中に入った。
通されたところはやや狭い場所で南側のガラスから日本庭園が見える場所だった。壁には茶器や絵が飾られていて、まるでお茶室のようなとても雰囲気の良い場所だった。
メニューを手に取り、どれにしようか悩む。抹茶ティラミスも美味しそうだし、抹茶ムースロール・抹茶シフォンケーキ・ほうじ茶ブリュレ・抹茶づくしセットなんてゼリーや餡に抹茶を使用したクリームあんみつという絶対美味しいに決まっている! と断言できるほどの写真が載っている。そんな中、目に留まったのは4月25日から発売になった濃い抹茶パフェ。メニューの隅に数量限定と書いてある。これだ! 
「新メニュー」と「数量限定」に弱い私は抹茶パフェと深蒸し煎茶を注文した。友人はお茶本来の味を楽しみたいと玉露のみ注文した。
お茶とパフェを待っている間、庭園を眺める。後ろの山を借景にした小さくてもとても落ち着くお庭だった。
「楽しみだねー」
と喋っている間にお茶とパフェが来た。
「でかい!!」
想像していた以上にパフェがでかい。抹茶ゼリーの上に小豆・クリーム・抹茶アイスに抹茶ケーキ・抹茶餡にソフトクリーム、抹茶チョコがソフトクリームに刺さっている。
「これ……一人で食べきれるか?」
と思いつつも友人とシェアすればいいかと思い直す。
店員さんにお茶のいれ方を教えてもらう。まずお湯を湯冷しに入れ適温にしてから急須に入れて砂時計をセット。砂が全部落ちれば飲み頃のお茶が出来上がる。
友人に出された玉露をみると、一杯目はすでに玉露が注がれている状態だった。
「こちらにお湯も用意しますね」
とポットを置いてくれた。2杯目用のお湯だった。
お互いまずはお茶を一口飲む。私のお茶は試飲で飲んだものと同じだった。やっぱり美味しい。私がパフェを食べ始めると、友人が一言、
「何? これ……」
とつぶやいた。
「どうしたの?」
と聞くと、
「コレ、飲んでみて」
と玉露が入った湯飲みを私に手渡した。
私の湯飲みより小さいなと思いつつ、玉露を口にした。
「!」
これお茶? 旨味が凝縮していてお茶独特の苦味が一切しない。お茶というよりなんだろう? どこかで飲んだことのあるような味なのだけれど……
「これ、ダシだ」
「え? ダシ?」
ダシとは昆布や鰹節などを煮出した汁のこと。日頃からおかしな奴ではあるが、お茶と昆布の区別がつかなくなるとは……と思いつつ、もう一口飲んでみると確かにお茶というより「ダシ」という言葉が、この飲み物には一番近い気がする。確かに旨味が凝縮した汁という点では同じだ。
玉露を友人に返し、私は深蒸し煎茶を飲む。お茶としては十分美味しいのだが、旨味は圧倒的に玉露の方が上だ。
「お湯があるし、二杯目いく?」
お互い飲み干したのでポットを手に取り、急須にお湯を入れる。
あの味がもう一度飲めるとワクワクしながら飲む友人。一口飲んでまた驚いた表情をする。
「お茶だ……」
「え?」
また一口飲ませてもらう。確かに美味しいのだけど……
「お茶だね」
お茶独特の苦味。ダシがお茶に変わった。同じお茶の葉なのにいれ方によって味がこんなに変わるものだというのを初めて知った。
その後、大きなパフェを二人で食べた。大満足な気分で喫茶室を後にした。
友人は1階の販売店で玉露のお茶を追加購入した。自宅であの旨味を再現してみるそうだ。
「夏限定のかき氷が出るみたいだからまた行こうね」
お店から出ると今度は私が静岡行きを誘っていた。かき氷も気になるが、次は私も玉露を頼んで味の変化を楽しんでみようと思った2018年春の事だった。

***

この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。
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2018-09-20 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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