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私がライティングゼミを再受講する理由


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

【10月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《平日コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:金澤千恵子(ライティング・ゼミ木曜コース)
 
 
「もう、来なくていいよ」
小学5年生だったある日、ピアノのレッスンに行き、1曲目を弾き終わったとき、ピアノの先生は、私に言った。
先生は私の母の友人だった。だから、滅多に怒らなかった。
それをいいことに、私はほとんど練習をせずにピアノのレッスンに通っていた。
ピアノを習いたいといったのは私だし、ピアノを弾くことが嫌いではなかった。けれども、音階練習が嫌だった。
 
当時、ピアノの教え方は「バイエル」という初心者向けの教本から始め、少し慣れてくると、「ハノン」という教本に進む、という方法が主流だった。
「ハノン」は指の筋肉を鍛えたり、早く動かしたり、5本の指を均一に動かせるようになるための音階練習として使われる教本なので、単調で単純な音の連続で、弾いていてもちっとも面白くない。
短気なわたしはその退屈さに耐えられず、かんしゃくを起こしてすぐに練習をやめてしまう。その結果、レッスンで先生の前にすわっても、先週より上達するどころか、かえって下手になっている始末だった。
それでも先生は怒らなかった。
「じゃあ、ここで練習しましょうか」
そう言って、先生はため息をつくことも、イライラすることもなく、辛抱強くつきあってくれた。
それをいいことに、私は次第に練習をさぼるようになった。ひどいときには、レッスンから次のレッスンまで、一度もピアノの前にすわらないまま、次のレッスンに行ったこともある。今考えるとたいした度胸だったと思う。
そんな状態が数か月続いたある日、レッスンで最初の一曲をいつものように弾き終わった、というよりは音をボロボロに間違えながら最後の一音までたどりついたとき、先生は静かに言ったのだ。
「ピアノが嫌いなら、もう、来なくてもいいよ」と。
私はハッとして先生を見た。先生はいつもと同じで、大声を出したわけでも、怖い顔をしていたわけでもないけれど、その静かな表情と、声の真剣さから、私は先生が本気でそう言っているのを感じた。
 
それから間もなく、私はピアノをやめた。
私はクラシックバレエも習っていた。バレエも上級になるまでは、ひたすら地道な基礎レッスンが続く。少し練習すればトウシューズをはいてくるくる回れるのだと思っていた私は、習い始めてしばらくしてもなかなかトウシューズを履かせてもらえないことに業を煮やし、嫌になってやめてしまった。
中学で始めたテニスも同じだった。球拾い、壁打ち、ストローク練習。それでもちっともうまくならず、試合にも出られないまま、諦めて行かなくなってしまった。
 
そのたびに私は言い訳をした。
「なんでも続かないんだよね」「あきっぽくて」「不器用だから」
それらはいつしか、私のアイデンティティにすらなっていた。
 
ひとつだけ、文章を書くことだけは、ずっと好きだった。そして思いがけない幸運に恵まれ、プロとして仕事をすることになった。
けれども、せっかくのそんなチャンスを、私は自分で潰してしまった。
継続して、書き続けられなかったから。
 
そんなとき、天狼院書店のライティングゼミを知った。
毎週2000字の課題がある。
フィードバックももらえるという。
2000字。これなら、書けるはず。自分はプロとして仕事をしていたのだから、それくらいはできないはずない。私は傲慢にも、そう思っていた。
そして参加を決めたのが、去年の10月だ。
 
第一回目の講義で「ABCユニット」を習った。ライティングゼミの奥義。
習ったときは、「へえ! 面白い」と思った。
でも、きちんと理解していなかった。
「ふわっ」と理解しただけで、わかったつもりになって、自己流で書き続けた。
何回か、Web天狼院に掲載された。フィードバックで「面白かったです!」と言っていただいたりもした。
 
でも、すぐに続かなくなった。たった2000字が書けない。
その理由は、今なら明白だ。
基礎ができていなかったから。
そして、練習を怠ったから。
小学5年生のときとまったく同じ過ちを、まだ繰り返していた。
 
下手にプロの経験があるから、「こんな記事じゃだめだ、掲載されない」というのは自分でわかってしまう。そんな文章は変なプライドが邪魔して投稿できない。
投稿すれば、掲載されなくてもフィードバックがもらえるにも関わらず、そのチャンスすら自ら潰した。
結局、課題を出せたのは16回中、半分にも満たないまま、ゼミの4か月が終わった。
 
またダメだった……
挫折感に打ちのめされていた時、たまたまライティングゼミの上級クラス、プロゼミの入試があるというニュースを聞いた。
プロゼミという響きは魅力的だった。
本気でプロをめざす人たちのなかに身をおけば、今度こそ自分が本気になれるような気がした。
でも入ってみて、痛切に後悔することになった。
プロゼミは厳しいところだった。
ライティングゼミで優秀な成績をおさめた方たちがしのぎを削る場所だった。課題を毎週出すのは当たり前、そして講師の三浦さんのフィードバックの厳しさにも恐れをなした。
なんでこんなところに来てしまったんだろう。
私は頭を抱えた。
ここは私などのくる場所ではなかった。
投稿される課題のレベルの高さにも恐怖を感じた。
生半可な記事を投稿することはできない、と感じ、書き上げた記事を、投稿できずに終わったことも何回もあった。
結局、通算2期在籍したプロゼミで、投稿回数は四分の一以下だったと思う。
 
それでは、プロゼミに在籍した期間は無駄だったのか、と問われれば、決してそうではない。。
 
なぜなら、ゼミのメンバーのクオリティの高い記事を読んだことで、私はABCユニットや、ライティングゼミで教わったことを素直に受け入れ、繰り返し練習することで到達できる高みを、間近に見ることができたからだ。
 
プロゼミのメンバーは今、新しい雑誌のライターとしてすでにスタートを切っている。
そのなかには、去年、同じ10月スタートのライティングゼミで学んでいた仲間も数名いる。
 
私が今回、ライティングゼミの再受講を決心したのは、だから、「ABCユニット」を、最初から学び直すためだ。
今まで私は、基本をあまりにも軽んじてきた。
そして基礎練習や繰り返し、地道な継続に苦手意識をもち、遠ざけてきた。
でも、自分の欲しいものをつかむためには、それら決して、避けて通れない道だった。
 
「もう、来なくてもいいよ」
とは、二度と言われたくない。
書くことが好きだ。やめたくない。
だから、私はここにいる。

***

この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。
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2018-09-20 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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