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メディアグランプリ

「毒」と呼ばれたわたしが、4ヶ月間ライティング・ゼミに通ったら


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

【10月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《平日コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:井上かほる(ライティング・ゼミ平日コース)
 
「毒といえば、井上」
そう思われていたのは、そんなに昔のことじゃない。
わたしは、自分が書いた文章によって会社を辞めることになった。
その文章は、会社の決定事項に対し、「それはないじゃないか!」という内容を、怒りと悲しみを交えて書いたものだった。わたしが書けばなんとかなるのかもしれない。そう思っていた。けれど、その文章を書いてからは、良くないことが続いた。
 
「井上の言葉は、毒」
あっという間に、そう烙印を押された。
今思えば、このときの文章だけでなく、以降に書いた文章もすべて毒を持っていた。
真摯に答えたはずの発言も、「毒」として捉えられるようになっていった。
 
 
これは、仕事探しでも大きく影響した。
面接では「退職理由」を必ず聞かれる。
考えても考えても、わたしが悪かったと思えない。
さらに、退職理由は志望動機にもつながる。
「前職でこうだったから、これからこうしたい」
いくら考えても、「こうだったから」の部分には必ず毒が入っていた。
 
そんなとき、「人生を変えるライティング教室」という天狼院書店のライティング・ゼミに出会った。
人生を変える?
正直、胡散臭いと思っていた。けれど、子どもの頃に「文章で気持ちを表現するのが上手」と先生に褒められてから、今でも「書くこと」への憧れはある。
習得してなにかをしたい訳ではなかったけれど、「書けるようになったらなんかいいかも!」と思い、申し込んだ。
 
しかし、最初の講義で大きな壁が来た。
毎週提出する2000字には「ポジ抜け」することが絶対条件だということ。
「そんな……」
当時わたしは書くことで、自分を苦しめた人たちを同じように、いや、それ以上に苦しめてやろうと思っていた。
「その会社ひどいね」
そう思われればいいと思っていた。
だから、ポジティブに抜けるような文章なんて、思いつかなかった。
なんで思ってもいないのにポジティブに終わらなければならないのか。
「あいつらが悪い!」
そのまま書いて、なにが悪いのか。
 
ところが、講師の三浦さんはこう言った。
「毒は必ず、自分に返ってくる」
 
完全に、わたしのことだった。
 
毒は、確実に自分に返ってきた。
毒が入った文章をいくつも書いたわたしは、その後異動になり、新たな上司からは「もうなにも、書かないでくれ」と言われた。わたしを、守るためだったんだと思う。
でも当時のわたしは、そんなことには気づかなかった。
少し前まで「井上が思うとおりに、そのまま進めて」「井上から全員に伝えて、わからないメンバーいたら教えてあげて」「来年度にむけてやるべきこと、井上なりにまとめておいて」
と、信頼されて、まわりに頼ってもらえる存在だった。
それが、たった1回書いた文章ですべてが覆り、刃となってわたしを突き刺した。
「お前の言葉はいらない」
突き刺す刃に、そう言われているように感じた。
「どうして自分がこんな目に遭わなければならないのか」
悲しくて、悔しくてたまらなかった。
会社にいると吐き気がする。息が苦しい。涙が溢れる。食事ができない。なにもしたくない。体重が減り、寝たら死んでないかなと、毎日思っていた。
文章が、わたしを壊そうとしていた。
 
 
天狼院書店のwebサイトに掲載されている記事を読んでいると、みんな必ずポジ抜けしている。それも、読んでいて無理やり感がない。苦しいことがたくさんあっただろうけど、最後には前を向ける文章になっている。正直読み始めたときは、目を伏せたい気持ちがあった。眩しすぎると思ったこともあった。けれど、読む記事が増えてくると、暗かった道のりに、細くて長い光がゆっくりと射すような、そんな風に感じるようになった。一気に明るくはならないその文章たちがわたしを励まし、わたしも同じように書けるようになりたい、そう思わせてくれた。
 
そうして読むことが増え、自分でも意識してポジ抜けする文章を書くようにした。
するとある日、天狼院書店のwebサイトに掲載された文章を読んでくれた人が、「自分も頑張ろうと思えました」とメッセージをくれた。
母のことを書いた文章を本人に見せたら、「こんな風に書いてもらえてうれしい」と言ってもらえた。
わたしの文章が、誰かの心に届いたり、喜んでもらえる。
 
文章は、ふしぎだ。
読むにも聞くにも日本語の音は50ちょっとしかないのに、それが繋がって文章になると色んなことを感じさせてくれる。
読んでいて気持ちいい文章、人の背中を押してくれる文章。反対に、読んでいて気分が悪くなる文章、人を攻撃する文章。
どちらがいいかなんて、一目瞭然だ。
 
数ヶ月前、文章は自分を突き刺す刃だった。
それが、今では自分にとって大切なものになっている。
 
 
会社を辞めて半年近く。今でも、わたしのかつての毒に吸い寄せられてくる人がいる。
会社の愚痴を言ってくる人がいる。
毒は、毒を呼ぶ。
その度、わたしも引っ張られそうになる。
かつての「毒」が、復活しそうになる。
 
けれど、この4ヶ月間で自分の心と向き合い、書くことで毒を浄化してきた。
そして、書くために、ここに載っているたくさんの文章を読んできた。
「あと少しでポジ抜けできるのに!」て時に、エナジードリンクのように文章を読んで、ポジ抜けゴールを目指してきた。
だから、毒に引っ張られそうになったら書けばいい。
書けないときには、このサイトに帰ってきて、たくさんの文章を読めばいい。
そうすればまた、目の前に光が射す。
そして、いつか、わたしも光が射すような文章を、書けるようになりたい。
光はちょっとだけでいい。細くていい。
でも、その文章で心がやわらかくなるような。
やさしい気持ちに、なれるような。
そんな文章が書けるようになれたら、いいなと思う。
たくさんの人じゃなくていい。たった1人だけでいい。
 
 
天狼院書店の「人生を変えるライティング教室」
ここは、ただ書くことを身につける場所ではない。
書くことで、本当の自分と向き合うことができた。
書くことで、人との距離を近づけることができる。
書くことで、新しい夢が見つかる。
書くことで、人生が変わる。
 
本当に色んなことが変わってしまった。
1番変わったのは自分自身だ。
うーん……。三浦さんの言うとおりになってしまった。
とても感謝しているけれど、なぜか悔しい自分がいる(笑)。
 
***

この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。
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2018-10-03 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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