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メディアグランプリ

Excelの関数はドラクエの呪文だ!


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:原 千重子(ライティング・ゼミ木曜コース)
 
 
「Excelが割と得意なんです。特に関数を使って作るのは大好きですね」
そう周りの人に話すと、だいたい反応は一緒だ。
「えー。私なんかすごく苦手で……」
「SUMだけならなんとか使えます」
 
私は断言する。SUM関数が使えるなら、もうExcel関数が使えるも同然である、と。
 
私が本格的にExcelに触れたのは社会人になってからだ。最初はおっかなびっくり与えられた情報を入力するだけだった。最初の会社ではそれだけでも十分事足りたし、それ以上のExcelの活用も必要がなかったからだ。
 
ガラリと変わったのは転職後。
ただ与えられた情報を入力するだけではどうにもならず、翌日の会議までに数値を使って分析したり、三日以内に1万人ものデータを処理しなければならなかったり、とにかく今までの知識とスピードではどうにもならないくらいExcelの活用に迫られたのだ。
初めは単純な関数を覚えていったが、そのうちどのように関数と関数を組み合わせたら少ない手順で複雑な処理を短時間に出来るようになるか、試行錯誤を繰り返す事がとても楽しくなり、ついにはVBAというExcelで使えるプログラムまで勉強するようになった。初めて自力でVBAを使った提案書を作成したときは達成感で泣きそうになり、さらにそれをみんなが喜んでくれた事が自信にもつながった。
 
そんな時、アルバイトの大学生達から「Excelを教えてほしい」と頼まれた。
携帯やスマホは触るけどパソコンはあまり使わない。大学に入ってExcelの授業がある。レポートのために使わなくちゃいけないけどうまく使いこなせない。バイトでもExcelを使う頻度が高いから出来るようになりたい。高度な事が出来なくてもいいから、せめて「これだけは知っておけ!」というものがあったら教えてほしい。
大学生達のお願いは、むしろ悲痛な叫びのようにも聞こえた。特に彼らが知りたがったのが関数だった。私は学校でも仕事でもこれから先でも役に立つなら、とExcel研修を引き受けた。
 
研修当日。基礎知識を教えたあと、いよいよ関数を教える時が来た。
私は言った。「関数って呪文なんだよ」全員ポカンとした。
「そもそも呪文って、炎を出したかったらメラ、回復したかったらホイミって必要に応じて唱えるでしょう? 関数も同じ。Excelに何かやってほしい時に唱えるんだよ。足し算をして欲しかったらSUM! と唱えるし、平均値を出したかったらAVERAGE! と唱える」
ぽかんとしていた表情が、安堵の笑顔に変わっていった。なんだ。呪文を唱える方法がわかれば出来るのか。
「では一緒に呪文を唱えてみましょう。まず大前提として、Excelにこれから呪文を唱えます。と宣言する必要があります。なんだかわかる?」
するとすかさず一人の大学生が声を上げた。
「イコール?」
「その通り! Excelでは関数を唱える時に必ず最初にイコールと入力します。必ず、です。これが呪文で言うところの杖を振り上げるところです。そして次は振り上げた杖をおろすと同時に呪文を唱えます! ということでExcelにやってほしい呪文を唱えます。ここでは足し算をしてほしいので、SUMと唱えましょう」
大学生たちは言われたとおりのセルに言われたとおり入力していく。
「SUMを唱えた後は、そのSUMが及ぼす範囲を教えてあげます。呪文でもそうだよね? 敵単体に繰り出すのか、敵全体に繰り出すのか、あるいは味方に唱えるのか、ちゃんと指定するよね。だから同じく指定します。Excelの場合は()を使って指定するので、やってみてください」
Enterを押した瞬間に結果が出力されると、大学生たちは歓声を上げた。
 
次の関数を教えた時、予想通りに結果が出ない大学生がいた。
( で始めた範囲指定を )で閉じ忘れてしまったのだ。大きな音とともに警告画面が出てきて軽くパニックを起こした。本人にとっては気の毒だが、私にとってはありがたい失敗だった。
「大丈夫。ただ、呪文を唱え間違えてますよ、とExcelが訴えてるだけ。呪文を唱え間違えたら正しく発動しない。それだけ。別に死なないから安心して」
呪文を唱えなおして無事に結果が出力されるとみるみる表情が明るくなった。
 
この後も練習用データを使って、数種類の呪文を教えては唱え、教えては唱え、を何度も何度も繰り返した。呪文を唱え間違えたり、効果が及ぶ範囲を指定し間違えたり、さまざまな失敗を体感しながら、全員研修時間中に基本的な呪文を唱えられるようになり、魔法使い見習いくらいに成長した。
研修後、大学やアルバイトでも少しずつ呪文を増やしていき、どんどんレベルがあがり、みんな優秀な魔法使いとなった。
それから毎年アルバイトが入ってくると、この研修が行われるようになり、魔法使い見習いが次々と生まれていった。
 
私は、手から炎や氷を出せないし、HPを回復させることも出来ない。でもExcelの世界だったら大賢者! とまではいかなくても、大魔法使いぐらいには高度な呪文を唱えることが出来る。
関数に苦手意識を持っている人がいたら、まずはさまざまな基礎呪文を唱えるところから始めてほしい。メラから始めた私がメラゾーマを唱えられるようになったのだから、誰だって魔法使いになれるチャンスがあるのだ。

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2018-10-04 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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