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趣味をきかれるとたいてい困る


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:福井一恵(ライティング・ゼミ朝コース)

 
 
「趣味は?」
 
「読書と音楽鑑賞です」
 
などと定番の答えをいうのはつまらない、と思ってしまう。
つまらないかどうかを考える必要はないのかもしれないけれど。
 
……私の趣味ってなんだろう?
 
趣味をきかれるとたいてい困る。
 
そう、今、私は「趣味」という欄があるプロフィール用紙を前に困っている。
 
趣味をきく理由はきっと、その人がどんな人か知るヒントが欲しいからなのだろう。だから「読書と音楽鑑賞」と定番な答えを言ってもヒントにならないだろうなと考えてしまう。
 
まぁ、
「読書と音楽鑑賞です」と答えても、
きっと
「どんな本を読むのですか?」とか
「どんな音楽をきくのですか?」とか
そこから質問を掘り下げていくのだろうけれど。
 
……でも、それも困る。
 
ものごとを「好き」か「嫌い」かのどちらかに分けるとすると
読書も音楽鑑賞も迷いなく「好き」だ。
 
好きな作家もいるし、好きなアーティストもいる。
 
でも、そこを掘り下げて会話が広げられるほどマニアックな知識があるわけではなく、同じ作家やアーティストが好きな人との会話についていける自信はない。
「え? 好きなのにそんなことも知らないの?」
と言われることの方が多いだろうと思う。
 
だから趣味に読書や音楽鑑賞をあげることができないでいる。
 
そんな私も「趣味はパンづくりです」とか「趣味は土いじりです」とか「趣味はDIYです」とか「趣味はパソコンです」とか、ためらいなく言えるときがあった。
 
それに夢中になっているときだ。
 
でも、今、どれも夢中でやっていない。
夢中になってやっている時期があったというだけだ。
 
今は夢中になってまではやっていないけれど
「好き」か「嫌い」かに分けるとすると、どれもためらいなく「好き」だ。
 
今でもやりたくないわけじゃないけど、手が回らない。
 
正直言うと、それどころじゃない。
 
そもそも「趣味は?」ときくと相手が格好つけることがあるから
「休みの日は何してる?」ときく、というインタビューテクニックがある。
 
私が休みの日にしていることといえば……
天気が良ければまとめて洗濯、シーツなどの大物を洗う、
片付けようと思って放置されているものを片付ける、
買わなきゃと思いつつ買いに行けてないものを買う、
 
というような家事と同時進行で、3歳児の相手をする。
 
あっというまに休みは終わる。
 
そして、寝かしつけながら寝落ちする。
 
テレビの前にゆっくり座ることなんて、この3年していない。
テレビはいつも子ども番組だ。
自分が好きな番組を見ることはない。
そもそも、無理してまで見たいと思わなくなった。
今はテレビを見る時間があるなら寝たい。
映画も同じ。
 
読みたい本もたくさんある。
出産前はいつもバッグの中に本を持ち歩いていたのに、
重いだけなので持ち歩くことはない。
寝かしつけながら、こっそり電子書籍版をスマホで読むのが精一杯だ。
 
 
さて「趣味」は?
 
「休みの日にしていること」が趣味なら
今は趣味の欄に「育児」と書けばよいのだろうか。
 
そこで、もうひとつのインタビューテクニックを自分に試してみる。
「言われなくてもしてしまうことしていること」をきくというもの。
 
私にとって、言われなくてもしてしまうこと。
 
「ぼーっとすること」
 
これは本当に趣味を記入する欄に書いたことがある。
 
小さい子の育児中でも、ふとおとずれる短い自由時間。
私はまず、スイッチを切ってぼーっとする。
 
意識的にというより、ぼーっと「してしまう」のだ。
 
ぼーっとするのに近いことだが、
いつだったか
「雲を眺めること」と書いたこともある。
 
ぼーっと、雲が流れていくのをただ眺める。
気持ちがいいなぁ、ああ、形が変わっていくなぁ、と思う。
 
ただ、それだけ。
 
そうか。
 
「雲」か。
 
私にとって「趣味」は「雲」のようなものかもしれない。
 
風に吹かれて流れていくもの。
形を変えるもの。
現れたり消えたりするもの。
 
運動会日和の秋晴れのように、快晴で雲ひとつ見えないこともあれば、
一面の雲に覆われる日もある。
 
今、趣味が見えないのは、仕事と育児で余裕がないせいだと思っていたけれど、
もしかしたらそれは「快晴」ということなのかもしれない。
余裕がないのはその通りなのだけれど、
雲が必要ないほど晴れているのだと思ってみようか。
 
雲ひとつない青空は気持ちがいい。
趣味が見えない今の生活は、正直いうと気持ちがいいかどうかわからないほど
「いっぱいいっぱい」なのだけれど、
きっと、後から思い返すと「幸せな時期」だと思えるのだろう。
 
快晴の空も気持ちいいけれど、
少し雲があると、その流れや形の変化をながめることができる。
ぼーっと雲をながめる楽しみ方もできる。
 
雲は作るものではなく現れるもの。
趣味も作るものではなく現れるものだと思う。
 
私の生活にまた気持ちよくながめられるような雲があらわれるのももう少しかもしれない。
プロフィールの趣味の欄には「育児」「雲をながめること」を書いておこう。

 
 
***

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2018-10-04 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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