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メディアグランプリ

変態さんは世界を救う……


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:Zono(ライティング・ゼミ平日コース)
 
私は誰かに自慢できたり、誇れるような趣味や専門領域というものを持っていない。趣味は何ですか? と聞かれたら、強いて挙げれば「料理です」と答えると思う。だからと言って、自分のオリジナルレシピがあったりするわけでもなく、料理を人に自慢できるのでもない。何かを極めるほど、熱中し、ハマったということがないのだ。
 
世の中、一般の人はどうなのだろうか? これは自慢できるとか、これだけは誰にも負けないというものを持っている人はどれくらいいるのだろうか? 
 
先日、会社で新規事業を担当している部門の人と話す機会があった。どうやって新規事業を生み出しているのか? ということを聞きに行った。その中で印象的だったのが、「変態」という言葉だった。「変態」という言葉を聞いて、普通は「いいイメージを思い浮かべない」のではないだろうか? 辞書で「変態」という言葉と調べると「普通の状態と違うこと。異常な、または病的な状態」と書いてある。そう、一般的には「異常」、「病的」というようにどちらかといえば、ネガティブなイメージの言葉である。
 
新規事業担当の人が言うには、「何かを極めた人って普通の人とは違う観点、視点で物事を見ていると」、「普通の人とは違う世界が見えているらしい」と。例えば、スポーツの中継だとそのスポーツを知らない人がカメラマンだとすると、全然いけてないアングルでの中継になったりする可能性が高い。そのスポーツを知っていて、愛しているからこそ、この場面ではこのアングルなどとその場にはいない人にも臨場感を届けられるような映像が撮れるのでははないだろうか? と。イノベーションは「新結合」。既にある何かと何かを結びつけたり、繋げたりすることで生み出される。
 
この話を聞いて、「マツコの知らない世界」と言う番組のことを思い出した。この番組は私の好きな番組の一つで、「へーそうなんだ」「知らなかった」という気づきの多い番組だ。この番組の出演者は変わった人が多い、「変態」と言うと語弊がありそうなので「偏愛」と言っておこう。知らない人もいるかもしれないので、番組のことを説明しておくと「あることに人生を捧げている人が出て来てマツコにその素晴らしさをプレゼンする」番組だ。「バラの世界」、「ポン酢の世界」、「ハムカツの世界」「シャボン玉の世界」「みかんの世界」など「そこっ!」と言うようなことに人生を捧げている人が出てくる。どうやってこの「変態さん」「偏愛さん」を探してくるのか?と不思議に思う。私が知らないだけで世の中には普通にいるのかもしれない。いや、「変態さん」は目立たず、潜んでいるのできっと気づかないだけなのかも知れない。
 
新規事業担当の人の話を聞いて思い出したのが、「蚊の世界」の回に出演していた高校生(正確には高校卒業してアメリカの大学に入学する前)がまさに「偏愛」であり、「変態」であった。蚊の研究を始めたきっかけは妹さんが蚊に刺されることが多く、刺されると腫れ上がることもあって蚊に刺されないようにしてあげたいと言うことだったとのこと。蚊に刺されやすい人と刺されにくい人の違いはどこにあるのか? と言ったことを14歳から独自に研究し始め、蚊に刺されやすいか否かは足の常在菌の種類の多さに関係していると言うことを突き止めた。きっかけは妹さんが蚊に刺されなくしてあげたいと言うものだった。この少年の「変態」いや「偏愛」ぶりには目を見張るものがある。まず、自宅に「蚊専用の部屋」を作って蚊を4000匹飼育している。血を吸うのは産卵するためのメスのみで、メスにはエサとし「自分の腕を差し出し、血を吸わせている」そして、野生の蚊を採取するために自分の脚を差し出している。彼をここまで突き動かしているものはなんだろう?
 
1年間で人間を殺している生物ランキングのベスト? ワースト?5は、1位:蚊(約83万人)、2位:人間(約58万人)、3位:ヘビ(6万人)、4位:スナバエ、ブヨ(2.4万人)、5位:イヌ(1.7万人)
日本では「蚊」の媒介による病気で亡くなる人はあまりいないので、蚊に刺されることに神経質になっている人は少ないと思う。日本でも数年前、「デング熱」や「ジカ熱」の感染者が出て代々木公園などが閉鎖されたことを覚えている人もいると思うが、東南アジアやアフリカなど世界に目を向けるとマラリア・デング熱などで毎年100万人弱が亡くなっている現実がある。また、今も予防接種がある「日本脳炎」も蚊が媒介する恐ろしい病気だ。
 
この少年曰く、蚊に刺されにくくなることや蚊と共生できる世の中を作ることができたなら、蚊が媒介する病気にかからない世界になり、年間100万人弱人が亡くなっている病気がこの世からなくなることも夢ではないと言う。医者だけが病気の人を救うのではなく、病気の予防をすることで多くの人の命を救うことができるってすごいことだと思う。
 
そう、何かを極めようとしている人、極めた人は一般の人の想像がつかないような発想や視点を持っている。変わり者と言う色眼鏡で見て、排除するのではなく、この「変態さん」、「偏愛さん」を理解し、何かと結びつけることでイノベーションが起こりこの世の中が良くなっていくのではないかと考えるとすごく明るい未来が待っていると思えてくる。
 
 
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2018-10-25 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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