メディアグランプリ

人に優しくできないときは、部屋を片付けろ


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:K子(ライティングゼミ・平日コース)
 
部屋が汚い。
土曜の朝、目が覚めて最初に思ったことだ。
 
昨日着ていた服が脱ぎ捨てられ、あちらこちらに散乱している。
せめて一箇所で脱げばいいのにと思う。
 
それぞれ別のコンビニ袋に入った炭酸水が3本置いてある。
レシートを確認する。
数十分おきに別のコンビニへ立ち寄ったようだ。
記憶はないが記録は残っていた。
どんだけ炭酸水買うんだ、昨日の自分。
 
荒れた部屋をぼんやり眺めながら、1週間を思い返した。
 
今週は忙しかった。
先月決算を迎え、今月は前期の会計報告資料の作成に追われていた。
締切が迫っていて、ただでさえ忙しいところに、
「この資料、印刷しといてもらっていいかな」
という具合に、下っぱの自分には雑用まで降ってくる。
こんな時ぐらい自分でやってくれと言いたいのをグッとこらえ、
「わかりました」
と引き受けた。
でもその口調はとげとげしくなってしまった。
 
そこに年配の社員が、
「エクセルの使い方で教えてほしいことがあるんだけど……」
と最悪のタイミングで聞いてきた。
マジかジジイ。そんなもんググれ。
と言いたいのもグッとこらえ、エクセルの使い方を説明する。
でもやっぱりイライラして、口調はとげとげしくなってしまった。
 
残業続きのところに、飲み会まで重なった。
東京に転勤した同期が久しぶりに帰ってきているから、会社の大事な懇親会だから、と断れない飲み会が続いた。
仕事して帰るだけでも疲れるのに、飲み会に参加するともっと疲れる。
家に帰るのも遅くなって、睡眠時間も思うように取れず寝不足になった。
 
そして金曜日。
雑用を引き受け、ジジイの疑問を解決し、飲み会をこなしながらも、なんとか報告資料を作成し、提出することができた。
久しぶりに早く退社した。
金曜日は、大学の仲間たちとの飲み会だった。
忙しかった1週間からの解放、懐かしい仲間と過ごす楽しさで、この日お酒は最高に美味しかった。
よく飲んだ。
疲れが溜まり、寝不足のせいもあってか、いつもよりお酒が回った。
結果、記憶をなくし、土曜の朝を迎えたのだった。
 
 
目が覚めてそこにあったのは、この1週間の自分を表したような部屋だった。
届いた荷物は封も空けずにそのまま置いてあるし、洗濯物は溜まっているし、ゴミも出せていない。
散らかっていて、全然整理できていない部屋が、そこにあった。
 
二度寝の誘惑に打ち勝ち、カーテンを豪快に開けて、布団から抜け出した。
 
 
片付けよう、と思った。
 
 
洗濯機を回した。
1週間貯めていたタオルや衣服を洗った。シーツも洗った。
天気は快晴で、そよ風がふく、絶好の洗濯日和だった。
 
部屋を掃除した。
掃除機で大きな埃を取り、クイックルワイパーで隅々まで汚れを取り、ウエットシートで床を拭いて、さらにピカピカにした。
やり始めると、ついでに色んなところを掃除したくなってくる。
トイレとお風呂も掃除し、だれか遊びに来てほしいぐらい、家中を磨いた。
 
クローゼットの中を整理した。
最近寒くなってきたので、夏物をしまい、秋冬物を出してきて、衣替えを済ませた。
 
靴を磨いた。
おしゃれは足元からという。ドロドロでボロボロの靴を履いた女がイケてる訳がない。
汚れを落とし、クリームをつけて磨いた。何年も履いている靴だが、最近買ったかのような輝きを取り戻した。
 
ぐちゃぐちゃだった部屋を、一つ一つ片付けて、整理していけば、気分も同じようにスッキリした。
全て終わると、心に余裕を取り戻した自分がいた。
 
そして、この1週間の自分を反省した。
 
ずっとイライラしていて、余裕がなくて、全然人に優しくできなかった。
でも余裕ないないことは、人に強く当たっていい理由にはならない。
 
雑用を頼んでくる上司は、私が困った時にいつもフォローしてくれる上司でもある。
残業をしている時も、私一人を残して帰らず、さりげなく最後まで待ってくれていた。
部下思いの優しい上司だ。
 
年配の社員は、いつも私にチョコをくれる。
お世話になりまくっているのを、チョコでチャラにしようとする調子のいいジジイだ。
でも私を信頼してくれているのも分かっている。
かわいいおじいちゃんなのだ。
 
 
来週、会社にいったら、雑用は自分から進んで引き受けよう。
おじいちゃん社員に何か聞かれたら、丁寧に説明してあげよう。
 
 
片付いた部屋に、そう思える自分がいた。
 
***

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2018-10-25 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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