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女性のわき毛は、艶めく宝石だ


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:斎藤多紀(ライティング・ゼミ日曜コース)

 
 
私の通っているスポーツジムに、ある美女がいる。
その美女は背が高くてスタイルがよく、若くて顔もいい。ウェアもオシャレなものをいつも着ていてかっこいい。ある一点をのぞいて、容姿は完璧だ。そのある一点とは、わき毛をふさふさに生やしていることである。彼女はいつもノースリーブのウエアを着てジムに現れるのだが、腕をあげたときにボーボーに生やしたわき毛が見えるのである。うっかり処理するのを忘れたという量ではない。伸ばし放題伸ばしたふさふさのわき毛なのだ。
みんな心の中では、なぜ彼女はわき毛をそらないのだろうと思っているのに違いない。しかし、誰もそのことに触れられずにいる。彼女があまりにも自然に振る舞い、わき毛をはやしていることなどまるで気にしていないようにトレーニングをしているので、何かポリシーがあってわき毛を生やしているのかもしれないと私は思うようになった。
そういえば、昔冬季オリンピックのフィギュアスケートのテレビ中継を見ていたら、ある国の女性選手が、わき毛ボーボーのままノースリーブの衣装で演技をしているのを見て、度胆をぬかれたことがあった。どこの国の選手かは忘れてしまったが、その国ではわき毛を処理しないのが普通なのかもしれないと思った。
 
毛は本来、保護しなくてはいけない弱い部分に生えてくるというが、「ムダ毛」という言葉があるように、髪の毛とまゆ毛以外、どこに生えている毛もすべて無駄なような気がする。だから、薄着の季節になると、みんな必死に毛の処理をする。カミソリや毛抜きを持ち、「なんでこんなところに毛なんて生えているのよ!」とイライラしながら処理をするのだ。
しかし、わき毛は子どもには生えていない。第二次成長期を迎え、大人になった証拠に生えてくるものだ。だから、陰毛と同様にセクシーな意味合いがないとも言えない。人によっては、ふさふさにワキ毛を生やした女性が好きな男性もいるかもしれない。特に、今はエステサロンや美容外科で永久脱毛をする女性が増えている時代だ。女性のわき毛を拝めるなんて、貴重な機会はそうそうないのではないだろうか。
 
女性のわき毛の稀少価値は、宝石に匹敵するかもしれない。たとえば琥珀。天然樹脂の化石であり、宝石である。黄色を帯びたあめ色のものが多く、とろりとした風合いがある美しい宝石だ。特に、中に虫や木の葉などの化石が混入したものはめずらしいので値が跳ね上がる。宝石の中に虫の化石が封じ込められているなんて、グロテスクだ。しかし、実物を見たことがあるが、加工されてアクセサリーになった琥珀は実に美しい。艶めかしくて、色気のある女性がつけると生えるだろうなと思う。
 
冒頭のわき毛ボーボーでジムにくる女性の話に戻るが、わき毛もまた、美女が生やしているとどこか色っぽい感じがするのだ。ふさふさでキレイなわき毛。もしかしたら、ブラッシングをしたり、シャンプーやリンスをしていたりするかもしれない。そのうちに、わき毛ボーボーが、このジムで流行ったりする日がくるのではないだろうか。そのくらい、彼女は堂々としていてかっこよく、そして美しいのだ。
 
私は、わき毛をレーザー脱毛してもう10年以上になる。おかげで、堂々とノースリーブの服を着られるし、いちいち処理する面倒くささから解放されて快適そのものだ。毛がないだけで、こんなにも清々しい気持ちになれるんだと、脱毛をした当時思った。ちょっと痛かったけれど、永久脱毛をしてよかった。今やわき毛の永久脱毛は当たり前の時代になった。もはやわき毛の存在価値などないのか。本来は、異性を引き寄せるフェロモンを発散する役割を果たしていたというわき毛。その役割は、今や陰毛にとって代わられたのかもしれない。
 
また、私が初めてまつ毛パーマをかけたときには、かなり衝撃を受けた。まつ毛がくるんとしているだけで、目の表情がこんなにも変わるのかと驚いた。まるで美容整形でもしたかのようだ。いちいちビューラーであげなくても、ずっとくるんとしているまつ毛。アイメイクをするのがとても楽しくなったし、周囲の評判もすこぶるよかった。
 
わき毛は永久脱毛、まつ毛にはパーマをかけ、頭髪は縮毛矯正をしている私。毛には相当お金をかけてきたと思う。しかし、同じジムのわき毛ボーボーの彼女を見ていると、私が無駄金を使ってきたような気も少しだけする。とはいえ、私に今わき毛があったとしても、ボーボーに生やしているのを見せたまま、エアロビクスをする勇気はなかったと思う。
わき毛やすね毛がつるつるでも、ボーボーでも本人が快適ならそれでいい。頭髪も、もし薄くなってきたらウィッグをつけてもいいし、発毛サロンに行くという手もある。毛を自分の希望する状態にできる技術が発達した今の時代、どう毛と向き合っていくのかが、その人の個性のひとつとなるのではないだろうか。

 
 
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2018-11-21 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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