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趣味は得意じゃなくていい


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:すずき あゆみ(ライティング・ゼミ平日コース)
 
「あゆみちゃんって、本当にディズニーが好きだよね。そういうのDヲタ(ディズニーオタクの略称)って言うんでしょ?」
学生時代に何度も言われた言葉だ。
そしてそのたびに、わたしは心の奥底がモヤモヤするのを感じていた。
 
確かにディズニーは好きだ。当時は年間パスポートを持っていたし、首から一眼レフを下げてひとりでパークに繰り出すこともあった。アトラクションに並ばずに、2時間前からパレードの場所取りをすることもあった。それに、「アルバイトに行く前に、キャラクターと写真だけ撮ろう」、と滞在時間1時間に満たないような過ごし方もしていた。
そんな自分を客観的に見ると、「ディズニーは一日かけて楽しむもの」「うまくファストパスを使ってなるべく多くのアトラクションに乗るもの」と思っている世間一般の方々が、わたしを「Dヲタ」という括りにいれるのは至極当然のことのように思えた。
 
ただ、わたしは、わたし以上に「Dヲタ」の称号に相応しいひとたちを知っていた。
季節の変わり目の、新パレードのお披露目の日には、わざわざディズニーのホテルに泊まって朝一番に場所取りに向かうひとたち。
パレードに出ているキャラクターだけでなく、ダンサーの皆さんの顔や名前、出演日時まで全て把握をして追っかけをしているひとたち。
同じアトラクションに、毎日のように乗りに行っているひとたち。
 
彼らのほうがわたしよりも十分「Dヲタ」で、わたしよりも深くディズニーを愛していた。
だからわたしは、自分のことを、「まわりよりほんの少しだけディズニーが好きなひと」だと思っていた。
 
似たような経験は他にもある。
わたしは、幼い頃から本を読むことが好きだった。
小学生の頃は青い鳥文庫の小説にはまっていて、毎日のように図書館に通っていた。その中でも好きな作家さんの本は、お小遣いを握り締めてブックオフまで買いに行った。高学年になると、ノートパソコンのWord機能を覚え、ブラインドタッチができるようになり、小説のようなものを書いていた。結局ひとつも完成はしていないが、当時読んでいた本からインスピレーションを受けて物語をつくるのはとても楽しかったことを覚えている。
中学生になってからはYA!ENTERTAINMENTの本を片っ端から読んでいたし、友人に勧められてライトノベルに手を出したのもこの時期だった。仲の良い友人とお題を決めて短編小説を書いたり、リレー小説を書いたりもしていた。
しかし、高校生になって部活と勉強が忙しくなったわたしは、次第に読むことからも書くことからも遠ざかっていった。
 
だから、大学生になって「趣味はなんですか?」と聞かれたときに、「読書」と答えたことはなかった。当時のわたしには子どもの頃ほど読み込んでいる本がなかったし、好きな作家もいなかった。相変わらず本を読むことは好きだったけれど、趣味と言えるほどではないと思っていた。
それどころか、読書だけでなく、わたしは趣味といえるものが何もないのではないかとさえ思っていた。
 
ディズニーも、読むことも、書くことも、わたしの好きなことだった。だけれど、わたしより好きなひとも、得意なひとも、世の中にはたくさんいることを知っていた。
だからわたしは、好きだと公言する自信があまりなかったのかもしれない。
好きなことは、得意でいなければならないと、無意識的に思っていたのかもしれない。
 

「好きなこと」は「好き」なだけで良いのだと、最近になってやっと思う。
自分の心が好きだなあと感じれば、誰がなんといおうと、それはあなたの好きなことなのだ。
わたしの好きなことは、ディズニーや書くこと、読むこと、撮ることや旅行に行くことなどである。しかし、同じものが好きなひとでも、好きになる入口や関わり方は人によって異なると思っている。
わたしはディズニーの音楽や世界観、パークで写真を撮ることが好きだけれど、ショーのダンサーさんが好きなひともいるだろう。
わたしはビジネス書や心理学、教育に関わる本を読むことが好きだけれど、歴史小説しか読まないひともいるだろう。
わたしは1人でゲストハウスに泊まって、ふらっと写真を撮りながら旅をすることが好きだけれど、ツアーに申し込んできっちりスケジュールが決まった中で観光をすることが好きなひともいるだろう。
だから、わたしの「好き」は誰とも比べられないし、誰かよりも優れているとか、劣っているとか、そんなことは決してないのだ。
 
「好きな食べ物はなんですか?」と聞かれて、「本当はカレーだけど、インド人のほうがわたしよりカレーが好きだろうし……」と答えに悩む人はいないだろう。
インド人以外の全ての人類が「カレーを好き」と言ってはいけない社会は、あまりに窮屈だ。
だからわたしは、自分の心が感じる気持ちを大切にしたいと思う。
わたしより得意なひとも、詳しいひとも、愛を持っているひとも、存在する世の中かもしれないけれど。
「わたしの趣味は、ディズニーと読書、文章を書くことと写真を撮ることです」と、今ならしっかり胸を張って言える気がする。
 
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2018-11-23 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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