メディアグランプリ

ことばをみずみずしい花束のように置ける人になりたい、わたしの挑戦


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:田村洋子(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
書くことにとても苦手意識を持っています。
書きたいと思うときは、じぶんの内にあるはずの感情や温度のようなものを目に見える形に表したいと思うとき。そのはずで書き始めた「なにか」は、ことばや文字にしていくうちにどんどんとそのエネルギーや水気や温度のようなものが抜け落ちてゆき、書き終えた時には干からびたものがのこっているような感覚になってきます。
 
ことばにするときに、じぶんの内にあったはずの温度のようなものが抜け落ちていくのは、「科学的な文章」を書こうと思って練習してきたからでないかと思うのです。
 
わたしは理学系の学生となった大学生のころから、これまでの間。「科学的な文章」を書きたいと思って文章を書いてきました。仕事の中で、人に何かを伝えるために書くことのほとんどは「できるだけ感情を取り除いて、事実を淡々と書く」ことで「科学的な文章」となるように、書くことを続けてきました。実際に、そのことがうまくいったかは自信が持てないけれども……
 そのためなのか、仕事を離れ、じぶんの内にあるはずの感情や温度のようなものを文字にしたいと思ったときに、ことばが足らずで文字の中に入りこめずにことばが出てこないか、ことばばかりが多くなって温度が抜け落ちていくような感覚を覚えています。
それはまるで、庭にあった美しい花を美しいままに花束に作ろうと、手をかけていくうちにドライフラワーになってしまったような、後味の悪さ。
 
これからは、わたしの内にある温度やエネルギーや水気のようなものをもったことばでモノを書いていきたい。
「科学的な文章」を書きたいとこれまでの長い間願ってきたけれど、じぶんの内にあるものを思うままに書いてみたい。もっと自然で、もっと普通な感じに、もっと温度をもって。美しいままの花で作ったみずみずしい花束をプレゼントできるような感覚で、ことばを書いていきたい。
そう願って、今。12月からのライティングゼミに参加することにしました。
 
ライティングゼミで教えてもらったはじめのひとつは、これまで、わたしが書くときに意識したこととは全く違うことでした。
ライティングゼミで練習していこうとしていることは、たどり着く場所は同じはずなのに、これまで通ってきた道を捨てて、もさもさと茂った草むらのなかにいきなりとびこんでいくような感じを覚えています。ほんとうにわたしの力でたどり着けるのかという不安、もっとこころの温度が残るものをかけるようになるのではなないかという期待。そんな感じを持ったままで書くことを始めました。
ゼミの課題として、改めて書くことを始めてみると、これまでに書くことの中でわたしが意識してきたことの全てを一度捨て、まったく違うことを意識して書くことばを探していくため、わたしの頭の中は混乱したままです。
 それでも、新しく試してみているライティングゼミでの文章の書き方で、わたしのなかにあるものをくっきりはっきりと、こころの温度のようなもの含めて、ことばや文字にして自分の目で見えるようにできるのではないかと、今日もせっせと書くのです。
 
せっせと書いては見るものの、慣れないやり方でことばにしていくからか時間はこれまで以上にかかってきます。書いては消してをくりかえし、書いては文章の並びを組み替えたり表現を改めたりするせいなのか文字数もこれまでのようには増えてくれません。
 
そのため、ゼミに参加したその時には「文章を提出してフィードバックをもらえる機会は週に一度だけだから、毎日文章を書いていちばん気に入った文章を提出しよう」と意気込んでいたはずなのに、課題に取り組み始めてふたをあけると、週に一度の文章を仕上げることもやっとのありさまでした。
 
それでも、これまでに書いてきた文章よりは、ほんのりとこころの温度がことばのなかに残っているような。行のすき間にわたしの形が残ってきたような。かすかな手ごたえを感じています。ことばの花束も、かりかりに乾いてしまった花だけでなく、ちょっとは水分や色の残った花束にできるかもしれないと、ちょっぴり希望も湧いてきました。
 
初めての課題提出は、週にひとつ書き上げることがようやくで、ことばの水気もやっぱりのこりづらくてドライフラワーのようにしてしまったけれど、次の週にはもう少し水気の残ったわたしの形で書けるようになっていたいな。
 そう願いつつ、わたしの挑戦、第2週目が始まりました。
これからもゼミでのやり方で、わたしにとっての新しい書くことに挑戦してゆきます。
 

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2018-12-21 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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