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メディアグランプリ

眺めているだけの包丁ではなにも切れない


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:樋口隆行(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 料理をする人であれば、包丁だけでなく砥石を合わせて持つのではないだろうか。高くても安くても包丁は砥石で手間をかけて研ぐことにより、切れ味は期待以上のものになることもある。ビジネススキルも同様にただ持つだけでは意味がないのではないだろうか。
 
 私は30半ばを超え、社会人としても十数年目、キャリアを考える岐路に立っている。今までは専門職のエンジニアとしてスキルの習得と経験を積むことでひたすら進んできたが、ある程度の限界と自分の志向から前回の転職でその道では行かないことを決めた。この先何かをするためには、何某かの新しいビジネススキルを身につけていかなければならない。日々色々探しながら何を学ぶべきかを考え続けているのではあるのだが、どれもピンと来るものがなかった。ビジネスにおいてよく持ち出されるのは「MBA(Master of Business Administration)」である。しかし、そんなにも万能なツールなのだろうかという疑問は多分にある。持っていればビジネスが成功するのであれば、ビジネスマンは挙ってMBAの習得に走ることは間違いないが、現実問題としてはそうではない。持つことがすなわち結果を出せることには繋がらないし、キャリアとして今後必要なのかもわかっていない。おそらく他の民間資格などのビジネススキルも同じである。と、判断できない状態で迷い続け、結局何も出来ないまま時間だけが過ぎる中で、焦りが募って行く状態になっていた。
 
 そんな状況の中でふと気になるものを思い出した。
 
 少し前に流行った包丁研ぎのYouTubeの動画である。そこでは100円均一で販売されている安価な包丁を値段の異なる砥石でひたすら研ぎ続けて行く様子が公開されている。動画が進む度にその切れ味はみるみる変わって行き、最後に一番高価な砥石で研がれたあとは恐ろしいほどの切れ味を発揮している。刃にのせて吹くだけティッシュペーパーが切れ、スポンジや布巾がものの数秒で切れる。トマトの極薄切り、落としただけで胡瓜が真っ二つになるなど驚愕の光景が目の前で繰り広げられるのだ。つまり、元の包丁が高い性能でなくてもしっかりと砥石で研ぎ続けることで、性能をどのようにでも上げることができるのである。
 ただし、そこにはベースとなる「包丁」があることとそれを研ぎ上げる「砥石」の存在が必要になる。どんなに高級な砥石だけを持っていても意味がなく、「包丁」を持つ事がその第一歩なのである。それがどんなに安価であれ、研ぎ方を間違えなければ、「切れる包丁」に変わっていくのである。
 
 そう考えると私が今後のために、やるべき事は明確になったのだ。
 
 まずは切れそうにない包丁でも持ってみる事が必要である。研ぐべき包丁を持っていないのに、そのまま砥石のことを考え、探し続けている今の状態には意味はない。どんなに素晴らしい砥石を見つけたところで研ぐものがなければ話にはならないのだ。だからといって、手当たり次第に手にとっていいわけではない。刺身包丁なのか菜切り包丁なのか、はたまた別の包丁なのか、目に見えるものの中から比較し、自分の目指す用途にあった包丁の中から手に取れるものを探し出す。しかも、ビジネスとして考えた場合にそれは一本で十分とは限らない。ある程度の組み合わせで持つことにより、できる事を増やすことができる。
 次に、持った包丁を研ぐための砥石を手に入れる事である。手にした新しい包丁ははじめのうちは少しぐらい切れるものだと思えるかもしれない。ひょっとしたら十分に思えるものかもしれない。しかし、それは本来的な性能を出せていいないかもしれないし、使い続けていればいつかは切れ味が鈍る。そうなったときに砥石がなければ、新しい包丁に手を出すだけになってしまう。新しい包丁を手にするには時間がかかる。どうせならば、同じものを極限まで性能を上げて使いたいし、高級な砥石を手にするまでには段階的に研ぎ続ける必要がある。
  
 今回のライティング講座の受講もこのような中で探し出した手にして見たかった包丁の一つである。私の仕事はデータ関連を主要領域としている。しかし、数字を見るだけでは関与出来る領域が限定的になってしまうため、これまでとは違った方向性の新たな一本を手にすることに挑戦をしたいと思ったのだ。まずはこの一本がものになる事を目指して講座に取り組んで行きたい。またその先でさらに新たな一本を増やしていくのか、手にしているものを研ぎ続け極限の状態を目指すのかはまだ検討もつかない。だが、少なくとも手にしてことで始まっているのである。
 
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2018-12-21 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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