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数学赤点の私が数字と向き合うことで得た視点


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:古川貴弘(ライティング・ゼミ 平日コース)
 
「やばかったー! ギリギリ赤点セーフや!」
 
高校3年生の1学期末試験が返された。数学が大の苦手だった私は、いつものように赤点ラインとの闘いが続いていた。大学受験を控えたこの時期にこの有様だったので、もちろん受験では数学を避けて文系へ進んだのだった。
 
大学入学後は、苦手な数字とはほぼ向き合うことなく4年間を過ごした。一生懸命計算をしたのは麻雀の点棒計算の時くらいだった気がする。
 
社会人になってから最初の数年も数字とはあまり接点のない部署で働いていたが転職をきっかけに営業職に就くことになってしまった。転職先はいわゆる商社で、営業マンが主体の会社だった。会議のたびに売上計画書を作る機会があり、苦手だった数字とついに再会することになってしまった。この書類作りが自分にとっては苦行以外の何物でもなく、ただただ会議の場で鬼の営業本部長からのつっこみが入りませんように、と祈りながら書類作りをしていたのを思い出す。
 
数年後の20代後半に差し掛かり、一念発起して起業した。妻と一緒に会社を設立し、ネットショップの運営を始めたのだった。資金はサラリーマン時代の貯金のみだったので、取り扱いしやすいアクセサリーなどの雑貨類を商材に選んでお店をオープンした。
 
その後、子どもが生まれるタイミングで、商材をベビー関連のものにシフトし、徐々に事業も軌道に乗ってきた。スタッフを雇用したり広い事務所に引っ越ししたりしながら、売上は順調に伸びていった。
 
ところが、売上が伸びているのにもかかわらず、何故か月末にはお金がない。自分たちの役員報酬を取れず、さらに個人の貯金を会社につっこんで月末を何とか乗り切る月も一度や二度ではなかった。
 
起業した当初「月に〇〇〇円の売上があったら安泰だなー」と思っていた売上を達成しても資金繰りは楽にならず。その数倍の売上を達成しても、やはり、月末には綱渡りの様な資金繰りが続いた。
 
こうなると、逆に売上が増えている分、資金繰りでお金が足りない時のインパクトが大きくて、もう既に経営者個人の貯金で補填するのが難しい規模になっていた。
 
「やばい。このままでは会社が潰れる。」
 
月末になると資金繰りのストレスで胃が痛い。否が応でも会計の勉強をしないといけない局面に立っていた。もう数字が苦手だからといって逃げられない。
 
これまで会社の数字は税理士さんに丸投げで売上高しか見ていなかったが、まずは帳簿を自分でつけてみることから始めた。会計ソフトを買って、税理士さんに入力の仕方を教わった。同時並行で、簿記や管理会計の勉強も独学で始めた。
 
切羽詰まった状況であったこと、自分の会社のリアルな数字をもとに勉強したお陰で、少しずつ数字に対する苦手意識が消えていった。
 
また、ちょうどその頃、ご縁があって地元の某有名企業で財務担当役員をされていた方と知り合う機会があり、その方から財務についてご指導いただけるという幸運にも恵まれた。約半年間に渡り、財務の基本や計画経営の大切さを学んだ。資金繰り表を作ったり、1年先、数年先までの計画を立てることによって、日々の売上の上がり下がりに一喜一憂するストレスからも解放された。
 
そしてこの頃になると、最初は訳が分からなかった簿記も楽しいと感じるようになってきていた。なんとなく数字と数字のつながりが見えてくるようになってきたのだ。
 
最初の頃は売上しか見ていなかった。それが、原価を気にするようになったり、経費の使い方も考えるようになり、利益を意識するようになった。
 
これだけでも大きな進歩だったが、簿記を勉強したお陰で、決算書のバランスシート(貸借対照表)にも目が向くようになれたのが収穫だった。
 
昔は、売上規模だけで会社を判断していた。つまり、決算書の中で言うP/L(損益計算書)の部分だ。P/Lからは売上高や営業利益など、日々の営業活動の結果が見て取れる。売上が大きい会社は凄い会社だ、と単純にそう考えていた。もちろん、規模の大きい会社は沢山の従業員を雇用したりもしているので、そういう意味では社会への貢献度は大きい。
 
でも、それだけでなく、バランスシートまで見れば、その会社がどんな身体をしているのかがわかる。もっといえば、どんな意図をもって身体づくりをしているかというところまで想像が湧くのだ。
 
会社の血液ともいえるお金をどのように調達しているのか。自己資金がどのくらいあって、金融機関などからいくら借りているのか。また、日々の営業活動から得た利益を何に使っているのかなど。その会社これまで行ってきた活動の結果を表現しているからだ。
 
そういう視点で会社を見るようになってから、会社も一人の人間のように、それぞれ人格をもった存在だと感じるようになってきた。
 
社長が創業者であった場合は、会社も社長の性格を現したような身体をしていることが多いように思う。また、家業を継いだ2代目、3代目の社長だった場合は、逆に会社の身体つきから家風や社長の性格を想像できたりもする。創業者一族が代々どのような会社経営をしてきたか、数字で見ることができるからだ。
 
数学赤点ギリギリだった私でも、数字と向き合うことでこんな面白い視点を持つことができた。数字は無機質なものだと思っていたけど、実は、血の通ったものだった。
 
私には小学生の娘がいる。親の遺伝子を受け継いだのか、算数に苦手意識だと言う。そんな彼女にも、いつか数字と向き合う時が来て、彼女なりの新しい視点を得る日が訪れるだろう。数字とどんな風に向き合って、どんな視点をもつことになるのか。将来、彼女から数字の物語を聞ける日を楽しみにしている。
 
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2018-12-27 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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