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ライティングは何のために


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

【1月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《土曜コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:加藤しのぶ(ライティング・ゼミ木曜コース)
 
 
私の仕事は、解決屋である。
社内における正式な担当業務名は、実績管理だ。そういえば簡単に聞こえるのだが、うちの会社は組織もシステムも複雑なので、正しく実績計上するためには、いくつものシステムや、組織毎の運用方法を理解しておかなければならない。だから必要に迫られれて社内のあれやこれやに詳しくなり、結果、様々な相談が私のところに持ち込まれるようになってしまったのだ。
しかもたいていは、「ここをこうして」という、欲しい結果だけを持ち込まれるので、解決策は自分の知識と経験をフル回転させ、関係各所に知見を求めて駆け回り、各種システムをチェックして証跡を集めて解決策を見つけ出す。推理小説で犯人捜しをするようなものだ。
そういうことを、毎日繰り返している。
 
正直、性にはあっている。そこに問題があると、解決したくなってしまう質だから。
とはいえ、年々、持ち込まれる相談事の数と重みは増えていき、減る様子がまったくない。特に最近は働き方改革が叫ばれているので、それに伴う相談事が増えているが、よその部署の業務削減のために私の仕事が増えていくという、パラドックスが生まれている。
正直、頭は考えすぎてクタクタだ。
そうした時に出会ったのが、天狼院書店だった。
 
 
「ライティング・ゼミに参加した理由はなんですか?」
天狼院書店の看板講座、ライティング・ゼミの1回目。川代講師がそう質問した。
「ブログ書きたい、という人?」
会場の三分の一ほどの人が、手を挙げたようだ。
「仕事に生かしたい人?」
「ライターになりたい人?」
次々と参加者が手を挙げたが、私は最後まで手を挙げなかった。
あなたの参加理由は? と、尋ねられたら、こう答えるしかない。
「普段と違う頭の使い方をしたかいから」
 
 
実際、始まってからは、楽しい。
頭にたまっていたことを、習ったことにあてはめて文字に起こすのは面白い。何より、読者を意識して書く、という作業も面白い。
普段の仕事にあるのは正解だけだ。
システム相手だと、時には相手の思うような解決ができないことがある。不可能なことは、不可能。その場合、必要なことはいかに相手に「諦めてもらう」かだ。
それにトラブルが起きた場合、原因はシステムより人間にある。悪いのは使う人間やシステムを作った人間なのだ。だから、私にとって人間は、仕事相手であると同時に問題のそのものだったりする。
ところがゼミでは、そんな不確実な人間に、読んでもらうためにはどうすればいいのか考えよという。
しかも、ライティングには正解がない。
私がいいと思うものが、相手にとって良いとは限らず、相手のためになると思ったものが、実はひとりよがりだったりする。
実際、掲載された課題は「え! これ、面白いの?」というものもある。苦労して苦労して、手を入れまくったものが掲載されると、不思議な気分だ。
逆にノリにノッて書いた課題は、全滅だ。ノリが良すぎて、考えなしに書いたからだと思う。
正解がないくせに、ごまかしは効かない。そういうところが、快感だ。
 
 
おかげで当初の目的どおり、普段使わない頭を存分に使っているのだが、誤算だったのは体力だ。
使う部分が違っていても、頭を使うことには変わりがない。当たり前だ。
一方で仕事量は減りもせず、そうした生活をしていれば体力が必要だというのも、当たり前。
結果、寝坊して出社がギリギリになる日もあれば、寝落ちして課題が完成できない日もあり。実は体力づくりの方が先だったんじゃないかと、セルフでツッコみをし続けた三か月だ。
ところが、この三か月目に入って、急に変化が訪れた。
課題の方ではない。仕事の方だ。
ただし、仕事は、減ってない。むしろ三か月前より増えているのだが。
 
 
トラブル解決屋をやっていると、コトの顛末というヤツを関係各所に報告する必要がある。そこで登場するのが、顛末書や経緯報告書だ。この三か月に限っても、書いた課題の数より、顛末書の方が多い。提出していない没原稿含めての話だ。
これが最近、一発で通る。
大抵の場合、経理や幹部職からあれやこれやとご要望があって差戻しをくらい、書き直す羽目になっていたのだが、どうしたわけか、書き直すことがない。
顛末書というのは、トラブルの原因や経緯を書き、どうやって解決するのかという、事実を並べるものだ。
だからライティング・ゼミとは特に関係ないような気がするのだが、考えてみれば、顛末書を読む関係者や上司、幹部は、「読者」である。
読者であるならば、彼らが読んで「なるほど」と思う文章を書かねばならない。
そして長年会社員なんぞやっていれば、彼らが求めるものが何なのかは、だいたいわかっている。正直なところ、天狼院書店の講師の皆さんや、ネットの向こうの読者より、会社幹部の方が私にとってはイメージしやすい。
かくして、ライティング・ゼミのおかげで、どうやら「読者」の求める顛末書が、一発で書き上げられるようになったらしい。しかも、書き直しがないおかげで、時間も無駄にすることがない。ここ最近は、少しだけ帰る時間が早くなった。
なんと、ライティング・ゼミは、働き方改革にもつながるのである。

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2018-12-27 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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