メディアグランプリ

読書観察日記


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事: Ayumi(ライティング・ゼミ特講)
 
 
「人生のことを考えるなら読書だよ」
 
人生について悩む私に飛び込んできたアドバイスが今までさほどやってこなかった読書だった。
 
それまでにも「死ぬまでに読むべき本」や「成功者は読書家」というフレーズは何度となく聞いてきて、いつもの私なら「あーはいはい、読書ね」とスルーしていたはずだった。
 
それが、その日に限って「そうか、やってみるか」と行動に移すことにした。
 
読書を始めてみて思ったのは、読書とは夏休みの宿題に出るアサガオの観察のようなものだった。
 
毎日毎日繰り返し成長したかもわからないアサガオを観察しては成長記録をつけるアノ課題。「面白くない」と感じたのはきっと昨日のアサガオと今日のアサガオの違いなんてものはほとんどなくて、些細すぎてどうでもいいように思えるからではないかなと思う。これが毎日3cm必ず成長したり、観察している数日で色とりどりの花が咲いたり枯れたりするような変化を見せればきっと結果は違っていたと思う。
 
読書もやったからといって急に文章読解力が教授並にアップしたり、書かれている内容が100%自分に反映される、ということはまずない。
 
読む前の私も読んだ後の私も一般的な30代女性の自分である。
 
でも、アサガオが目に見えない光合成をして少しずつでも実は成長しているのと同じように読書を始めた自分も少しずつ成長いているのだと思う。
 
大人になってからアサガオの観察って何の意味があったのかを考えると、自発的な研究力を鍛えるためだったんじゃないかなと思う。
アサガオそのものを観るというよりは、どういった条件ならどういう結果が得られるか、その変化に気づいていくという気づき力を養っていくものだと思う。
水をいつもより多くしたらどうか、陽のあたる場所にいつもより10分長く置いたらどうか、日陰にずっとおいてみたらどうか、芽を出すのか、蕾をつけるのか、葉がしおれるのか。
つまり、環境や状況を設定して変化を与えて結果を考察するということを自分で考えられるようになるのが本来の意義だったのだろうと思う。アサガオを写生してどんな緑色で描こうかなと悩むものではなかったんだと大人になって気づいた。
 
読書でも同じように観察が大事だった。
アドバイスをくれた人が言うには、読書をするといっても、その基準は「年間100冊」だった。
 
「年間100冊」!!!
 
今まで1冊読めば良いほうだった私が月に8冊は読まないと達成できないのだ。末広がりの八冊……。漢字にしたところで数字に変化はないが気持ちに変化を与えられそうで期待が持てる。
 
最初の月はまず何でも良いので本を手にとって、時間があれば読書に時間を割いてみることにした。そうすると初月で気持ちが高まっているだけあって10冊も読むことができた。
 
「あ、なんだ、できるもんだな」
 
なんて軽々思っていたけれど、毎月毎月同じようにはいかない。ちょっとしたイベントや、出来事で時間や思考が奪われると途端に読書量が減って5冊読むのが精一杯になった。
 
アサガオの観察で言うと他の宿題にも手一杯だし、友達とも遊びに行ったり、家族ででかけたりして、アサガオだけに時間は割いてらんないなー。といった状態だ。
 
「いや、でも、やってみないことには何もわからない」
 
年間100冊の読書が何をもたらすのか、やってみないことには「無駄だった」とも「有益だった」とも言えないなと思った私は「年間100冊読めるように」試行錯誤することにした。
 
まず、例え5分しか読めなかったとしても常に本を持ち歩くようになった。毎月10冊を迷いなく読めるように10冊以上のストックを持っておき、イベントが重なって余裕がないようなときは読みやすい物を優先に読んで、時間にゆとりがあるような時に難しい本を読むようにした。そして読んだ本の感想を一言でもいいので書きためていき、読んだ冊数を目でみえるようにしていった。
そうすると数を追うごとに増えていくのが楽しくてもっと読みたい!と思うようになった。
 
そうすると自然と平均で月に8冊は読めるようになった。
実はまだ読書を始めて1年は経っておらず、今は半年で67冊というところなのだが、このペースでいくと達成できそうだ。
 
読書をする習慣がついて思わぬ喜びが見つかった。それは、感動しすぎて思わず泣いてしまったり、楽しくて楽しくてページをめくる手がもどかしいような本に出会えたり、今まで思い悩んだことの答えがふと見つかったりして、ある朝起きればアサガオが咲いているのを見て嬉しくなるような、本にもそんな喜びがあるのだと実感できたことが何よりもの収穫だった。
 
読んでみたものの勉強不足で読み進められなかったもの、一旦は読んだけれど理解が浅いままなもの、それぞれの課題を残しつつも毎月新たに出会う本はどれも魅力的で積読されている本が増えれば増えるほどワクワクしてくる。
花を咲かせてオワリ。ではなく、どうやってまた花を咲かせようか、私の観察日記は終わることが無さそうだ。
 
 
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2019-01-17 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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