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メディアグランプリ

ライティング・ゼミを喩えると、藁は藁でも……どんな藁?


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

【2月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《平日コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:臼井裕之(ライティング・ゼミ土曜コース)

「溺れるものは藁をもつかむ」
天狼院書店のライティング・ゼミを知った頃の、私の心理状態である。去年の12月あたりのことだ。つまり私にとってライティング・ゼミとは当初、溺れてつかんだ藁だった。ちなみに溺れる人が掴む藁とは、頼りにならないものの喩えだという。

ライティング・ゼミが頼りにならないかどうかはともかく、ちょっと怪しげなのは確かだ。

天狼院とは今流行りの体験型書店である。本屋は今や、本を売るだけではやっていけない。カフェを併設して、さらにそのカフェで本にまつわるイベントをいろいろ開催する。ライティング・ゼミは、天狼院がやっているイベントの中でも花形らしい。

「人生を変えるライティング教室……受講生が次々に賞を獲得、プロも通う!」
なんだか強気である。あまり強気に出られると、眉に唾を付けたくなる人が多いだろう。

ところが私の場合、事情が違っていた。

昨年3月末、私は6年滞在した中国からわざわざ日本に帰ってきた。某出版社の作品募集に応じて、ちょっと学術的なテーマの原稿を書き上げるためである。

この出版社は、明治時代の有名な学者の名前を冠した賞を主催している。受賞すると、原稿を本にして出版してくれるという。受賞者が出た年は、11月に大々的に発表がある。受賞者がいなければ、翌年2月頃にひっそりとサイトが更新され、次の募集告知が載る。

苦労して締め切りの8月末日までに12万字を超える量の原稿を書き上げ、出版社へ送信した。分量は問題なし。ファイルを添付したメールを無事、受け取った旨の返信ももらった。しかし11月が過ぎ、12月半ばになっても肝心の発表がない。2010年くらいから構想を温めてきた原稿が、日の目を見ることはないのかと思うと悲しかった。

そんなとき、天狼院のお知らせが目に入ってきたわけである。フェイスブックの友だちが二人、「いいね」をしていたからだ。こうして強気のキャッチコピーにまんまと煽られ、溺れる私はライティング・ゼミという藁をつかんだ。

なんだか気が弱くなった時に付け込んでくる商法に、まんまと引っかかったような気がしなくもない。

「あなたはもう文章が書けるのに、なんでそんなところへ行くの。道に迷わないでよ」
ライティング・ゼミのことを聞いて、妻はこういった。「道に迷うな」といっても、天狼院への行き方をきちんと調べてから行け、という意味ではない。「変な商法に騙されて、人生に迷うな」というのである。

ともかく1回目の講義に出席してみた。天狼院は店舗が東京と京都、そして福岡にあるので、これら3会場をネットでつないで講義は行われる。またネットで家にいながら受講する人もいる。出席してみると内容は、文章を書きなれていない人でも書けるようになるコツを分かりやすく解説してくれるものだった。

講義は毎月2回、4か月続くが、そのほかに毎週1回2000字前後の文章を出す宿題が課せられる。課題を提出するとフィードバックをもらえ、一定の基準を満たしたものは書店のサイトに掲載されるという。

家に帰ってきて、さっそく課題の自由作文に取り組んだ。ここで、それなりに文章を書いてきたという自尊心がむくむくと頭を持ち上げてきた。それで今度は私の方がこんな強気の発言である。
「2000字の文章なんて楽勝だ。すぐにサイトに掲載してもらえるさ」
そしてとにかく、締め切りまでには課題は提出した。

奈落の底に突き落とされたのは,その数日後。講師からフェイスブックで、フィードバックが帰って来た。
「ちょっと情報が多くとっちらかったような印象を受けました。一番伝えたいことは何なのか、最終着地点を決めたうえで書くように意識しましょう」
ええっ。表現こそ丁寧だが、大きなバッテンである。しかもみごとに私の弱点を言い当てている。そのとき、すでに翌週の課題文をかなり書いていたが、同じような調子の文だった。あまりのショックに、もうそれ以上一行も書けなくなってしまった。

溺れているので助けてもらおうとしたら、頭を水中に無理やり突っ込まれた気がした。もっともそれは、ひとえに私の驕りのせいなのだが。

「参ったなあ、書けなくなるなんて。どうしよう」
ともかく何か出さなきゃ損。そこで一計を案じた。数年前にある業界紙用に書いたが、結局掲載されなかった原稿が手元にあった。担当の記者は当時、時期を逸しただけでいい文だといってくれた。この原稿に導入と結論だけを付け足して出してみよう。

次の週、帰ってきたフィードバックにはこうあった。
「ラスト、なぜそう感じたのか、というところ、ちょっと説明不足でした。ラストの理由の部分をきちんと描く、最後まで書ききる、というところを意識していただくとよいと思います」
う~ん、よくお見通しで。苦肉の策で取って付けた結論なので、書ききれているわけがない。文庫本の解説を切り貼りして読書感想文として提出し、先生に叱られた中学生といい勝負である。

こんな調子で悪戦苦闘して、次の講義の日を迎えた。文章を書きなれているつもりでいたが、こんなに書くことばかり日々考えていたのは初めてのような気がする。あまりに大変だったので、これまでの二週間が一か月くらいに感じられた。

私の右往左往を見ていた妻も、ずいぶんいうことが変わった。
「ライティング・ゼミに感謝だわ。プライドで高々だったあなたの鼻をへし折ってくれたから」
ご説ごもっとも……。

今は受講を始めてやっと1か月、まだまだ五里霧中。正直いって今度どうなるかは何ともいえない。だが溺れそうになってつかんだ藁が、藁しべ長者の藁になる可能性もゼロではない。やっぱり「人生を変えるライティング・ゼミ」というコピーは真実だったのか!?

いやいや、慢心は禁物。またどんな厳しいフィードバックを頂戴するか分からない。おとなしく家に帰って寝る……もとい、原稿を書くことにしよう。

*** この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。 「ライティング・ゼミ」のメンバーになり直近のイベントに参加していただけると、記事を寄稿していただき、WEB天狼院編集部のOKが出ればWEB天狼院の記事として掲載することができます。 http://tenro-in.com/zemi/66768

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2019-01-31 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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