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必死に婚活していたあの頃の私へ


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記事:月山ギコ(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
昔、カラッと母が言ったことがある。
「他人と暮らすって、面白いわよ。離婚してもいいから、1回は結婚してみるといいわよ」
 
「離婚してもいいんかい!」というツッコミをいれつつも、父と母は結婚25年を過ぎても毎日楽しそうにしているし、漠然といつかはしたいとは思っていたが、30歳をすぎてもそこまで焦ってはいなかった。
 
それが、“33歳”を過ぎてから、なぜか急に焦り出したのだ。というか、急に孤独が怖くなってきたと言った方が正しい。すごく結婚したい、というより、このままでは精神的、経済的にも、ひとりで生きていくことに耐えられる気がしなかった。たったひとりでいいから、どんなときも一緒にいてくれる味方が欲しい、と思ったのだ。
 
そこから、私は当時流行りはじめだった『婚活』をスタートすることになる。
 
私がした具体的な婚活内容は以下の5つである。
① 身なりを整える
② マインドを整える
③ 婚活宣言をする
④ 絶対にゆずれないことをはっきりさせる
⑤ 覚悟を決める
 
当時は手探り状態だったが、今思うとこの5つが本当に核となる部分だったように思う。
各項目を解説していくと……
 
① 『身なりを整える』
人は見た目が9割、とはよく言ったもので、それまで特にファッションやメイクに力を入れていなかった女が急に気を使い始めると、非常にわかりやすく外見が変化し、自然と中身にも自信がついてくるのだ。
女性陣からの評判は微妙だったが、あくまでターゲットは男性なので、そこを忘れないこと!
 
② 『マインドを整える』
「どうせ私なんか……」と卑屈になっている人間には、いい男もいい女も寄ってこない。等身大の自分を愛し、「きっと世界のどこかに私の運命の人がいるはず」と信じて活動すべし。どんなタイプの男性とデートしているときも、会っているときは誠心誠意、お互いにいい時間を過ごせるようにベストを尽くすこと。
 
③ 『婚活宣言をする』
『婚活』をすることが、恥ずかしいと思っている人がいるかもしれない。そういう“恥”や“プライド”は今すぐ捨てることだ。「私、今相手探してます!」と周りに大々的にアピールすることで、友達が友達を紹介してくれるかもしれない。意外にも近くに幸せが転がっていることだってある。あらゆるチャンスを逃してはならないのだ。そして、知り合いつながりの方が、ネットで出会う人の何倍も信頼できる。同じコミュニティであることは価値観が近い場合が多いからだ。
 
④ 『絶対にゆずれないことをハッキリさせる』
婚活相手をスペックで見ていると、顔だの、身長だの、仕事だの、年収だの、肩書にとらわれてもはや人間として見られなくなるのでオススメしない。たったひとつだけ、これだけはゆずれないということをはっきりさせておいて、あとはほぼ見ないふりをすること。それくらいの器を持っていないと結婚生活なんて続かないからだ。ちなみに私のゆずれないことは、『食に興味があること』だった。
 
⑤ 『覚悟を決める』
結局、結婚を決められない人の大多数は覚悟が決まっていないということなのではないかと思う。同じ屋根の下で生活し、お互いの家族とも関わり、子供ができれば共に助け合って育てていく。時間もお金も手間もかかる大変な行為、それが結婚なのだ。この人、と思ったら、覚悟を決めて、共に清水の舞台から飛び降りよう。
 
これらの項目をひとつひとつ潰していき、出会ったのが今のダンナだ。
 
合コンで出会ったのは東日本大震災の前で、震災をきっかけに連絡を取り合うようになり、初めてふたりで食事することになった。下戸の彼と、西新宿の沖縄料理屋でご飯を食べた後、中野坂上のジョナサンで2次会をした。
 
結婚の決め手となったのは、その日、朝の3時までコーヒーだけで話が尽きなかったから。シラフでこんなに楽しく会話ができる男なんて、きっとこの人以外にいないだろうと思ったのだ。
翌日、美術館にいく予定だった私はまた彼を誘い、そこから付き合うことになったのだった。
 
今、あの頃の必死な自分を思い出すと、ぎゅっと抱きしめてやりたくなる。
 
婚活サイトでやりとりした年収1000万のフランス人に、
「あなたと私は釣り合わない」
というメッセージを送りつけられたこと。
 
某大企業のSEとランチしたら、ひどい身なりで来られた上にお店も決めてくれなくて、それなのに
「あなたもまあまあ可愛かったですよ」
となぜか上から目線で言われ、あまりの情けなさに帰り道で泣いたこと。
 
百貨店勤務の結構イケメン男子とデートしたはいいものの、その日から毎日「俺は今日こんなに頑張ったんだぞ」メールが届いて、返信しなければ、というプレッシャーに負けて1度返信しそびれたらその後音信不通になったこと。
 
数えればキリがないほど、私は多くの恥をかき、多くの人と出会い、自分の身の程を知った。それがなければ、今のダンナと出会うこともなかっただろう。
 
あの頃の私、よく頑張った。おかげで今、毎日楽しく過ごしているよ。
ありがとね!
 
 
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2019-02-13 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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