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メディアグランプリ

ファッション雑誌の年間購入回数が最低1回あるか、ないかの垢抜けないアラサー女子が思わず手に取ってしまったファッション雑誌『GISELe』


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:奈良坂愛美(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
「珍しいですね、奈良坂さんがファッション雑誌を買うなんて」
「ちょっと気になったんだー」
 
仕事の休憩時間にコンビニで買ってきた雑誌を読んでいるとアルバイトのHちゃんに声をかけられた。
「なんて雑誌ですか?」
「んー……ジゼル?」
初めて買った雑誌の表紙を見返して雑誌名を読み上げる私にHちゃんは笑った。自分で選んで買ってきたのに雑誌の名前も曖昧な私が可笑しかったのだろう。
 
――しょうがないじゃないか。普段ファッション雑誌なんて買うどころか立ち読みすらしないんだから名前なんて分からないよ。
 
Hちゃんは顔立ちがはっきりしていて、サングラスがよく似合うハーフのような女の子だ。初めて会ったときに「もしかしてハーフ?」と聞いてみたが「よく言われますが違うんですよ」と笑っていた。
そんな彼女は羨ましいことに何を着てもよく似合うと言ってしまいたくなるくらいオシャレに見えて、常々「可愛いなー」と思っている。
けれど羨ましいとは思わない。
彼女の可愛さは彼女の物だから。
しかしファッションに関しては自分の努力次第で何とかなるだろうと足掻くのは止めない。いわゆる悪足掻きだ。
そんな悪足掻きの味方になってくれるのが恐らくはファッション雑誌なのだろうけど、Hちゃんにも言われた通り、私はファッション雑誌を買わないタイプの人間だ。
なぜかと聞かれれば「ごちゃごちゃしていて読みづらいから」と答えるだろう。
 
まずは表紙。
キレイなモデルさんの周りにはモデルさんを埋め尽くさんばかりの圧倒的な文字たち。
雑誌のメインテーマに、各ページのテーマの煽り文、有名芸能人との対談、美容法などのキャッチコピーがずらりと並んでいる。
確かにこれで雑誌の中身が何なのか大体分かるが、分かるおかげで余程興味がそそられるキーワードがない限りはページを捲ろうとは思わない。
そしてたまたま興味が引かれてページを捲ってみても、やはりそこにはキレイなモデルさんを埋め尽くさんばかりの文字の羅列。
1ページという限られたスペースにぎゅうぎゅうに押し込められた情報量は食べる前から胃もたれすることが分かっている油料理のようだ。
情報が多すぎて何を読めばいいのか分からない。
読み終えたころには頭がパンクして、何が書いてあったか思い出せないだろう。
 
――せっかく買ったのに、余韻も知識も残らないのならば買う意味がない。
 
そう思ってついファッション雑誌を敬遠してしまうのだ。
 
そんな私が珍しく手に取ったファッション雑誌『GISELe』をHちゃんが気にするのも無理はないかもしれない。
これが実は『奈良坂さんはオシャレだからどんな雑誌を読んでるのか気になって』だったらどんなに嬉しいことか。でも大丈夫。そんなことはないのは百も承知でございます。
 
「読む?」
 
興味を示すHちゃんに雑誌を貸せば、すぐにページをパラパラと捲り出す。
そして遠慮がちに「これ、モデルさんが外国人ですけど参考になります?」と聞いてきた。
 
そうなのだ。
『GISELe』は起用されているモデルさんが全員外国人なのだ。
実は、私はHちゃんのことと言い、外国人さんの顔立ちが好きで、有名人も日本人よりも外国人の方を多く知っているくらいだ。
これがこの雑誌を買った理由の1つ。
けれど購入理由の第1位はそれじゃあない。
 
それは表紙。
 
黒い背景にモデルさんの横顔と雑誌名、そしてたった一行だけ書いてある言葉――。
 
これでいいより「コレがいい」
 
この一文に私は心惹かれたのだ――。
 
私が敬遠するファッション雑誌たちよりも寡黙で物静か、
けれどストレートに響くその言葉に私は貫かれた。
雑誌に意思を感じたのは初めてのことだった。
 
気が付けば雑誌を手に取って、パラっとページを捲って、次の瞬間にはレジでお会計を済ませていた。
 
読めば読むほど惹かれていく。
ページを捲れば捲るほど私は『GISELe』に夢中になっていった。
表紙の言葉数の少なさを裏切らないくらい、中もとても静かで、
ページに載っている写真はほとんど1枚から3枚だった。
そしてモデルさんを主役として、言葉はまるで花をそっと添える程度に飾るだけ。
1ページという限られたスペースを贅沢に使って読者に伝えたい情報をまとめてくれているから目が全然忙しくない。
しっかりと、ゆっくりと見ていられる。
どのページに何が載っていたかもぼんやりと思い出せる。
掲載されているファッションの傾向も落ち着いたカジュアル系統で勉強にもなった。
こんなにも読みやすい雑誌があったなんて!!
今までのファッション雑誌を敬遠していた自分に衝撃を与えるには十分すぎる一冊だった。
恐らく私は来月もまたコンビニに『GISELe』を探しに行ってしまうだろう。
 
 
***

「でもやっぱり外国人モデルって可愛いですね」とHちゃんは笑って雑誌を捲り続ける。
「ね! どうせモデルさんはみんな可愛くてキレイなのだから好きなタイプの子の写真を見てたいよね!」
「奈良坂さん、それ目的変わってます」

どうやら私はいつの間にかファッション雑誌ではなく写真集を見ているつもりになっていたようだ。

何はともあれ、来月発売の主婦の友社 GISELe4月号が今から楽しみで仕方ない。
次号はどんな洋服とメッセージを届けてくれるのだろう?

*** この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。 「ライティング・ゼミ」のメンバーになり直近のイベントに参加していただけると、記事を寄稿していただき、WEB天狼院編集部のOKが出ればWEB天狼院の記事として掲載することができます。

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2019-02-13 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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