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メディアグランプリ

「きのこの山」?いや「アポロチョコ」でしょ


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:冨田洋也(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
「きのこの山」と「たけのこの里」どっち派?
この前、人気投票が開催されていた。
記憶が定かでは無いがメーカー主催のイベントだったと思う。
こう聞かれると、もっぱら「きのこの山」派だ。
なぜか? 食感でも味でも無い。
アポロチョコに形が似ているから。それだけの理由である。
 
現実のアポロ11号が月面着陸したとき、僕は小学生低学年だった。
「アームストロング」は、「日本語だと腕が強いっち言う意味ぞ」父親から教えてもらった。
腕が強い。剛腕船長。小学生の大好物な雰囲気が漂う名前だ。
力強い優秀なイメージが伝わってくる。
アームストロング船長の月面着陸のシーンは見たけど、月面活動中は宇宙服着ているし、ヘルメット取った画像は見た覚えすら無い。
「腕毛モジャモジャの海兵隊風のごついアメリカ人」のイメージが植え付けられていた。
 
月面着陸が初成功した時は、一番影響を受けやすい頃だった。
将来、宇宙飛行士になりたい小学生はいっぱいいた。
サターンVロケットは、「アポロ司令船、機械船、第一段、第二段、第三段ロケット」で構成されている。全長は120メートル超。
可能性の上では、宇宙飛行士になるのが夢では無い世代だった。
しかし、田舎の小学生達には月はとても遠く、何から手をつければ、宇宙飛行士になれるのか?
誰も知らなかった。周りの大人もきっと知らなかったと思う。
町の電波塔ですら70メートル位しか無いしかない。
テレビの向こう側の、そのまた向こう側くらい遠い世界の事だった。
 
そんな中、アポロチョコは発売されたのだ。
ベビーチョコか、LOOKチョコくらいしかなかった当時、円錐形のアポロチョコ。
しかも、二層になっているそれは、うまく歯を入れると上下に別れる。
司令船と機械船が分かれてからドッキングするまでを模倣できたりもしたのだ。
僕らはそれが月に飛ぶための第一歩に思えていた。
 
ついこの前、映画「ファースト・マン」を見た。
ニール・アームストロングが宇宙飛行士候補から船長になるまでと、アポロ11号が月に着陸する過程が主軸の物語だ。
「なんか、船長は線がほそいなぁ」
映画の中のアームストロング船長を見てそう思った。
ちっとも「腕毛モジャモジャの腕力ありますよ」な船長ではなかった。
小学生の部分の僕は少しがっかりした。
大人になった僕には、アポロ計画がどれだけ無謀な計画だったか判る。
初段ロケット打ち上げが失敗するかもしれないし、切り離しがうまくいかないかもしれないし、司令船と月着陸船のドッキングなんか、とても成功するとは思えない。
地球上で大勢の人が計算し、サポートしていても、現場月の近く。遙か彼方である。
今時のスマートフォンの遠隔サポートですら時間ばかりかかってうまくいかないのにである。
ニュース画像を元に起こしたであろう、映画の精緻な画面には見入ってしまったし、宇宙飛行士は全員魅力的だった。
やはりアームストロング船長はヒーローだった。
 
「きのこの山」と「たけのこの里」どっち派? イベントは、「たけのこの里」が圧倒的大差で勝利したらしい。
しかし、何のイベントも無く40年近く売り続けられているアポロチョコは別格なのだと思う。
アポロ計画は終えてしまったけど、宇宙衛星を通してテレビを見、GPS測定をし、国際宇宙ステーションからのライブ映像までもスマートフォンで見られる時代がきた。
街の中で、ひょっこり日本人宇宙飛行士とも握手する機会があった。
小学生だった僕が人生の全てを捧げてもNASAまでもたどり着けなかった事だろう。
ただ、今でもアポロチョコを食べる事はできるし、その度に心は無重力になる。
宇宙飛行士になれなかった僕にも、まだ何かになれる気持ちが湧いてくるのだ。
 
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2019-02-23 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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