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メディアグランプリ

パートナー探しの迷路に入っている人よ、ペンを持て


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

【4月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《日曜コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:原田沙織(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
「だれかいい人いない?」
「だれでもいいから紹介してよ」
「そろそろ焦ってきてさあ」
 
これらは、最近の私のホットキーワードである。
 
アラサー女子の宿命なのだろうか。
「結婚」この2文字が肩に重くのしかかってくる年齢だ。親からもつつかれ、周囲にも新婚さんが増えてくる時期である。
 
毎月週末には誰かしらの友人の結婚式が行われる。最初はわたあめのように甘いその空間に酔いしれていても、数をこなすにつれてその非現実感は色あせる。
 
次第には「なぜ人の幸せを見るために毎月貴重な休暇を使い、3万円もの大金をばらまかなければならないのか。3万円と1日あれば、ちょっと贅沢な日帰り旅行に行けてしまうではないか」
新郎新婦の入場の拍手をしながら頭は冷静に思考が巡る。
 
まさに、日々が東京タラレバ娘である。そんな集団が、式終了後にお茶をしながら口にするのが上記のキーワードである。
 
話を聞きながら、私はいつも思うことがある。
「だれかいい人、とは一体全体誰を指しているのだ?」
これほど曖昧で都合のいい言葉を私は知らない。
 
デートで「なに食べたい?」と言われて「なんでもいい」と答えた女子たちは、そのメンズの選択センスの悪さについて30分以上盛り上がることができるのに。食事より重要なメンズというコンテンツを、適当になんて選ぶことができるわけないじゃないか。
 
心の中で私は叫ぶ。
 
ある人はこう言う。
「子どもが好きだから、とにかく子どもが欲しい。あと、体を動かすことが好きだから、一緒にレジャーを楽しめる人であれば、誰でもいいんだ」
20代後半男子。とにかく子どもが欲しい。起業に興味があり、将来的には会社の立ち上げに挑戦したい。リスクを怖れず自己投資をしていきたい。一緒に同じ目線で起業を支えてくれる相手が欲しい。スポーツが好きで、一緒に楽しめるパートナーが欲しい。
 
また、ある人はこう言う。
「結婚したい。いい人がいればすぐにでも仕事を辞めたい。だって1人は寂しいし、旅行とかに一緒にいける相手が欲しいもの」
30代前半女子。このまま1人で人生を過ごすのは寂しいが、なんでも1人でできてしまうためパートナーがいなくても困らない。むしろ1人に慣れてしまったため、他人がいる空間を面倒とすら思ってしまう。時々1人が寂しくなった時に隣にいてくれる人、旅行や食事に行きたい時に一緒に行く相手が欲しい。
 
さらに、ある人はこう言う。
「自分が稼ぐから、収入は求めていない。学歴も気にしない。すぐに結婚して子どもを授かり、子育てを一緒にしてくれる人であれば誰でもいいんだ」
30代前半男子。すごく賢く仕事ができる。経済面では困らないが子どもも含めた家庭が欲しい。ただし、自分と話が合わない人には興味が持てない。彼が興味を持つのはビジネスや専門分野において自分が知らない世界を教えてくれる人である。
 
カッコ内が本人の言葉、それ以下が私が聞き出した内容である。
お気づきの人もいるだろうか。そう、本人が口にしている内容と、感じている欲求が異なっているのだ。
 
これでは、その人にとっていい人というのがどんな人がさっぱり分からない。
こうしていつも、私は頭をかかえてしまうのだ。
 
先日、仕事をするため入ったカフェで、私以外に2組の客がいた。
1組はママさん集団のお茶会、もう1組は婚活コンサル中の2人組だった。
声が大きいこと、パートナー紹介という私の目下の悩みと一致していたことで自然と会話が耳に飛び込んでくる。
婚活コンサルの内容は、私でもできるような手法で行われていた。
 
とにかく本人の言葉を全て否定していくのだ。
「私が今まで付き合ってきた人は、優柔不断な人が多くて」などというものなら、コンサルタントは「だめですよ、優柔不断な男性は、物事を決められないから」と否定。
「自分の欲求を相手が汲み取ってくれないのが嫌だった」という内容ならば「そんなことできるのは、結婚している人くらいですよ。嫌なんて思ってちゃだめ」とすかさずコンサルタントは否定する。
 
相談に乗っている感じがしない。ただただ、とにかく否定していくのだ。
なんてひどいコンサルタントなのだろう。私はそう思いながら話に耳を傾ける。
そうこうしている間に、不思議なことが起こった。なぜか本人が自分で考え始めて結論を出し、納得し始めたのだ。
最後には自分に合うであろう相手を自身で結論づけた本人に対し、コンサルタントが男性をサクッと紹介し話はまとまる。すっきりしない私を残して、すっきりした顔をした2人はカフェを後にした。
 
そのやりとりを見て私は感じた。
ああ、パートナー探しは就職活動と同じなんだ、と。
 
「だれかいい人」と言っても他人には誰がいいか分からない。自分に合う人がどんなタイプなのか知ることこそが、パートナー探しの一番の近道なのではないか。
 
そう考えると、パートナー探しは就職活動と同じ、自己分析から始めるべきということになる。自分と対話し、どんな人を自分がパートナーとして望んでいるか徹底的に考え、マッチングするために動く。そんな、自分と向き合う時間が不可欠になってくるのではないか。
 
そして、婚活コンサルタントが提供していたものは、他でもなく相談者が自分と向き合う時間だったのだろう。人生を左右するイベントは、どんな内容であれ自分を知ることから始まるのだ。
 
そう考えると、パートナー探しで今、路頭に迷っている人は一旦行動をやめてペンを握り、自己分析をしてみるといいのかもしれない。
 
そんなことを思っていると、ふと隣のママさん集団の声が耳に入った。
「この間道を歩いていたら、高校1年生になった息子が初デートしているのを見かけちゃって。ファミリーレストランで会計していたんだけど、彼女をそっと制して奢ってあげていたの。なんだか、息子の成長を感じて胸が熱くなっちゃった」
合いの手を打ちながらママさん集団がわっと盛り上がる。
 
恋愛で悩んでいる人が多い世の中だけど、青春真っ只中のカップルの幸せがいつまでも続きますように。
そう心の中で願いつつ私はコーヒーを一口すすった。
 
*** この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。 「ライティング・ゼミ」のメンバーになり直近のイベントに参加していただけると、記事を寄稿していただき、WEB天狼院編集部のOKが出ればWEB天狼院の記事として掲載することができます。

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2019-02-23 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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