メディアグランプリ

平成とは、わたしにとってなんだったのか?


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

【4月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《日曜コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:小池花恵(ライティング・ゼミ平日コース)
 
あと1週間で新しい元号が発表になるという。
昭和生まれ、平成育ちの自分が、死ぬまでにもうひとつ新しい元号の時代を生きる事になろうとは、思ってもみないことだった。
昭和が終わりを告げ、当時官房長官だった小渕恵三さんが掲げた「平成」という文字。
「昭和が終わるなんて信じられない」と、12歳と11ヶ月だった自分は、テレビを見ながら、今と少し似たような感情を抱いていたような気がする。
「平成」という時代が自分にとってなんだったのか、ふと振り返ってみたくなった。
 
平成が始まったのは、13歳の誕生日の1ヶ月ほど前だった。平成がやってきて、わたしは13歳になった。現在、43歳。30年間を「平成」とともに過ごしたことになる。
 
30年を10年ごとに区切ってみる。子供から大人への入口の10年。厳しい私立の女子校に通っていた時期にやってきたバンドブーム。学校に隠れてこっそりバンドを組んだのも、初めて彼氏というものができたのもその時期だった。まだひよっこの大人だった自分が就職をして、がむしゃらに働き、大人って思っていたより大変なんだなと実感した次の10年。大好きだった会社を円満に代謝するには、寿退社しかないなと結婚をして、転職もした。そして最後は、子供が生まれて母親になった10年。平成20年生まれの息子は10歳になった。
 
こうして振り返ってみると、わたしにとって「はじめての体験と経験を濃く積み重ねた時間」が「平成」という時代だったようだ。
 
ポケベルの契約が親から解禁になり、10円玉をポケットにいっぱい入れて公衆電話に並んでいた大学入学の頃。ポケベルから、大っきな角ばった、アンテナの長いちょっとダサい携帯へと通信手段はかわったけれど、希望の就職先へのエントリーはハガキだった。はじめて就職した会社で、仕事先とのやりとりはFAX。次の収録のスケジュールが書かれたFAX用紙をどっさりカバンに詰め込んで、西へ東へと移動をした。資料をつくるのはシャープの「書院」。今の若いひとたちは触れたこともないよね、のワープロ。就職2年目か3年目のボーナスで、SONYのVAIOを買った。ブラインドタッチなんてもちろんできるわけがない。モニターとキーボードを交互に見ながら必死で文字をうつ。転職した会社では、すべてのやりとりがメールだった。議事録を打つ仕事も多くなった。「ブラインドタッチ ゲーム」と検索をして、片っぱしからゲームを攻略。いつの間にかモニターだけを見て文字が打てるようになっていた。
 
厄年に子供を産むと厄落としになるらしいという噂はあとから知った。33歳で息子が生まれた。それまで仕事に24時間(というと大げさに聞こえるけれど、あのころのわたしは24時間携帯やメールを気にしていた。)捧げてしまうような、ある意味豊かさのない時間の使い方しかしていなかったわたしに、「できることと、できないことがある。全部はできないよ。それで、今、何が一番大切か? 」を考えるきっかけを与えてくれたのが息子だ。いい意味で、「あきらめる」という度胸がついた。できることをやりながら、子育てと仕事とどちらも楽しんだ10年。安定した会社を飛び出して、自分で会社を始めたのも「平成」という時代のことだ。大きな角ばった、ちょっとダサい、アンテナの長い携帯はスマートなiphoneにかわった。
 
MACとiphoneが手放せなくなった平成最後の年に、私は「書くこと」をはじめた。今までもfacebookや仕事の中で書くことはあったけれど、自主的に「書くこと」と向き合うようになったのは、今年が始まってからのことだ。
「書くこと」で自分と向き合う時間が増えた。そのとき自分はどう感じたのか、
何を思っていたのか。旅で出会った風景をもう一度頭に思い描いて書く。
書き留めなければ、忘れてしまう瑞々しい感情の断片を文字に残すことは、自分の心を豊かにしてくれるものなのだと、書いてみて気が付いた。
 
「はじめての体験と経験を一番濃く積み重ねた時間」が平成だとするならば、
改元され、リセットされるこれからの時間は、自分にとってどんなものになっていくのだろう。「書くこと」で自分との対話を増やし、体験と経験を積み重ねた今までの自分の時間をもっと深く掘っていく。
逆戻りするようで、きっとそうではない。人生をより豊かにする方法を自分の中に見つけることのできる「今までの体験と経験から新しいことを生み出す時間」になっていくような気がするのだ。
 
5月1日から新しい元号がはじまる。
平成よりも、もっとおもしろく豊かな時間を過ごしていきたい。
そのために、「書くこと」を続けていこうと思う。
 
 
 
 
*** この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。 「ライティング・ゼミ」のメンバーになり直近のイベントに参加していただけると、記事を寄稿していただき、WEB天狼院編集部のOKが出ればWEB天狼院の記事として掲載することができます。 http://tenro-in.com/zemi/70172

天狼院書店「東京天狼院」 〒171-0022 東京都豊島区南池袋3-24-16 2F 東京天狼院への行き方詳細はこちら

天狼院書店「福岡天狼院」 〒810-0021 福岡県福岡市中央区今泉1-9-12 ハイツ三笠2階

天狼院書店「京都天狼院」2017.1.27 OPEN 〒605-0805 京都府京都市東山区博多町112-5

【天狼院書店へのお問い合わせ】

【天狼院公式Facebookページ】 天狼院公式Facebookページでは様々な情報を配信しております。下のボックス内で「いいね!」をしていただくだけでイベント情報や記事更新の情報、Facebookページオリジナルコンテンツがご覧いただけるようになります。


2019-03-27 | Posted in メディアグランプリ, 記事

関連記事