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メディアグランプリ

一冊の本がぼくの習慣を変えてしまった話


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:松波 利幸(ライティング・ゼミGW特講)
 
 
2019年1月1日、平成最後の元旦。
ぼくは魔術にかかった。
 
大晦日に実家に帰り、年明けは実家で過ごすのが、私にとっての毎年の恒例行事だ。
社会人になり、上京してから9年間、一度も欠かしたことはない。
楽しみかと聞かれるとそうではない。
はっきり言って、暇だ。
ぼくの実家は岐阜県の山奥にある。
辺りは見渡す限りの田んぼと畑。
最寄りのコンビニまで徒歩20分、最寄駅の電車は1時間に1本ペースだ。
毎年元旦は午前中にお墓参りと親戚やご近所さんに挨拶をして、後はテレビを見るか、寝るか。ダラダラと過ごして終わりだ。
それでも「1年に1度は親に顔くらい見せないとな」 と思い年末年始は帰省している。
 
さて、今年はそんな暇対策のために、帰省前に一冊の本を買っておいた。
 
何となく読んでみたいなと思っていた一冊。
その時は思いもよらなかった。
この一冊の魔力が私の習慣を大きく変えてしまうことになるとは。
 
本のタイトルは「メモの魔力」。
いわゆるメモ術について書かれたビジネス本である。
 
魔術師(著者)は、IT企業SHOWROOMの社長として有名な前田裕二さん。編集者は、幻冬舎のカリスマとして有名な箕輪厚介さんだ。
正直に言うと、本を買った当時、特別この2人のファンだったわけではない。存在は知っている程度であった。
むしろ、「なんか見た目チャラチャラしてる感じで、苦手なタイプだな」 と思っていた。
「2人とも高学歴だし、成功者の上から目線本かな」 とも懸念していた。
 
しかしながら、本書を購入するに至ったのは、私が「メモの罠」にはまっていたからに他ならない。
 
「なんでメモを取らないの?」
「お前メモくらい取れよ!」
「メモ取ってないから忘れるんだよ!」
 
どこの職場でも一度は見る場面ではないだろうか。
上司が部下を叱責する常套句だ。特に新入社員は一度は言われる一言ではないかと思う。
 
断っておくと、ぼくはメモを取らない人間ではなかった。
胸ポケットには常にメモ帳を用意していたし、重要だと思うことは必ずメモしていた。
朝礼や会議で役員の話をメモしない社員を見て、「こいつらメモくらい取れよ」 と思っていたほどだ。
恥ずかしながら、「自分はちゃんとメモを取っている」 と小さな優越感に浸っていたのだろう。
 
が、そんなぼくの小さな優越感が木っ端みじんにされたのは、転職した2018年10月の出来事である。
 
「君はメモ取ってるつもりかもしれないけど、オレからすればメモじゃないよ」
「メモした内容、なんかに活きてんの?」
 
配属先の上司からいわれた言葉だ。
確かにその通りだ。
ぼくも心の底では気づいていた。
メモが単なる記録になっている、ということに。
そして、その記録は、いつしかゴミ箱の中に捨てられ、頭の中からも忘れさられいることに。
 
これはおそらく多くの人が陥っている人がいる罠であろう。
メモを取ったはいいけど、一時的に内容が保存されるだけで、何の役に立つこともなく忘れ去られていく……。
 
とはいえ、メモを活かすって何だろう?
当時のぼくには、メモを毎日、あるいは毎週読み返すくらいのことしか考えられなかった。
 
そんな行き詰まりの中、存在を知ったのが「メモの魔力」である。
ということで、元旦の朝、予定通り毎年の恒例行事を終えて読み始めてみる。
 
約20分で第1章(全6章)を読み終えたぼくはベッドから飛び上がった。
 
「これだ!」
「これこそ自分が求めていたものだ!」
 
その後、全編を読破したぼくは興奮していた。
「ちょっと出かけてくる」 読了後、ぼくは20分先のコンビニに駆け込んでいた。
メモ用のノートを買うためだ。
「メモの魔力」に書かれたメソッドは、「今日から実践しなくては」 と思わせてくれるに充分な内容であった。
 
それからというもの、メモの魔力に取りつかれたぼくは、いつでもメモ用ノートと四色ボールペンを持ち歩いている。
ノートとペンの消費量も圧倒的に増えた。
半年に一冊程度、いや、下手すると一冊終わらないままどこかに捨てられていたメモ用ノートは、1ヶ月に1冊のペース(早い時には3週間に1冊のペース)で使い切ってしまうほどに。
 
何よりも「メモの罠」から脱却できたのが大きい。
「メモの魔力」を実践すると、必然的に「考える」という行為を強いられる。詳細はネタバレになってしまうため省くが、とにかく考えに考え抜かないとノートが埋まらない、次に進めない仕組みになっている。
 
効果はそれだけではない。
「なんかアイデアない?」
先日の会議で社長からいきなりの質問。
いつもなら口を噤んでしまうところ、ぼくは瞬間的にアイデアを出していた。
これもメモの魔力による力と確信をもって言える。
 
今思えば、ぼくを叱責した上司はメモ魔だ。
彼の引き出しには、メモノート用のラックが用意されている。
そこには愛用のモレスキンの黒ノートが何十冊と並んでいる。
使い古されてボロボロだが、不思議な魅力がやどっている。
 
 
上司は言った。
「たとえ大地震か何かが起こって、色んなモノを捨てて逃げなくてはならなくなったとしても、オレはこのノートだけは持っていくね」
 
今なら分かる。
この4ヶ月で使い切った4冊のノートを僕は捨てることができない。
 
メモのノートで本棚をつくること。
それが今のぼくの目標だ。
 
 
 
 
***
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2019-05-03 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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