fbpx
メディアグランプリ

平成最後の日、愛車は泥だらけだった


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

【6月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《平日コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:晴(ライティング・ゼミGW特講)
 
 
「車はね、沼なんですよ! 一度ハマったら抜けられない沼なんです」
私は、職場の飲み会の席でこう言った。
 
そう、私の趣味は車。見るのも運転する事も大好きだ。
いつから好きなのかは覚えていない。家族からすれば本当に変わった娘だと思う。
 
でも、当時はそこまで深い沼には、はまっていなかった。
せいぜいこの車かっこいいなー と思うくらい。車種なんて全く分からなかった。
そんな私をとんでもなく深い深い沼へひきづり込んだのは、他でもない彼氏だ。
彼のせいで、私はもう出て来ることは不可能なくらい深い沼にどっぷり浸かってしまったのだ。
 
平成最後の日、なぜ愛車は泥だらけだったのか。
山にいたからだ。当然、登山ではなく車を走らせるために。
山は気持ちがいい。窓を開けて風を感じながら、右足とハンドルを握る手に全神経を集中させる。そして時折カーナビを見て次に来るカーブの角度を確認する。タイミングを計りながらブレーキを押し、綺麗に曲がりきれれば合格。きついカーブを曲がると真っ直ぐな直線。かと思えばまたカーブ。
運転は、余計な思考を捨てて目の前にあるものに集中する事ができる、思考のリフレッシュにはうってつけな時間なのだ。
 
なぜ、車が好きなのか。それはわからない。
でも、あのフォルム、マフラーから発せられる重低音のエンジン音、計算し尽くされたあの形状、自分色に染める事ができるカスタム性。どれも魅力的に感じてしまうのである。
 
こんな事をパートナーから言われたら、あなたはどう反応するだろうか?
 
「1本4万するタイヤが欲しいんだけど……」
 
普通なら断るだろう。
 
さらに、
「別にあってもなくてもいいんだけど、あったらまた早く走れるパーツがあるんだよね。 2万円するけどさ」
 
これまた断るだろう。
 
私は、全てに二つ返事で快諾した。
しかも「走りが良くなるなら入れていいんじゃない? 私も気になる」
その話を聞いた時、お金のことより好奇心の方が優っていたのだ。
 
カップルの会話って、お互いのことを話したり、最近流行りのスポットの話だったり、最近見たTVの話だったり誰それさんがどうかしたらしい……そんな会話をすると思う。
でも、車の沼にはまった私たちは、ほとんどの会話を車に費やす。
次なにに乗りたいのか、愛車をどのようにカスタムしていきたいのか、知り合いの車に乗った感想や洗車をいつやろうかなど……
旅行に行くにも自家用車で行く。観光地に行くことよりもその道中の景色や道を楽しむのだ。
こんなこと、同世代の女性に話したところでなにが楽しいのかと言われてしまいそうである。
でも、私はとても楽しいのだ。
 
さて、車は「モノ消費」 の象徴だとも言える。お金をかけて物を買う。一昔前の遊びでもある。
しかし、私はそうは思わない。「コト消費」 と捉えている。
それはなぜか。
車一つでいろんな場所へ行きいろんな景色を見る事ができるから。そして、車を通じてたくさんの友人が出来たからだ。
私は、人間が苦手だ。どうしても話しかける事ができない。
車の集まりも、最初は人見知りのせいでポツンと一人でいた。
でも、みんな車が好きである。共通の話題はある。それをきっかけに話しかける事だって出来るし話しかけて来てもらえる。そこから仲良くなれる。
車を通じて、コミュニケーションを学ぶ事ができた。
初めてツーリングへ行った時、私はみんなで行動する事が楽しかった。車であれば、自分一人の時間も確保する事ができ安心する。降りたら、みんなでワイワイ他愛のない話をする。また車へ戻る。適度な距離感が心地よい。
 
「車が趣味」 と聞くと、暴走行為や迷惑行為などネガティブなイメージがあるかもしれない。
しかし、少なくとも私の友人には一切そのような行為をする人間はいない。
運転とは、自分の限界を知ることかもしれない。車の限界、人間の限界。少しでも無理をすると事故に繋がる。だから、皆自制心を持ってハンドルを握っている。無茶はしない。
だから、どうか白い目で見ないでほしい。
 
車がなかったら私の人生どうなっていただろうか。
おそらく物凄く単調な人生だったと思う。同じ場所でいつもデート。もう飽きた、と思いながらなんとなく日々を過ごしていたかもしれない。
 
車は色んな所へ連れて行ってくれる。車がなかったら、島根まで行かなかったかもしれない。
九州全県制覇も出来なかったかもしれない。緑が綺麗な岩盤浴ができるホテルへ連れて行ってくれなかったかもしれない。
初めて自分の運転で行ったツーリングで食べたホットドックの味は格別だ。いつも行く所ではあったがその時だけはまるで特別だった。
 
車は特別な時間をくれる。
だから、私は自分の運転が危ないと思うまでは車を降りることはないと思う。そして、休みの日には遠くへ出かけ、色んな景色を見て、感じるのだ。
そして、車を囲んでみんなで朝まで語らうだろう。車の話はもちろん、他愛の無い話も尽きることはないだろう。
 
今日もまた、愛車を泥だらけにする。
くたばるまで、大事に乗り続けるから。これからもどうぞよろしく。
 
 
 
 
***
この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。 「ライティング・ゼミ」のメンバーになり直近のイベントに参加していただけると、記事を寄稿していただき、WEB天狼院編集部のOKが出ればWEB天狼院の記事として掲載することができます。

【6月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《平日コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜《4/30までの早期特典あり!》

天狼院書店「東京天狼院」 〒171-0022 東京都豊島区南池袋3-24-16 2F 東京天狼院への行き方詳細はこちら

天狼院書店「福岡天狼院」 〒810-0021 福岡県福岡市中央区今泉1-9-12 ハイツ三笠2階

天狼院書店「京都天狼院」2017.1.27 OPEN 〒605-0805 京都府京都市東山区博多町112-5

【天狼院書店へのお問い合わせ】

【天狼院公式Facebookページ】 天狼院公式Facebookページでは様々な情報を配信しております。下のボックス内で「いいね!」をしていただくだけでイベント情報や記事更新の情報、Facebookページオリジナルコンテンツがご覧いただけるようになります。


2019-05-02 | Posted in メディアグランプリ, 記事

関連記事