fbpx
メディアグランプリ

他人を改善するたった一つの方法


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

【6月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《平日コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:Kurosawa Arisa(ライティング・ゼミGW特講)
 
 
皆さんは、誰かに行動を変えてほしいな、と思ったことはありますか?
私はあります。

 
「皿とって」
「はい」
「……」
「……」

 
私が差し出した皿の上へ、彼は焼けたほっけの一夜干しを乗せました。
半同棲を初めて1カ月。最近そういうところが気になり始めました。彼の趣味である料理をしていることではありません。ちょっとしたことにもお礼や謝罪を言わないところが、なんとなく引っかかるのです。

 
「箸忘れた」
「はいお箸」
「……」
「……」

 

そのまま彼が無言でほっけをつつき出したので、私も自分の箸を持ちなおしました。程よく焼けたほっけをつつきながら、心の中でもやもやと向き合います。

 
付き合い始めてからこれまで、家の中で彼の口から「ありがとう」「ごめんなさい」「行ってきます」「行ってらっしゃい」「いただきます」「ごちそうさまでした」を聞いたことがありません。

 
言わない理由を聞いたことはありませんが、彼の育った家庭環境をぽつぽつ聞いていると、なんとなく言わない習慣になっていても不思議ではないと想像しています。私自身も色々あって、家族に向かってそれらのちょっとした挨拶を言うことがほとんどなかった経験があるので、この件で目くじらをたてるつもりはありません。それでも、家の外では挨拶を必ずするように心掛けています。私の場合は単純にそうすると気分がいいからです。そして、しないでいるとなんとなく気づまりで気分も落ち込むからです。

 
言わないでいて、彼はそういうもやもやを感じることはないのでしょうか。
会社でもそんな風にちょっとした挨拶をしないのでしょうか。

 
会社でのことはわかりませんが、少なくとも彼との関係を長く続けたいと思っている私としては、基本的な挨拶をしないで良好な関係を続けられるイメージが全くわきません。
このままでは良くないなあ、と悩みました。

 
問題が挨拶なだけに、どう言えばいいのかわかりません。
子供相手ならその場で「ありがとうは?」と言ってしまえば済む話ですが、アラサー男性に向かってそういう言い回しをするのも気が引けました。

 
私が逆の立場だったらどんな風にしてもらえれば素直に挨拶をするのだろう。そう考えた時、私がどうして家族に対してそういう挨拶をしなかったのかに思い至りました。
私の家族が「ありがとう」も「ごめんなさい」もちゃんと言わない人達だったからです。言われないので、こちらも言わない、そんな関係になっていました。
ということは、私がお手本になって、挨拶を言い続けていれば、彼も挨拶をするようになるかもしれません。

 
聞きかじった心理学でも、恩を感じるとお返しをしなければいけないと心に感じる返報性(へんぽうせい)の法則というものがあったはずです。挨拶をすること自体は恩でもなんでもありませんが、少なくとも「ありがとう」という言葉を言われることは誰でも嬉しいはずです。嬉しいと思ったら、同じように挨拶を返してくれるようになるのではないかと考えました。

 
そこで、どんなに小さいことでもはっきりと「ありがとう」を言うようにしました。他の言葉は機会があれば言うようにしました。

 
「お箸とってくれてありがとう」
「洗濯物取り込んでくれてありがとう」
「買い物付き合ってくれてありがとう」

 
でも何も返って来ませんでした。
「行ってきます」と言っても頷きしか返って来ません。
そういう挨拶を言うと毎回1秒くらい動きが止まるので、どうやら言われることになんだか戸惑っているようでした。
それでも私は言い続けました。

 
「食器下げてくれてありがとう」
「ティッシュとってくれてありがとう」
「買い出し行ってくれてありがとう」

 
言い続けて1年がたった頃。

 
「はい、醤油」
「……ありがと」

 
凄く小さい声でしたが、「ありがとう」と言ってくれました。それから少しずつ他の挨拶もしてくれるようになりました。最近では、「ありがとう」というと嬉しそうに「うん」と返してくれるようにもなりました。

 
正直な感想は「1年かかった! 長かった!」でしたが、自分がお手本になって行動を続けて良かったと思います。
元あった習慣を変えるには、その習慣を続けていた期間と同じかもしくはそれ以上の期間が必要だと昔聞いたことがあったので、時間がかかるだろうことは予想していました。寧ろ1年は早い方なのかもしれません。

 

誰かの行動を変えるには意識から変える必要があります。相手に強制せずに自分がお手本になることで、本人が自ら選んで同じことをしてもらう方が、受け入れやすいのだと思っています。
そのためには、まずは自分が変わって、行動して見せることが大事なのだとこの件で学びました。
次の目標「いただきます」「ごちそうさまでした」を言えるように、今後も自分から行動していきたいと思います。

 
 
 
 
***
 
この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。 「ライティング・ゼミ」のメンバーになり直近のイベントに参加していただけると、記事を寄稿していただき、WEB天狼院編集部のOKが出ればWEB天狼院の記事として掲載することができます。
 

【6月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《平日コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜《5/5までの早期特典あり!》


 

天狼院書店「東京天狼院」 〒171-0022 東京都豊島区南池袋3-24-16 2F 東京天狼院への行き方詳細はこちら

天狼院書店「福岡天狼院」 〒810-0021 福岡県福岡市中央区今泉1-9-12 ハイツ三笠2階

天狼院書店「京都天狼院」2017.1.27 OPEN 〒605-0805 京都府京都市東山区博多町112-5

【天狼院書店へのお問い合わせ】

【天狼院公式Facebookページ】 天狼院公式Facebookページでは様々な情報を配信しております。下のボックス内で「いいね!」をしていただくだけでイベント情報や記事更新の情報、Facebookページオリジナルコンテンツがご覧いただけるようになります。


2019-05-08 | Posted in メディアグランプリ, 記事

関連記事