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「バツ4の私は何度目の正直で正解になれるのだろうか」 


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:ふじもと(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
私は社会人歴9年で4度の転職をしている。30歳手前でこの回数は多いのではないだろうか。
 
初めての就職は高校を卒業してすぐ、百貨店の販売員をしていた。
当時は就職氷河期と言われ、田舎にもその余波はきていた。選べる仕事が少なく、なんとなくその仕事を選んだ。
仕事は覚えることが沢山あり、初めての社会と仕事に緊張しながらも覚えていくことは楽しかった。しかし3ヶ月ですぐに飽きてしまった。百貨店にも関わらず人がほとんど来ない。
 
毎日やる気が出ないし楽しくない。本当はすぐにでも辞めたかった。しかし当時は「辞めます」と言う勇気が無かった。
 
辞めることで周りからどう思われるか、やる気がないと思われてしまうのではないかと人の顔色を伺っていた。私は社会不適合者なのではと不安にもなった。
その不安は接客にも表れてしまっていた。お客様の無理難題を出来ませんと上手く伝え、他の方法を提案することが苦手で、ごまかしながら対応したが故にトラブルになり余計に落ち込んだこともある。無茶なことを言ってくるお客様が嫌になり、接客も仕事も嫌いだった。
 
今の職場は合わないと思い、誰に相談しても「最低3年は働いた方がいい」と必ず言われた。
 
この言葉で思いとどまっていた。というよりも辞めたいと言えないことを、環境と人のせいにしていた。「このまま毎日を無駄に過ごすのかな」なんて考えながら。今思い出しても恥ずかしい、とんだあまちゃん野郎だ。
そしてちょうど3年働いた頃、仕事に楽しさを感じることがないまま倒産した。自分で辞める勇気がなかったから、正直とても嬉しくて仕方がなかった。
 
もう2度と接客はやるまいと思っていた。
 
その後工場で事務と飲食店を経験し、次に「医療事務」へ就くこととなる。
当初は事務職を希望していた。なにより接客業なんてもうこりごりだった。
8月という中途半端な時期に転職活動をしたので、一般事務の求人がなく、たまたま受けた医療事務に就いた。仕事内容をろくに把握していなかったが、決まった仕事をこなすだけだろうと考えていた。
 
しかし、他の病院はわからないが勤めていた産婦人科は、想像以上にハードワークで事務仕事よりも接客とサービス業の色がかなり強かった。
受付業務だけではなく、待合にいる患者さまへ細かい配慮や困りごとをお伺いするなど、電話対応も含めると、1日中接客をしていたと思う。
 
「こんなはずでは」と仕事が嫌になりかけていた。よくコマーシャルで見るような、適度に働く感じでは全くなかった。小さな病院なのに、患者数が多いため1日があっという間に終わるくらい忙しく、当時20代前半だったが体力的に辛かった。一緒に働いていた40代の女性はもっと辛そうだった。
 
同じ部署に、患者さんだけでなくスタッフからも絶大な支持を集めている、7つ年上の先輩がいた。当時34歳くらいだっただろうか、優しくて信頼できるこの先輩がいたから続ける事が出来た。
 
先生や多部署のスタッフ、みんなに頼りにされており、わざわざその先輩がいる日に合わせてくる患者さんもいるくらい、仕事が出来て愛されている人だった。
 
生まれて初めて、心の奥底から強烈に憧れた。
 
今まで言い方は悪いが、適当に働いていた。しかし本音は働く以上、誰かに感謝されたいし、やりがいが欲しかったことに気づかされ、先輩が羨ましくて仕方がなかった。
初めて目標にしたい人が出来て、こうなりたいという一つの働く目的が出来た。
それからは、患者さんへの話し方や接し方、仕事の仕方を真似してみた。そうすると不思議なもので、患者さんや周りのスタッフから「ありがとう」や「あなたがいてくれて良かった」と声をかけられるようになった。
 
嬉しくて、嬉しくて、いつの間にか仕事が楽しくなっていた。
 
接客や仕事が嫌いだと思っていたが、どうやら違ったらしい。
本当は誰かに必要とされたかったのに、目的が無いために頑張り方が分からなかったのだ。
 
仕事と結婚は似ている。
 
仕事も結婚も目的をもって何のために、誰を幸せにしたいのかを考えなくては、自分も周りも幸せに出来ない。恋人も、仕事も、最高のパートナーを選べないのではないだろうか。
 
だって自分のことしか考えていないような人と誰が一緒に働きたいだろうか。
誰が人生を一緒に歩もうと思ってくれるだろうか。
正直、過去の私とは一緒にはなりたくない。
 
私は今、医療事務を辞め新しい目的を持って転職した。
結婚に例えたらバツ4である。
 
一生添い遂げることも、新しい場所を探し続けることも、生きる目的さえあればどちらも自由で幸せなことではないだろうか。夢を追い求めている時が一番楽しいのだから。
 
 
 
 
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2019-05-16 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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