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過去からの追い風


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:風香(ライティング・ゼミ火曜コース)
 
 
「私、五年以内に絵本作家になってみせる!」
 
彼と再会していなかったら、絶対口にしていなかった言葉だ。
何故なら、もう十年以上も、子育てに「時間とお金」を全て費やして、自分の「夢」なんか蔑ろにして生きてきたからだ。
 
私は子どもの頃から絵を描く事が好きだったし、絵本も大好きだった。
娘達が生まれてからは、自分の子ども時代とは違う絵本に出会い、母親の私の方が夢中になり色々な絵本を買い与えた。
 
そして現在は、幼稚園教諭をしているので、毎日欠かす事なく一日一冊以上の絵本を子ども達の前で読んでいる。
当然、子ども達がどんな絵本を好むのか?  大勢の子ども達に間近で接して感じている。
日々の保育の中で、ネタはたくさん落ちているし、魔法の言葉も誰よりもたくさん知っている。
特別絵が上手い訳でもないけれど、他の人には描けない、子どもの心に届く絵本が描けるんじゃないかしら?
 
でも、絵本を描くと言っても、何から始めたら良いのかわからなくて、「絵本作家になる本」などを何冊か買って読んでみたりもした。
絵本の世界を知れば知るほど、既存の絵本作家に太刀打ち出来るとも思えないし、世の中には絵本作家を目指す人が物凄く多い事を感じる。
ハードル高いな……。
どうせ……私には無理だ……と、
何もする前から一歩踏み出す事を躊躇っていた。
 
未来ある娘達にお金を使う事は、惜しくはないけれど、自分自身の為に、時間や大枚をはたいて「夢」を追うことには罪悪感を持ってしまう。
だから、なにかと無理だという理由を探して諦めようとしていたのだ。
 
だけど本当は、背中を押してくれる風が吹くのを待っていたのかも知れない。
 
その風は、突風のようにやってきた。
Facebookで偶然見つけてしまったのだ。
20代前半に付き合っていた元彼を……。
すごく甘酸っぱい恋愛をして、結婚を約束していたけれど、若さ故の些細なすれ違いから別れてしまった人だ。
 
Facebookで繋がって、懐かしい想い出話をする中で、記憶が大きく食い違っている発見をしてしまった。
私は当時、彼の事を、私のする事を何でも許してくれる「すごく優しい人」と思っていて、その優しさに甘えてばかりいた。 でも、それは違っていたのだ。
 
「めっちゃ気の強いお前に振り回されっぱなしで、俺、いつも気を使っていたんだよ」
 
今更言われても笑い話になってしまうけれど、彼は私に合わせてくれていたのだ。
若い頃の私は、そんな事にも気付けない未熟な女だったのだ。
そして、私はずっと自分の事は「穏やかな優しい人間」だと思っていたのだが、実は「めっちゃ気の強い人間」だったという事を二十数年経って彼に知らされた。
 
それから、別れてから現在までの話を聞くと、
彼は私と別れた後、紆余湾曲しながらも大企業で部下を百五十人も持つ、九州最強の営業部長になっていた。
会わない二十数年で、そんなに大成していたなんて……。
衝撃的だった。
なんだか燻っている自分が負けた気がして悔しく感じたり、それでいて立派になった彼の事を凄く誇らしく感じたり。
微妙な気分だったが、そんな彼から
 
「お前ならやれるよ」と言われた。
 
一番輝いていて、一番尖っていた頃の私の事を知っている彼からの言葉は、今迄の誰のどんな言葉よりも力強く感じて、
「私はやれるかも知れない!」
そう信じるに値する力を貰ったのだ。
 
私も、彼にそんな追い風の様なパワーを与えられる位の人間でいたい。
しかし今は、私の方が貰いっぱなしの様な気がして悔しい。
そんな気持ちを打破出来るくらい、せめて、互角に張り合える位、きちんとした結果を出して追いつきたい。
その想いが、私にとっての原動力に変わった。
 
「見ててよ、五年で貴方に追いつくからさ」そう言うと、
 
「それでこそお前やな、けど、それは絶対無理よ」と、笑う。
 
いやいや……そんな風に言われると燃える!
私の気質をわかっていて、煽ってきてくれている。
 
彼が見守っていてくれている今なら……頑張れる。
 
期限を五年と決めたのは、彼とはFacebookでしか繋がっていないので、この関係が ずっと永遠だという自信がないからだ。
だから五年。
その位の期間なら、やれる事を我武者羅にやってみれると思うのだ。
 
人生は無理かも知れないくらいの目標を持っていた方が、何十倍も楽しめるし、何十倍も頑張れる。
私は自分自身の人生を、まだまだ楽しみたいし、頑張りたい!
 
携帯電話もメールもない時代に途切れた、
今は住む場所も遠く離れた、
そんな彼とのFacebookでの再会は……奇跡だ!
「強い追い風」を、タイムマシンで届けられた様な気がする。
 
この再会を、この気持ちを、
無駄にせず継続させる為に、手始めに「絵本塾」で学ぶ申込みをした。
 
さてさて、五年後の私をどうぞお楽しみに……。
 
 
 
 
***
 
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2019-05-23 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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