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週末弾丸でいける夢の島とは


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:小林祥子(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
あなたは野生のイルカと一緒に泳いだことがあるだろうか?
そして、なんとそれが日本で体験可能であることを知っているだろうか?
 
初めて聞いた時、心が踊った。
日本で野生のイルカと泳ぐことができる? しかもしれが、週末弾丸で叶うのだ。
 
小さい頃からイルカは憧れだった。
イルカは水族館のアイドルだ。水族館に行くと子供も大人もイルカショウを目指す。
透明のガラス張りの水槽のなかでイルカが優雅に泳ぎ、飛び跳ねる。
「最前列は水を浴びますよ」なんて言われて、傘を持ったり、かっぱを着たり。びしょびしょに濡れながらイルカが飛び跳ねる姿を見るのもイルカショウの醍醐味だ。
そして、イルカショウの中盤になると、決まってお姉さんが言うのだ。
「イルカにエサをあげたい人、手を挙げて」
「イルカと握手したい人、手を挙げて」
「イルカにチュウされたい人、手を挙げて」
倍率は高い。率先して手を挙げるけど、当たることはなかった。大人になると、どんない手を挙げてもこの抽選には当たらない。
いつか私もいるかと触れ合いたい。でも、どこで……。
そんなことを思いつつ、私はイルカのことを忘れ去ろうとしていた。
 
ちょうど1年前の春のことだ。日本にあるイルカの島のことを聞いたのは。
そこはなんと、金曜日の夜に出発すると日曜日の夜には帰ってこれるという、弾丸トリップを実現することができる島だった。
その名は御蔵島(みくらしま)。
 
仕事終わりにイルカと遊ぶための道具を一式もって、私は東京の竹芝桟橋に降り立った。
勝手な想像ではあるが、船での旅行というと年寄りだらけ、定年後の時間のある方々が楽しむものと思っていた。
しかし、そこは違った。
ターミナルにひしめき合う若い人達。大学生なのか、社会人なのか。
年齢どうこうというのではなく、そこに居る多くの人達がイルカと遊ぶためのフィン(足ひれ)を手に携え、目をキラキラさせながら、きたる出港の時を待ち構えていた。
その熱気に私はあっとうされた。そして、同時にこれから足を踏み入れる夢の島に期待が膨らんでいった。
こんなにも多くの人がイルカに会いに行くのだ!
日没後の港に美しく輝く船「橘丸」は、その夢の世界へ向かう乗り物。私が来たことを歓迎してくれているようだった。
 
実は、御蔵島は着岸するのが難しい。
つまり、船が出向したからといって、必ずしもその夢の島に到着できるものではなかった。運が悪ければ、終日クルーズして帰ってくることだってありえる。
そんなリスクを抱えた島だったが、なぜか私は上手くいくと思っていた。そして、実際に私は夢の島に降り立ったのだ。
 
朝の5時ごろ到着にも関わらず、島民の方々が温かく迎えてくれた。
島には、限られた数の民宿しかなく、この夢の島で宿泊する権利を得るためにも相当な倍率だという。
20キロ平方メートルの小さな島は、御山を中心に据えた急勾配の島だった。
港から見上げたその島は神々しくも感じ、私の初めてのイルカとの出会いを祝福してくれているようでもあった。
 
そして、イルカと出会うその時がやってきた。
一般的な漁船ではあるが、イルカ専用の船に乗り込みその準備をする。
船長が海で泳ぐイルカの群れを探し、我々をその出会いに導いてくれるのだ。
本当にイルカは私と遊んでくれるのか? 胸が高鳴った。
「イルカの群れ、準備して!」
船長から声がかかった! 急いで準備をする。
「3時の方向からくる、ゆっくり入って!」
恐る恐る海に入ってみた。
5月の海、水温は23度。まだひんやりするが、ウエットスーツを着ている私には心地よい。
イルカ……、潜ってみると……、
向こうからやってくるイルカの群れが! 移動しているのか凄いスピードで私の前を通り過ぎていく。
あっという間の出来事だった。
イルカとの出会いは一瞬。でも、それでも私にとっては素晴らしい出来事だった。
だって、水族館のアイドルが海の中で泳いでいたのだから。
午前中はイルカの気分がのらないのか、私の目の前をひたすらに通り過ぎていった。
 
午後、船での移動と午前の疲れを感じつつも、イルカに会いにいく。
その時、奇跡のようなことが起こった!
船長に言われて海に入り、潜ってみると…、前からも後ろからもイルカ。イルカ、イルカ、イルカ。たまたま、イルカの群れとイルカの群れが合体したのだ。
そっと、イルカの左側に寄り添うと目があった!
私がくるりと回るとイルカもくるくる回ってくる。夢のような時間だった。
息切れして水面に上がると、イルカが上を向いて「もっと遊ぼうよ」と私を呼ぶ。
そんなことがあるはずがないと思われるかもしれないが、イルカが私を見上げるその目には、そう感じさせるものがあった。
なんて素晴らしい体験! 私は童心に帰ったようにがむしゃらにイルカと遊んだ。
 
御蔵島、そこはイルカと共存する島だ。イルカに敬意を払い、イルカを守り、そしてイルカによって人々が生きる。
こんな島が日本に、東京にあるなんて。誰が想像するだろうか。
百聞は一見にしかず、是非訪れていただきたい。
そして、あの水族館のアイドルと出会って欲しい。そこは、大人が子供に戻れる夢の世界が広がっている。
 
 
 
 
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2019-06-06 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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