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メディアグランプリ

承認されすぎると、人間ダメになる


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

【8月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《日曜コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:横山信弘(ライティング・ゼミ火曜コース)
 
 
「最近、何をやっても、やる気が出ない……」
 
3年前のある日、突然そのことに気づきました。思ったように成果が上がらないのです。なぜかモチベーションが上がらない。がんばろうという意欲が、なかなか芽生えないのです。
 
社長にも心配されました。妻からも「最近、おかしいよ」と指摘されてばかりいました。
 
現状を打開したいと思い、知り合いのビジネスコーチに短期間のコーチングをお願いしました。しかし3ヵ月ほどコーチングを受けても、まったく効果がない。
 
定期的な社長との面談時に、その話をしました。
 
「コーチングをお願いした?」
 
「はい」
 
「どうして」
 
「最近、まるで意欲がないんです。伸び悩んでいて。ですから……」
 
「君が? 君が伸び悩んでる? ずっと過去最高の成績を出しつづけてるじゃないか」
 
「成績はそうですが」
 
「今のままで十分だ。わが社に大きな貢献をしている」
 
社長はとくに私をひいきにしています。私がやることなすこと、手放しで褒めてくれるのです。
 
ビジネスコーチにも言われました。
 
「横山さん、あるがままを受け入れませんか。あなたは、今のあなたのままで十分ではありませんか」
 
今のままでいい、と言われても……。
 
書籍を12冊出版し、コラムを書いたらヤフートピックスに何度も選出され、週刊誌からの取材や、企業からの講演依頼もたくさん受けます。
 
東名阪の駅で声をかけられるのは、日常茶飯事。
 
家族旅行で行った福岡のうどん屋さんで、隣の席に座ったサラリーマンから「横山さんですよね?」と声をかけられたり、
 
沖縄名護市のサブウェイで、店員さんから「ユーチューブの動画、観てます。サインください」と言われることもあります。
 
すっかり有名人となりました。
 
父親は、ギャンブル好きの、飲んだくれでした。貧乏長屋で育った私は、大学へ進学するお金もなく、高校を卒業してすぐに就職しました。
 
がむしゃらになって働き、社会の底辺から成りあがった私に、親近感を抱く人も多いのでしょう。
 
周囲から見たら、私は当時の現状に満足すべきでした。「伸び悩んでいる」などと受け止めず、今の自分を受け入れるべきなのでしょう。
 
しかし、あの当時は、まったく満足できなかったのです。
 
そんな当時の私の悩みを、ものの見事に吹き飛ばしてくれた人がいます。
 
あるマーケッターの講座を7ヶ月間、受講したときのことです。そのときの講師は、毎回私に激しいダメ出しを繰り返したのです。
 
「本は売れていたけれど、それは最初だけ。最近はネタ切れ気味だ」
 
「コラムニストなのに、文章がヘタ。小学生の教科書を読みなおせ」
 
「成功体験の上に、あぐらをかいている。横山さんは三流じゃないけど、二流だ。一流の人は、現状に満足することなく、飽くなき挑戦をつづける」
 
頭をたたき壊されたような衝撃を受けました。講師の言うとおりに努力しても、「全然ダメ」「レベル低すぎる」「マーケティングをナメてるの?」と嫌味を言われつづけました。
 
長い期間、チヤホヤされすぎたのでしょう。ボロクソ叱られると、心が折れそうになります。夢にうなされ、睡眠不足の日がつづきました。
 
社長にその話をすると、
 
「君はもっと結果を出し、もっと有名になりたいのか? 今のままで十分だ」
 
と言われました。「体を壊したら、元も子もない。そんな講座、やめたらどうだ」そう勧められました。
 
妻にも心配されました。「もうこれ以上、何をめざすの?」と。
 
しかし、私は最後まで通うことにしました。
 
そして講座の卒業式を迎えます。最後の最後まで、講師から承認されることはありませんでした。だからか、自分が大きく成長したという実感がありません。確実に言えるのは、私の自尊心が粉々に壊された、という事実だけでした。
 
しかし、それでよかったのです。
 
今だから、わかります。あの講座のおかげで、私は生まれ変わることができました。自分をリセットすることができたのです。
 
それ以降、私は強い孤独感に苛まされることになりました。周りが「今のままでいいじゃないか」と言われれば言われるほど、孤独だと思うようになりました。
 
そして、さらに自分磨きをはじめました。現状に満足せず、もっと本を読んで、もっと知識をつけて、コンサルティングの技術を磨く。講演家としての話術を磨く。コラムニストとしての文章力を磨く。そういった自己鍛錬を繰り返しました。
 
そんなある日、社長と飲みに行きました。開口一番、「最近は、充実してるか」と聞かれたので、私はすぐに「はい」と答えました。
 
「自分を追い込んでるほうが、幸せか」
 
「孤独ですが」
 
「当然だろ」
 
社長が言いました。
 
「世の中の、一握りの人間になろうとするんだ。誰かから共感されるはずがない」
 
さすが、200人を超えるコンサルティング会社の社長です。言うことが違う。
 
「最近思うんです。承認されすぎると、人間ダメになるな、って」
 
「そうだな」
 
社長は、少し嬉しそうにして、表情を緩めました。
 
「社長という仕事って、孤独ですよね。誰からも理解されないですから」
 
「孤独というより、孤高という表現のほうが、しっくりくるかもな」
 
孤高……。
 
「横山さん、君を承認できるのは、未来の君しかない。未来の君に認められるよう、がんばるしかないな」
 
社長の言葉が、私の体に、暖かく染みわたりました。
 
 
 
 
***
 
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2019-06-20 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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