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メディアグランプリ

失ったものと得られたものの過程が成熟度


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:松本 ようこ(ライティング・ゼミ火曜日コース)
 
 
「ええー⁈」
味噌汁椀を手で持ち上げて、驚いた。お味噌汁の具が、具が、よく見えない……。
 
マジで⁈ 老眼って、こんなことにもなるんだ。分かってはいる。手元が見えづらいのは、現在進行形で体験もしている。小さい字が見えにくい、針仕事がしづらい。分かってる。数年前から兆候があり、やがて眼鏡があったほうが針仕事のイライラが解消するところまできて、眼鏡を作った。それからしばらくは作業中のみ眼鏡をかけていた。それが、今や作業の合間にお湯沸を沸かしに行くときも眼鏡をちょっと下にずらしてかけたまま。ああ、よくテレビのドラマでもいたな。お年寄りの代表的なイメージの「鼻かけ眼鏡」 そう。アニメのピノキオに出てくるゼペットおじいさんだ。イメージはおばあさんでもこの際かまわない。だが、食事の時に目で楽しみながら食べることが不自由になるなんて! こんな侘しい気持ちにならなくてはいけないのか。これが老化なのか。
 
でも、考えてみると50歳になるちょっと前から、兆候はいろいろあった。
食べている量、運動量はほぼ同じなのに、お腹回りやお尻回りがなんとなく一回り大きくなった。娘にダメ出しされるくらい。しかも、なかなか元に戻ってくれない。
「怪力ママゴン」で、瓶の蓋を開けていたのに、娘の補助なしで開けられないことが増えた。
疲れが取れにくい。疲れが残っているだけならまだしも、猛烈な睡魔に襲われるようになった。
歳をとることできなくなること、衰えていくことへの不安。今までいっぱいあった手持ちの駒がどんどん少なくなって、やがては失ってしまうのではないかという不安だ。年をとることは止められない。しかたがないと受け入れて、なだめながら老化していく自分とうまく付き合っていくしかないのかしら。そう思っていた。
 
つい最近、ご近所の方たちでバーベキューをするので来ないか、とお声がけがあった。私は、パーティーや多数の方が参加される場があまり好きではない。面識のない方と何を話していいかわからないし、気遣いができないという認識があるので、失礼をしてはいけないと思うと余計緊張してしまう。つい数年前の私だったら、何か理由をつけて断っていただろう。だが、お声がけ頂いた方はお付き合いのある方だったし、その方以外にも知っている人が参加することもわかっていた。ご近所付き合いもあるし、ここは顔だけ出しておこう、と決めた。大人の判断だ。
 
バーベキューを主宰しているお宅に着くと、知り合いの方が私に気が付いて温かく迎え入れてくれる。お互いの住んでいる場所や自己紹介をしながらすぐ打ち解けていった。ご近所なので、共通の「地元ネタ」「地元事件」で話は尽きず、気が付いたら2時間以上も食べながら話をしていた。用事があったので、先に失礼した。家に着いて驚いた。私、疲れてない! 今まで、こういう場に参加すると、クッタリと疲れてしまっていたのだ。疲れているどころか、ご近所に新しい知り合いができた喜びと、わからなかった地元の謎が解決してすっきりしていた。今回はたまたま私の関心と合致したということなのだろうか。
 
いや、違う。最近、苦手だと思うことがすんなりとできたり、嫌だなぁと思っていたことを軽く受け流すことが増えているように思うのだ。そう認識してやれているわけではない。特に自分でも驚いているのは、やってしまった! という失敗をしてしまった時のことだ。今までは、知り合いのいない僻地に逃避したくなるほど落ち込み、それをかなり長くひきずってしまっていた。それが最近では、ちょっと落ち込んでから、まあやってしまったことは仕方がない、とその気持ちから離れることができるようになったのだ。
 
年の功、というのだろうか。経験を積み重ねて、対処できることも増えてきたことは確かだ。その他に、実は、変な見栄や思惑から自分を解放できる度量を持てるようになったのではないかと思うのだ。より自分が素でいられる知恵を身に着けた、ということだろうか。その状況が、自分の軸に身を置きながら、余裕を作り、自分を少し柔らかく、ゆるく動かせている。それまで、固かく青かった実が、柔らかく熟していくように。
 
歳をとると、失うことばかりではない。歳を重ねることで理解できること、わかること、得る事ができるものがたくさんある。それは今の自分が思っているより多いのかもしれない。
歳をとることで肉体的な衰えはあるが、精神面では成熟しているのではないかと思うのだ。そして、ふと、今の私が子育てを始めたら、なんて立派なお母さんになれるだろう! と思わず自画自賛している自分を軽く笑えるようになっている。
 
 
 
 
*** この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。 「ライティング・ゼミ」のメンバーになり直近のイベントに参加していただけると、記事を寄稿していただき、WEB天狼院編集部のOKが出ればWEB天狼院の記事として掲載することができます。
 

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2019-06-20 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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