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ピアスは社交的


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:イシザキマキ(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
「宝石商だっけ?」
「違います」
「あれ、石のイメージなのに」
「それ名前です。イシザキです」
「あ、そっちかー」
 
大きめのターコイズや水晶のピアスをよくしていた時期に、人数が多めの勉強会であった会話。タモリさんの様だったこの会話の相手は、人の名前や仕事を効率よく覚えるのにイメージで記憶に残す方法をとっていた。この時に、大勢の中で名前と顔を覚えてもらうには石のついたピアスをするとよいのかもしれないと気がついた。
 
時間ぎりぎりの朝で、顔にほぼ色がのっていなくともピアスは必ずつける謎の習慣がある。私にとってピアスはお守りの様なものかもしれない。
 
ピアスの穴をあけたのは高校受験が終わった時。誰にも相談せず、どこかで安全にあける情報を仕入れてきてこっそり自分であけ、透明のピアスをつけて髪の毛で数か月隠していた。親も学校も、もちろんピアスの穴をあけることを認めていなかった。反抗期はなかったが、これが小さな反抗と自立の始まり、自分らしさの表現だったのかもしれない。
 
私にとってお守りのような相棒の様な存在のピアス。
ふとした瞬間肌に揺れるピアスを感じた時、耳に手をあてた時そこにピアスがあると安心する。そして不思議と仕事でもプライベートでも私を助けてくれるのだ。
 
今働いている会社では植物由来の商品や木でできた商品を作っている。
たまたま木製素材のピアスをつけていると、たまに会社にやってくる無口な山おとこが
「それ、何の木ですか?」
と、話しかけてきた。木の種類によって木目や柔らかさが違う、そして年数が経って味が出てくるのがまたいいという会話になった。それまで業務上必要なこと以外は話さなかったのでスムーズとはいいがたかった関係が、急に話しやすくなった気がする。相手が興味を持ちやすいものを身に着けていると話しかけやすい事に気が付いた。
 
緑色がコーポレートカラーになっている会社にとても緊張して打ち合わせに行ったことがある。偶然ヒスイ色の揺れるピアスをしていた。日々手厳しいメールの返答が返ってくる相手の女性の目線が何となく耳元に注がれて、たまにふっと目が笑っていた。相手のイメージカラーに合わせたと好感を与えたのかもしれないと思った。ぽつりぽつりとメールのやり取りではお伺いできなかった当時抱えておられる課題をアポの時間を超えてまで共有してくださった。
 
こういう事があってから、仕事上多くの人が集まる場に行き、名前や会社を覚えてもらいたいときはそれをイメージしやすいピアス、何かコンセプトが明確な場に行くときはそれに近いイメージの形や色のピアスを意識してつけるようになった。
 
いつも仕事に寄せたピアス選びをしているのかといえば、そうではなく、社外の人に会わない日はその日の服の色や天気に合わせて玄関を出る直前1分前に決めている。
 
自分で見えないけれど気持ちが明るくなる、自分のためのピアスが素直に楽しい。
 
雨女なので、雨の日も気分よく過ごせるように買った傘の形のピアス。
一目ぼれした揺れる馬の形の真鍮ピアス。
好きな葉っぱや花をはさむことが出来るピアス。
和紙で出来たくしの形のピアス。
色とりどりの丸いバブルで出来たピアス。
蛍光の黄色が気にいったスミレの形のピアス。
 
と、気に入っているものを書き出すと、われながら
「それ、どこで買ったんですか!」
と、褒められているのか、けなされているのか微妙なトーンでよく質問されるのも納得がいく。世代関係なく、こういう会話のスタートが多い。
 
外出予定なく好きなピアスをつけていて、火消し役的な理由で急に取引先を訪問する場面があり、耳にぶら下がっているものを思い出しさすがにまずいと、入り口で急いでピアスを外すこともある。
 
何が理由か忘れたが、友人を怒らせてしまいなんともならなかった時ふと相手の目線が耳に来て、骸骨がふらふら揺れるピアスに気がつき、いきなり、
「なにぶら下げてんのよー!」
と、今度はずっと笑い出し、許してもらえたことがある。
 
平日は黒白グレーの色使いの服になる事が多い。その面白くない服装でも、形や色で遊べるピアスの存在が遊び心をどこかに持ちたい自分らしさの表現や自分自身の満足につながっている。
 
高校受験が終わった時、遠い昔こっそりあけたピアスホール。今もピアスは自分らしくある事を後押ししてくれている気がする。そして、公私とも、気がついたら自分を印象ずけたり会話を生みだしてくれたり、場を和ましてくれている。
 
私のピアスは社交的なのだ。
 
 
 
 
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この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。 「ライティング・ゼミ」のメンバーになり直近のイベントに参加していただけると、記事を寄稿していただき、WEB天狼院編集部のOKが出ればWEB天狼院の記事として掲載することができます。
 

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2019-06-27 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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