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メディアグランプリ

出逢いがメガネを変えた


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

【8月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《日曜コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:ひめさとこ(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
「ラッキーやん!」
病気で会社に行けなくなった私に、
師匠は、サラッと言った。
 
えっ?
ラッキーって思ってもえーん?
 
カフェで、コーヒーを飲みながら……
私の頭の中は混乱していた。
 
営業マネージャーの私が仕事に行けない。
周りの人たちに、迷惑をかけてしまう。
マネージャーである私は、一番よく働かなきゃいけない存在なのに……。
 
仕事に行けない私は、役立たずだし、
迷惑をかける存在だ。
 
早く、仕事に行けるようにしなきゃ!
ドクターストップが1日でも早く
解除されるようにがんばらなきゃ!
 
シングルマザーでもある私が
仕事を頑張らないと……
子どもたちも、私自身も、露頭に迷ってしまう。
 
がんばろうと思えば、思うほど……
がんばれば、がんばるほど……
カラダは悲鳴を上げ始める。
 
本当に、元に戻れるのだろうか?
早く、元に戻りたい。
焦りばかりが、私の中にあった。
 
そう思っていた私にとって、
「ラッキー」という言葉は、
頭が割られたような衝撃だった。
 
病名は、自律神経失調症。
パニック障がい。
入院も無ければ、動くこともできる。
 
ただ……過呼吸発作を起こしてしまうのと疲れやすく微熱がある。
それだけで見た目には、病気だとは思えない。
自分でも、病気だとは思いたくない。
 
動けるはず!
動けたのに!
なぜ、できない?!
そんな気持ちでいっぱいだった。
 
「だって…仕事に行かなくても、
傷病手当金がもらえるんでしょ?
ラッキーやん?」
 
師匠は、どうしてラッキーと思えないん? と
言わんばかりの表情で、私を見ていた。
 
「ラッキー!」と思っていいんや!
 
自分の状況は、何も変わらないけど…
仕事に行けない事に対する捉え方が変わった。
 
数日後…
リッツカールトンのスィートルームでのセミナー。
 
慣れない場所に緊張しながらも、おめかしをして行った。
初めまして。の尊敬する方。
一度、お逢いしてみたかった方が
目の前で講演をしてくださった。
 
事故で大ケガをされ、
「一生寝たきりか、よくても車いすでしょう」
とお医者さんから宣告された状態から
奇跡の復活を遂げられた方。
 
その方が目の前に立っている。
 
大柄で、がっしりとした体型。
でも、表情はやわらかくて、あたたかい。
 
懇親会で、
「私も、病気で会社に行けなくなったんです」
と伝えると…
尊敬する方は、
強くてやさしい口調で行った。
 
「おめでとう!」
 
? ? ?
 
またまた、意味がわからなかった。
 
きょとんとする私に、
その方は、言葉をつないだ。
 
「おめでとう!
今、君はしんどいかもしれないけど……
その病気を乗り越えることができたら、
同じ病気の人を助けることができる。
それが君の使命だよ」
 
本気で、真剣に、そう言ってくださっていることが伝わってきた。
私の未来を信じてくれている……
 
涙があふれてきた。
 
こんな私にも、まだ、可能性がある。
誰かの役に立てるかもしれない。
 
自分自身に対する捉え方が変わった。
未来への希望の光が見えてきた。
 
勇気づけの言葉は、
太陽だ。
 
太陽は、世界を明るく照らしてくれる。
 
どんよりした雨の日と、
太陽が眩しい昼間では、
世界の見え方が違う。
 
どよーんとした
グレーの世界に住んでいた私。
 
ふたりの師匠の言葉で
明るく照らされた世界に
行くことができた。
 
早く病気を治さなきゃ! と思っていたのに
どうすれば、今の私でも、誰かの役に立てるだろう?
と思うようになっていた。
 
それからの私は、人生が一変した。
 
病気であることを公表した。
まだまだ、偏見がある時代だった。
 
でも、だからこそ、病気を公表することで
誰にも言えずに苦しんでいる方に
「私も同じだよ。一緒に頑張ろうよ」と伝えたかった。
 
それが、会社にも行けない私でもできる
小さな貢献だった。
 
少しずつ、波紋が広がった。
 
「どうして、そんなに元気なんですか?」
ご家族が病気だという方から、質問されることもあった。
 
「実は、僕も、誰にも言ってないんですけど……」
カミングアウトされることもあった。
 
「さとちゃん、こんな人がいるよ」
病気を公表していたからこそ、
薬を使わない精神科医の先生を紹介してもらえた。
 
薬を使わない精神科医?
 
どうやって儲けるんだ?
高い健康食品を売りつけられるかもしれない。
 
でも……
薬を飲んでも治らない。
寝ても治らない。
そんな私にとって、もう、他に選択肢はなかった。
 
先生は「3ヶ月で薬が要らなくなるよ」と言った。
信じられなかった。
でも…先生は本気だった。
先生の本気の方が強かった。
 
先生の本気度に負けて、
先生を信じてみようと思った。
 
3ケ月後……
薬を手放した私は、
先生と共に160人の前で講演をしていた。
 
人の想いや言葉は、太陽となり、相手を照らす。
照らされた私は、暗くどんよりしたメガネを手放した。
世界が明るくなった。
人生が変わった。
 
 
 
 
***
 
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2019-06-28 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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