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居心地の悪いトイレはスッキリする


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:小菅 千晶(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
「マズイ! 流れない……」
3か月前から楽しみにしていた中国旅行。
中国・成都市に飛行機が着陸して最初に入った女子トイレ。
いきなり悲劇が起きた。
 
「こんなはずでは……!」
何度か水洗レバーを押したが、無駄だった。
 
中国では、下水の整備が日本ほど整っていない。
トイレの個室には小型のゴミ箱のようなものが各個室に取り付けられており
使用済みのトイレットペーパーはゴミ箱に捨てるのが常識だ。
水に流してしまうと、トイレが詰まってしまうと聞く。
 
知識として知っているものの、日常の習慣は簡単に変えられないものだ。
 
流れない紙を目の前にして、途方に暮れてしまった。
 
「どうしよう。」
「覚悟をきめるか?」
「いや、しかし……」
 
5分ほど悩み続ける。
 
「ここは腹を括るしかない!!」
 
解決しない問題を残したまま個室を出ると、服務員の女性と目が合った。
サービス係、中国語で ”服務員”。
トイレの清掃係のような仕事だ。
 
「また外国人がやらかしたのね。仕方ないわね。早く行きなさい。後は私が片づけておくから」
彼女の眼はこう語っていた。
 
「対不起……(ごめんなさい)」
小さく呟き、私はお手洗いを後にした。
 
お手洗いを出ると、ツアーガイドさんとツアー客の仲間の皆様が待っていた。
「どうしました? 体調が悪いのですか?」
心配する添乗員さん。
「いえ、そういう訳でもないのですが……」
こう答えるのがやっとだった。
 
中国のトイレ事情は話題に事欠かない。
 
彼らは公衆トイレであっても、鍵をかける習慣がない。
その割にお尻を見られることを嫌う。
日本の和式トイレはドアに尻を向けてしゃがむが、
中国の和式(華式?)トイレはドア側に顔を向けるようになっている。
 
同行した夫は、鍵のかかっていない個室を開くと、
先客と目が合ってしまったそうだ。
夫いわく「先客の方が驚いていた」とのこと。なんでだよ。
 
そもそも鍵の付いていない個室にも出会った。
そもそも個室になっていない、低いパーテーションのみのところもあった。
 
トイレットペーパーは基本的に備え付けられていないので、
自分で紙を常備していなければならない。
慎重派の夫は、7ロールをキャリーバッグに詰め込み、1週間で2ロール消費したそうだ。
 
トイレに入るとカルチャーショックを覚える。
唯一、例外だったのは“イトーヨーカドー 成都店”くらいだったか。
 
中国のトイレ事情は、毎日新しい発見があって面白かったのだが、
楽しい7日間の旅も、とうとう終わりを迎えた。
 
「やっぱり日本のお手洗いが最高だわ」
そう思いながら、帰国後、JR品川駅の女子トイレに入った。
 
……あれ?そうでもないかも?
 
JR品川駅の女子トイレは常に混雑している。
並んでから用を足すまでに10分は必要だ。
 
品川駅だけではない。
ショッピングセンターでも、飲食店でも、列に並ばされることの方が普通だ。
非常事態の時は、お腹をさすりながら地獄の10分間を耐え忍ばなくてはならない。
並ぶ。
とにかく並ぶ。
 
中国ではどうだったか。
どんなに混雑している時でも、待たされることなく必ず入ることができた。
古い場所でも、綺麗な場所でも、同じような和式トイレが並んでおり、手を洗う水道が出口にあるだけだった。
空気も淀んでいるので、長居したい空間とは思えない。
 
日本のお手洗いは過剰サービスすぎるのではないか。
 
今や、和式トイレは絶滅に近づいている。
綺麗に清掃された洋式便座に座り、用が済んだ後にはスマートフォンをチェックすることも可能だ。消音機能もしっかり付いている。
私も、仕事中に洋式トイレで20分の仮眠を取ったことがある。(上司には内緒だ)
子供用のおむつ取り換え台もご丁寧に用意されているし、着替え用のボードというものも最近よく目にする。
 
手を洗うための水道のほかに、鏡だけが並んだような化粧用スペースも整備されている。
 
個人的には歯磨き組が嫌いだ。
会社のお昼休みには、歯磨きをするためにお手洗いまでやってくる人が多く、トイレのために来た者の方が肩身が狭い。
ささやかな抵抗として、音を消さずに用を足すこともあるのだが。
 
もちろん、汚いトイレを推奨しているわけでは無い。世界最高水準とも言われる日本のお手洗いの清潔さはむしろ誇りに思っている。
 
しかし思うのだ。
 
日本のお手洗いは、本来の目的以外のサービスが充実しすぎていて、
本来の目的が蔑ろにされているようにも思える。
 
スッキリしたいときにスッキリできない。
 
余計なサービスは要らない。
「日本のお手洗いは世界一清潔です!」
これだけで良いのではないだろうか。
 
 
 
 
***
 
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2019-07-11 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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