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メディアグランプリ

便りが「ある」のは良い便り


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

【8月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《日曜コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:長谷川高士(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
私は、続けることが苦手だ。
大学を中退した。夢中になるものに出会い、授業に行かなくなったのが原因だ。その夢中になったものすら途中で投げ出し、実家に帰った二十二の春。今思えば、救いようがないクズだった。
 
ダイエット、ジョギング、速読、英語、ディアゴスティーニ──。小さなものは挙げればキリがなく、書きながら思い出し、嫌な気分で胃がきしむ。「達成」や「完了」とは無縁の世界にいるような気さえしてきた。
「三日坊主」ならまだマシだ。私の場合、もう少したちが悪い。二週間から一ヶ月くらいは続くのだ。ジョギングも英語も「お、今回はイケそうだ」と何度思ったことか。変化は、音もなく忍び寄る。まるでパンパンに膨らんだゴム風船から空気が少しずつ漏れていくように。ふと我に返ったときには、始める前の状態に戻っている。「あぁ、また今回も続かなかった」と。
 
「まさか長谷川さんが……」
最近の私をよく知る人は、きっと信じないだろう。週刊メルマガを六十三回、一年以上も休むことなく出し続けているのだから。「あの文量を毎週書くの、大変でしょう。すごいですね」と感心される。「まさか、続けることが苦手だなんて」──はい、当の私が一番驚いています。
 
「ダメな私でもできた! 習慣が身に付く魔法の方法」
という話をしたい訳では、残念ながら、ない。相変わらず「二週間坊主」を繰り返している安定のダメっぷりで、最近も、そのメルマガで「自炊にハマっています」と書きながら、気づけばコンビニ食に戻っているという、なんとも笑えない有様だ。では、なぜメルマガは続けられているのか。それには、一人の男性について触れなければならない。
 
メルマガコンサルタント。
これが十二年前、出会った当時の彼の肩書きだった。今では、三十冊近い著作を持つ「ビジネスメールの専門家」として活躍している。
救いようのないクズだった私が、同業の水道工事会社で修行をした後、父の会社に入り、一丁前に「成功」を夢見始めたのが、三十を過ぎたちょうどその頃だった。
 
彼は、同い年でありながら、私とは正反対の「できる人」だった。脱サラして起業。コツコツと実績を積み上げ、押しも押されもせぬ「メールの第一人者」というブランドを築いた。効率的でありながら、ただただ丁寧に仕事をこなす。そして続けることを何よりも得意としていた。日刊のメルマガは二千三百号を超え、それ以前も含めれば実に十六年以上メルマガを出し続けている。
 
メールの書き方、WEBの知識、ブランドの作り方、仕事の効率など、私は、彼から多くのことを教わった。そしてチャンスももらった。彼が主催した出版コンテストで特別賞を受賞した。夢に見た出版が約束されたのだ。しかし、本が世に出ることはなかった。またもや途中で投げ出した。書けなかった。私は彼の顔に泥を塗った。
 
それからも私の迷走は続いた。カラーコーディネーター、家事セラピスト、電磁波測定、睡眠環境改善、アメリカ製の蛇口。売れそうな資格、売れそうなものを見つけては手を出し、そして中途半端に放り出した。気づけば不惑を過ぎていた。「四十にして惑わず」どころか、フラフラだった。わけが分からなくなって、「売れるか」はもうどうでもよくなった。
 
「いつもどんなときも、排泄に自由であること。すべての人が生きること」
ただ、それを目指そう。本気でそう思った。「売れるか」を手放したら、なぜか力が湧いてきた。排泄を不自由にするもの。それは加齢、障がい、性的マイノリティ、そして災害だ。災害は、めったに起きないがインパクトが強い。災害時のトイレ問題。手始めにここから取り組むことにした。たった一人で始めた。お金は出ていくだけだった。でもコツコツと続けた。すると仲間ができた。応援してくれる人も現れた。楽しくなってきて、もっと知って欲しいと思うようになった。
 
「みんなに成果を報告したいけど、一人ずつメールするのは面倒だな」
次の瞬間「あぁーっ!」と叫んだ。「これ、メルマガだわ」と。メルマガコンサルタントと知り合って十年。ようやくメルマガを出したい、という気持ちになった。長らく間が空いていたことと、以前の不義理から後ろめたい気持ちもあったが、素直に彼に相談した。
 
あれから二年三ヶ月。「トイレの人」として私は認知され、全国から講演の依頼が届く。あの時メルマガを出していなければ、今の私はあり得ない。メルマガを続けられていること、そして何より「人生をかけるもの」に出会えたことを、他でもない彼が一番喜んでくれている。
 
十年という歳月をかけて、毎日届く彼のメルマガに育てられたのだと思う。そのすべてを読んだわけではもちろんない。ただメールボックスに届くだけで、大げさだが生きている証になる。便りが「ある」のは良い便り、なのだ。そうしてつながりを感じられていたからこそ、あのとき勇気を出して相談できた、と思う。
 
私のメルマガは週刊ながら、数ヶ月もしないうちに、その効果がジワジワと現れた。土に水が染みわたるように、植物がゆっくりと育つように、私の想いが一人ひとりに届いているのを肌で感じた。
 
私が変わったのではなく、メルマガが私のまわりを変えてくれた。続けられるようになったのではなく、やめられなくなっただけだった。メルマガの魅力を知ってしまったのだ。
人生をかけるほどの夢がある人には、伝え続けたい。「メルマガを出してみなさい」と。彼が私にそうし続けてくれたように。
 
 
 
 
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2019-07-25 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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