fbpx
メディアグランプリ

人見知りはRPGみたいに克服すればいい


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

【8月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《日曜コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:佐藤薫(ライティングゼミ・平日コース)
 
 
「休み時間は一緒に遊べばいいし、そんなに泣かないで」
いつも4人でいたのに私だけ違うクラスになって涙がポロポロ溢れてきた。
「もう、学校にいきたくない」と号泣したのは小学生じゃなく、高校生だった私。
40歳を過ぎてもいまだにクラス替えの時の夢を見るくらい、私は新しいクラスで新しい友達を作るのが苦手だった。人見知りで自分から声をかけることができない子供だった。
 
思えば、私が人見知りになったのは、父のせいだと思う。転勤族だった父のせいで小さい時から転校が多く、小学校は3回も変わっている。せっかく仲良くなっても1年で転校ということもあった。
小学校の低学年の頃はすぐになじめたけれど、大きくなるにつれ、すでに出来上がっているグループの中に入るのは本当に大変だった。
中学2年生の時の転校は学期の途中、しかも文化祭が終わった次の日というタイミングでその時は本当に最悪だった。クラス全体がお祭りムード冷めやらぬ感じで転校生の私に興味がないのは、すぐにわかった。
声をかけてくれるのが不良の子ばかりという、田舎から転校してきた私にとって恐怖でしかない状況に本気で親を恨んだ。なじめない状況は1か月以上続き、もう学校に行きたくないとある時、私はキレてしまった。
その時「お父さんのせいで私の人生めちゃくちゃだよ」と私に言われ、きっと親もつらかったろうなと今は思う。
私は中2のこの時に、大勢の人が周りにいればいるほど、独りぼっちなんだという強い孤独を感じるものだということを知った。絶対に転勤がない人と結婚するという誓いを立てたのもこの頃だった。
多感な頃に転校を重ねたことで私はどんどん人見知りで友達付き合いが苦手な子に成長してしまった。
 
この人見知りの状況は社会に出るまで続いた。学校を卒業して東京の会社に入社が決まった頃、父はまたしても金沢に転勤が決まったと言いだした。さすがに20歳を超えている娘について来いとは言わず、父と母とで金沢へ転勤していった。
家から会社に通うつもりだった私はいきなり一人にされて、ここでようやく自立したんだと思う。
今まで人見知りを親のせいにしてきたけれど、ここから先は一人で生きていかないといけない。一人ぼっちは寂しいと思い、初めて具体的に人見知りを克服するための秘策を考えることにした。
その第一歩が入社式。新入社員は300人。大きなホテルで開かれる入社式に出席する前日「明日は絶対に最初に会った人に声をかけよう」と心に決めた。最初が肝心だ。
入社式当日、ホテルの前の電話ボックスから出てきた新入社員ぽい女性に「入社式ですか?」と思い切って声をかけた。いま、思うとホテルの前で声をかけるなんて早まった感じがするが、その時は必死だったのだ。その時の彼女とは30年近くたった今でも仲良くしている。
 
ちょうどRPG(ロールプレイングゲーム)で0からレベル1に上がった感じ。その時の一歩は私の中で小さな自信になった。
それから先も新入社員研修、職場配属、歓迎会などで毎回、自分から周りの人に声をかけることを目標にした。目標を達成すればレベルがどんどん上がる。相変わらず自分から声をかける時はドキドキしていたが、自分が思っている以上に周りの人は良い人で声をかけて嫌な目に合うことはなかった。
小さい時から、周りからはよそ者と見られ、これも今にして思えば被害妄想かもしれないが、人と接する時はどう思われるかばかりを気にしていた。迷惑だと思われるかもといつも心配していたが、意外と皆は何も思っていないかもとレベルが上がるとわかってきた。
私が人見知りを克服するためにやったことは、新しいところへ行ったら誰でもいいから周りの人に自分から声をかけること。何かの集団に属したら、飲み会などの幹事や取りまとめを積極的にやること。それと笑顔。
 
そんなことを若い頃、自分に言い聞かせてやってきた。気づいたら大勢の仲間に囲まれて、中心人物ではないけれど孤独を感じることもなく生きてこられた気がする。
 
そして40代になった今はというと、もう人見知りが何なのか、恥ずかしいという気持ちはどこに行ったの? というくらい初対面の場所でも全く平気になった。
最近では、全く知らない人と飲んだり話したりしたいと思い、関心がある趣味や仕事関係の会を自ら探して連絡をとって参加させてもらったりしている。誰とでも楽しくおしゃべりできる自信もある。
 
それは年を取ったせいなのか、自信がついたせいなのかはわからない。人見知りは私の中の幼い部分で成長して無くなったのかもしれない。今思うと、そういう自分もかわいかったなと微笑ましい。
 
なので、もし人見知りであることに悩んでいる人でも全然、大丈夫。いつでもそれは克服できる。私のようにゲームのレベルを達成する要領で自分のレベルアップと考えて周りの人と交流していたら、いつの間にか人見知りって何? っていう感じになるかもしれない。
 
 
 
 
***
 
この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。 「ライティング・ゼミ」のメンバーになり直近のイベントに参加していただけると、記事を寄稿していただき、WEB天狼院編集部のOKが出ればWEB天狼院の記事として掲載することができます。
 

【8月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《日曜コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜《7/24(水)までの早期特典あり!》


 

天狼院書店「東京天狼院」 〒171-0022 東京都豊島区南池袋3-24-16 2F 東京天狼院への行き方詳細はこちら

天狼院書店「福岡天狼院」 〒810-0021 福岡県福岡市中央区今泉1-9-12 ハイツ三笠2階

天狼院書店「京都天狼院」2017.1.27 OPEN 〒605-0805 京都府京都市東山区博多町112-5

【天狼院書店へのお問い合わせ】

【天狼院公式Facebookページ】 天狼院公式Facebookページでは様々な情報を配信しております。下のボックス内で「いいね!」をしていただくだけでイベント情報や記事更新の情報、Facebookページオリジナルコンテンツがご覧いただけるようになります。


2019-07-25 | Posted in メディアグランプリ, 記事

関連記事