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メディアグランプリ

「量産型」を避けるということ

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*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:橋本 凜(ライティング・ゼミ1DAY講座)
 
「他人と同じなのは嫌い」
「流行に乗ると、量産型になって個性がなくなる」
 
こんなことばを耳にしたことはないだろうか。あるいは、あなた自身が口にした経験があるかもしれない。一見すると何の変哲もない主張だ。確かに他人と同じものを身にまとうのは芸がない、とうなずく人も多いだろう。
 
しかし、もし本当に「自分自身にしかない個性を発揮したい」と考えているのなら、この思考はとんでもない間違いだ。なぜなら、「他人と同じになりたくない」という考えの主軸となっているのは「自分自身」ではないから。そこで重要視されているのは紛れもない「他人」なのである。
 
そもそも、ここでいう「他人」とは何なのか? 例えば身近にいる同僚と上司を思い浮かべてみよう。彼らは、自分にとっては等しく「他人」だ。しかし、その2人は本当にひとくくりにできるものなのだろうか。答えは否、である。
なぜなら、彼らはそれぞれの好みを持つ「個人」でしかないからだ。こう考えてみると、冒頭で述べた「他人と同じになりたくない」ということばがいかに空虚な響きを持つかがわかってくるはずである。ここでいう「他人」とは、自分の行動や価値観を阻害するだけの幻想に過ぎないのだ。
 
わたしがこのような考えに至ったのは、わたし自身が「他人と同じになりたくない」という思考を持っていることに最近気づいたからである。
わたしは服が好きで、1か月に3・4着は必ず服を購入する。個性的な服を扱うセレクトショップ、古着屋、いわゆる「ファストファッション」と言われるお店まで、どの店舗に行っても心が躍る。そういったアパレルショップには、「新しい自分」を発見できる幸福感がいつでも漂っている。実際、自分に似合う服を見つけたときにはえもいわれぬ幸せな気持ちになる。
 
しかし、ある時わたしは恐ろしいことに気がついた。それは、自分自身が「他人からダサいと思われないか」「他人と同じ量産型になっていないか」ということを服を選ぶ際のひとつの基準としていたことである。
 
それに気づくきっかけとなったのは、わたしが偶然購入したTシャツを街で多く見かけたことだった。その時、わたしはひどく嫌な気持ちになった。というのは、他人が自分と同じ感性を持っていることに気づき、自分自身の個性が否定されたような気がしたからである。そして、「他人と同じ」ことに対して自分が嫌悪感を抱いていると気づいたとき、はっと電撃に打たれたような気分になった。
 
—わたしは、これまでどこかで「他人と違う自分」を他者よりも優れた感性の持ち主だと思っていなかっただろうか。
 
このような後悔と反省が体中を駆け巡った。いつのまにか、わたしは個性をヒエラルキーのようなものだと捉えていたのである。つまり、「他人と違う感性を持っている自分は優れている」というように、個性には優劣が存在すると考えていたのだ。
当然のことだが、個性に優劣など存在しない。わたしはこのような考えに陥っていた自分自身を深く恥じた。
 
しかし、これはわたしに限ったことではないだろう。あなたは、「他人と違う自分」が優れていると無意識に考えていないだろうか。「他人と同じ量産型にならないようにしよう」と心がけてはいないだろうか。心の中の「他人」という虚像を無意識に見下してはいないだろうか。
 
たとえそれが虚像であるとはいえ、自分の個性を保つために「他人」の存在を踏み台にするのは決して上品なことだとはいえない。「自分にしかない個性を持ちたい」と考えているならなおさらだ。「他人」などという軸にとらわれず、徹底的に自分本位であるべきなのだ。
 
急速なIT化が進む現代において、わたしたちは電子の海をさまよっている。溢れんばかりの情報に流され、どこかに「自分らしさ」を表現する余地がないか探し続けている。そのような中、「他人と違う」ことをひとつのよりどころにしたい気持ちになるのは不自然なことではない。しかし、それは決して正しいことではないと思う。「自分らしさ」を自身で模索しなければならない現代だからこそ、わたしたちは他人を基準として物事を考えるべきではないのだ。「個性」は自分自身の中にしかない。
 
「量産型を避けること」、それは決して自分の個性を表現することと同じではない。わたしたちは、そのことをもう一度心に刻みこむ必要があるだろう。
 
 
 
 
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2019-08-01 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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