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結婚生活をうまくいかせるたった1つの秘訣


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:富田洋平(ライティング・ゼミ夏休み集中コース)
 
 
結婚してしばらくして、手狭になってきたので引っ越すことにした。
引越し先の候補にあがった家は、「オール電化住宅」という住宅だった。
オール電化住宅とは、ざっくりいうと、ガスが担っていた部分をすべて電気でまかなう住宅のことである。
「ガス、使わないんだ。電気だけでお風呂も沸かせるし、料理もできるんだなあ」などとのんきなことを考えて引越し先を決めた。
まさか、オール電化が夫婦喧嘩の大きな火種になるとは思わずに。
 
無事に引越しをし、仕事から帰ってきて、いつも通り僕は洗濯機を回すことにした。
料理ができない僕は、妻の負担を減らしてのんびりしてもらうことに幸せを感じるので、掃除・洗濯は率先してやっていたのだ。
「ぴろりん。ぴ、ぴ、ぴ、ぴ」
洗濯機が軽快な音を立てて動き出した。ジャーと水が洗濯機の中に注がれる音もして、いよいよ洗濯がはじまった。
洗濯が佳境にはいってから、妻は洗濯機が動いていることを知り、怒りだした。
「なんで今、洗濯機回しているの! 23時以降にまわしてよ」
なにをいっているのかさっぱりわからなかったので、詳しく聞いてみると、オール電化住宅は時間によって電気代がかわるらしい。
夜23時から7時までが最も安く、昼間が一番高い。電気代の差は3倍とのこと。
その瞬間、結婚する前から妻が
「今月の電気代、2000円代でおさえたよ」
「電気の請求書を見たときに、『今月安くおさえた』というのがうれしいんだ」
と誇らしげに自慢していたのを思い出した。
「わかった。今度から23時に洗濯機をまわすね」
妻を怒らせるのが怖かった僕は、そういって23時に洗濯機を回すことにした。
 
次の日。
23時まで洗濯せずに待っていて気づいたことがある。
それは、23時まで洗濯するのを待っているのが苦痛だったのだ。
僕は、夜更かしは大好きだが、家事をすることなくのんびりだらだらしたいだけなのだ。
それでも23時に洗濯機を回す、と約束したので、その日は我慢して23時に洗濯機を回した。
 
そんな日が数日あって。
僕のイライラは高まっていった。
「夜ゆっくりしたいのに、なんで夜遅くに家事をしないといけないんだ。仕事でQOL(Quarity of Lifeの略。人生の質という意味)を考えているようだけど、家の中のQOLも考えてよ!」
心の中で怒りが吹き荒れたけど、怒ることはいけないことだと思っていたし、自分のわがままを伝えることができなくて、
「23時に洗濯機を回すのは嫌だ。23時に洗濯機を回したいなら自分でやって」
とイライラを隠せないまま伝えた。
 
そして、妻が洗濯機を回すようになった。
しかし、数日して
「なんで私が洗濯機をまわして、洗濯物を干さないといけないの!」
と怒り出した。
引っ越して初めての大喧嘩である。
ののしりあったりすることはなかったけれど、夫婦2人で押し付けあっていた。
そうして、僕と妻のどちらが洗濯機を回して、洗濯物を干すのかという喧嘩が続いた。
僕は、ひそかに「洗濯機問題」と呼んでいる問題なのだが、問題解決まで、1年の月日が必要だった。
 
終わらないと思った問題。
たまたま通っていたカウンセラー養成講座に答えがあった。
 
「本音を伝えましょう。本音を伝えないから、問題がおこる」
そう習ったので、試してみることにした。
また、本音を伝えるときには「私が」どう思っているかを伝えることが大事だとも習った。
 
今回の洗濯機問題の場合、
「23時まで洗濯機を回してはいけないなんて、お前はひどいやつだと思う」は本音ではない。
「僕は、23時以降に洗濯機を回して家事をするのは嫌なんだ。夜遅くは疲れていて、家事をしたくないんだ。朝早く起きることも苦手だし、23時より前に洗濯機をまわすのなら、洗濯機を回して洗濯干してもいいよ」と伝えることが本音。
もっというなら、「23時以降に洗濯機を回すのは、僕のことを大事にしていない気がするんだ。もっと大事にして」と伝えることが本音である。
 
家に帰って、早速妻に本音を伝えてみることにしたが、そんな時に限って、妻の機嫌が悪かった。
タイミングを見図ろうにも、機嫌が悪い。
悩みに悩んだ結果、勇気を出しておそるおそる本音を伝えてみた。
伝えてみて、急に恥ずかしくなったし、妻がなんというかが怖くなったが、妻は返事をせず、無言のままだった。
 
「話、聞いてくれなかったかなあ。失敗だったかなあ」
そんなことを考えてしばらくしてから、妻が
「洗濯機、22時に回すのならいい」と言った。
それから我が家は、洗濯機を回す時間は22時となった。
怖くて恥ずかしかったけれど、本音を伝えることで洗濯機問題は終わったのだ。
 
やや汚い表現だが、「結婚生活は、排せつである」といえる。
結婚生活は、夫婦そろって言いたいことや本音が言えているのならばうまくいくし、夫婦そろって我慢していたら苦しいのだ。
排便や排尿も、出せるときに出せたらうまくいくし、我慢していたら苦しくなる。
 
「言わなくてもわかってほしい」
そう思っていたこともあるけれど、そのおかげで1年間も洗濯機問題は解決されないままだったのだ。
 
怖くて目をつぶってでも、恥ずかしくて顔が赤くなっても、本音を伝えること。
結婚生活に大切な極意を、洗濯機が教えてくれたのだ。
 
 
 
 
***
 
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2019-08-11 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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