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入社3年目、このまま仕事を続けていていいのかなと思うあなたへ、


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記事:もちこ(ライティング・ゼミ夏休み集中コース)
 
 
「このまま、ここで働いていていいのかな?」
入社して3年目になると、誰もが一度はそう思う。
私も例外ではなかった。大学を卒業して入社し、3年がたった頃、ここでは、もうやることがなくなったと思うようになっていた。
 
 
入社1年目は、右も左もわからず、がむしゃらに仕事を覚え、周りについていくことで精いっぱいだった。店舗に配属になった私は、アルバイトの学生やフリーターのみんなと楽しく仕事をしていた。アルバイトより経験は少なくても、正社員というだけで、クレーム対応といった、いわゆる面倒な仕事はどんどん振られて苦しかったけど、頼られるというのは、なかなか気持ちがよかった。アルバイトの使い方が上手だと店長にも褒められ、嬉しかった。
ただ、アルバイト達と仲良くなりすぎて、大失敗もしたけれど、勉強になることも多かった。
 
 
2年目は、念願の人事部に配属され、採用の仕事をすることになった。やりたい仕事だったため、任される仕事すべてが輝いてみえた。配属2週間ほどで、合同説明会へ1人で参加し、就職活動をする学生さんへ説明をするという仕事を任された時は、不安もあったが、ワクワクした。採用活動のピーク時は、日付が変わって仕事をすることもあったが、全く苦ではなかった。
 
 
会社がどんどん拡大していく時期だったため、性別や入社年数に関係なく、新しい責任ある仕事をどんどん任された。毎日、残業で9時頃まで仕事をしていたけれど、楽しくて仕方がなかった。東京から沖縄まで全国を飛び回っていた。
そして、社内外での人とのつながりもでき、上司の信頼も得ている実感もあった。新卒採用はもちろん、中途採用も担当し、さらに新入社員研修まですることになった。とにかく効率よくする方法を勉強し、スケジュール管理を徹底し、上司とともに勢いで乗り切った。そのやり切った達成感は半端なかった。あっという間の1年だった。
 
 
そして、3年目は、自分のやるべき仕事がおおむねわかり、先がみえてきた。社内外の人間関係もできてきて、少し余裕もでてきた。しかし、この少し余裕ができるというのが曲者だった。
 
 
余裕ができると、周りが客観的にみえ、自分の将来像もぼんやりと見えてきた。
そして、また怒涛のような忙しさが始まると思うと、あんなに楽しいと思っていた仕事だったのに、憂鬱になってきたのだ。
 
 
そんな時、とても尊敬していた先輩が辞めることになった。
 
 
非常に仕事が早くて、上司にも認められ、どんどん昇進する憧れの先輩だった。あんなふうになりたいと思っていた。でもその先輩は、出世そのものに興味がなく、負担に感じたのか退職してしまった。
 
 
ふと周りを見回すと、いろんな先輩がいることに気づく。
 
 
腰掛けのつもりで入社した先輩は、「結婚したらやめる!」が口癖だった。しかし、いつも残業を遅くまでしている。そうこうしている間に主任になり、休日出勤までするようになっていた。どうみても結婚する気配はなかった。
 
 
他にも、仕事中に倒れてしまった先輩がいた。繁忙期になると深夜まで仕事が立て込むことがあり、それが続いたせいらしい。
 
 
どの先輩も上司もよく働いていた。男性は家庭を顧みずに働いていたし、女性であれば、結婚したらほとんどが辞めていった。
 
 
社内にいる先輩や上司たちの仕事の仕方や生き方が将来の自分に見えてきた。
 
 
このまま、この会社で、働いていていいのだろうか?
 
 
一気にやる気は下がっていく。今、目の前にある仕事をそつなくこなすほうが波風たてることもなく、仕事は順調に進んでいく。でも、なんだかつまらない……。かといって現状を変える力は、まだない。
  
 
「そろそろ、結婚しようかな」
 
 
自分では結婚という新しい環境に逃げているだけだとわかっているけれど、私は仕事より結婚のほうに急激に向かうことになる。
 
 
入社してもうすぐ4年になるという時に、結婚退職をした。
入社した当時は、結婚して出産しても続けたいと思っていたけれど、県外へ転居することになり、続けられなかったからだ。
周りの人はすごく結婚を喜んでくれた。
 
 
でも、なんだか寂しかった。「結婚して辞めます」というとだれも反対しないのだ。あんなに仕事を認めてくれていた上司でさえも、引き留めることはなかった。なんだか、あなたの代わりは他にいるといわれているようで、心がチクッと痛んだ。
 
 
4年弱を振り返ると、たくさんのことを学ばせてもらって辞めたことは後悔していない。ここで怒涛のように仕事をしたことが、次の就職活動で生かされているからである。
 
 
ただ、もうすこし頑張ってみてもよかったかもしれないとも思う。やり切った気持ちはあったが、本当にそうだったのだろうか? 仕事の表面的なところしか見ていなかったのではないだろうか? 周りの意見を真摯に聞き、もっと改善することができたのではないだろうか? わかったような気持ちになっていて、思い通りに物事がはこばないから、逃げてしまったのではないだろうか?
 
 
あの頃の自分に会えたら、「あなたは、どんな自分になりたいの?」「そのためにスモールステップで何ができそう?」「小さいチャレンジをしながら、周りに相談してやってみようよ」と声をかけたい。
 
 
また、もう一段ステージが上がった自分が見られるかもしれないから……。
 
 
現在、3社目の職場で10年目を迎えようとしている。環境と職種は違うが、まさに、あの時と同じ閉塞感を味わっている。もう一度自分と向き合うときなのかもしれない。
 
 
もし、あなたも今の仕事を続けていいのか悩んでいるなら、問いかけてほしい。
「本当はどんなあなたになりたいの?」
「そのために、小さなチャレンジとして、何ができそう?」と。

 
 
 
 
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2019-08-13 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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