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メディアグランプリ

夫婦とは、親友であり戦友である


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

【8月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《日曜コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:奥 寛子(ライティング・ゼミ夏休み集中コース)
 
 
「ねぇ、俺の話、聞いてるの?」
 
 

またやってしまった。今日も夫の話を聞いていなかった。
明日の23時59分が締切の課題レポートのテーマを考えていた。
今年2019年の夏、私は天狼院書店のライティング・ゼミ夏休み9日間集中コースを受講している。
通常コースは隔週で開講され、4か月かけてスキルを習得するそうだ。
しかし私は、この夏休みの9日間に集中し、凝縮されたゼミを受けることを決意した。
今年の夏に魂を込める! 毎日2000文字の課題レポートを1本提出する生活が始まり、今日で4日目になる。
 
 
夏と言えば、2016年8月のことを思い出す。
「俺、自転車で京都から東京まで旅するわ! じゃっ!」
夫が夏休みを利用して、自転車で約500㎞の旅をするからしばらく家を空けると宣言した。
真夏の炎天下の中、バックパック一つで彼の挑戦が始まった。相棒の自転車は決して高価なものではない。某激安の殿堂ディスカウントストアで買った緑色の1万円の自転車だ。泥よけもカゴも付いていない。骨しかないような自転車だ。夫は正気ではないと思った。
妻として、私は心配で仕方なかった。しかし彼の挑戦を止める権利はない。ドーンと構えて送り出すことにしたのだ。
夫は5日間かけて、京都→滋賀→愛知→静岡→神奈川→東京を自転車で走った。一日の終わりに写真が届く。日ごとに赤く黒く光っていく夫。
 
 

「今日はパンクして、しばらく手で押してたよ」
「道が細くてさ、もう少しでトラックに轢かれかけたよ」
「箱根の坂は心が折れそうだった。この旅のクライマックスは、間違いなく今日だわ!
 
 
私はクーラーの効いた涼しい部屋の中で、高校野球のハイライトを観ながら、夫の旅報告を聞いていた。
 
 
そして心の中で、やはりこの人は正気ではないと思っていた。
 
 
翌年2017年の夏休み、私たちは小浜島に旅行に出かけた。沖縄から少し離れた離島である。
日中は、底がはっきりと見えるぐらい透き通った青い海で泳ぎ、夜は都会では見ることのできない数の星空を眺め、日常と離れた時間を過ごしていた。いわゆる「バカンス」を楽しんでいた。
好きなだけお酒を飲み、好きなものを食べ、朝はゆっくり起き……と、隣を見ると、夫がいない!
なんとなく予想がつき、もしかして、と思いホテルのベランダに出てみた。
明け方の薄暗い空気の中で、見覚えのある男が上半身をあらわにして海辺でランニングをしている。その次は腕立て伏せを始め、また走り出す。あぁ、わたしの夫だ。
しかしなぜ服を着ていない! それは彼なりのバカンスだったのだろう。
夏休みだというのに、なぜそこまで自分を追い込むのか。夫は正気ではないと思った。そして私は二度寝を楽しむことにした。
 
 
さて今年の夏休みは、天狼院書店のライティング・ゼミ夏休み9日間集中コースを受けている。
軽い気持ちで申し込んだが、チャレンジングな課題が待っていた。2000文字レポートを毎日出すこと。
1本書き終わっても、また次を書かないといけない。ネタがない。テーマがない。文字数が足りない。
課題レポートの提出は必須ではないので、スキップすることも勿論できる。
1回飛ばすか? いや、パーフェクト提出を目指したい! とことん自分を追い込みたい!
次のレポート提出までは24時間あるのだが、家事をしたり出かけたり、夏休みにしかできない余暇を楽しもうと思うと、生活の中で何かを削らないといけない。
 
 

テレビだ! お酒だ!
 
 

食事をする時以外、しばらくテレビを付けていない。その時間にせっせとレポートを書いている。
気付けばお酒も飲んでいない。夫の話も聞かずに明日のテーマを考えている。
 
 
「妻は正気ではない」
 
 
あれ? どこかで聞いたことがあるセリフが聞こえた。
どうやら、ストイックな夫との暮らしが長くなり、彼の魂が私の中にも宿ってしまったようだ。
私たちは夫婦という名の親友であり、そして戦友でもある。
実はこのライティング・ゼミは、夫も一緒に受講している。共に励まし合い、称え合い、そしてどちらが先にスキルを習得できるか競っている。まるで大学受験を控える高校三年生の夏休みのような気分を味わっているのだ。
 
 
しまった! 今日の課題は、夫が先に終わったようだ。静かに両手を上げて大きな口を開けている。
間違いなく心の中で「終わったー」と叫んでいるではないか。
本日4日目。夫婦揃って「箱根の坂」を乗り越え、その先の絶景を二人で味わいたいと思う。

 
 
 
 
 

***

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2019-08-14 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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