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ヒッチハイクで気づいた、教養の効能


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:髙木杏菜(ライティング・ゼミ夏休み集中コース)
 
 
ヒッチハイクについて、あなたはどのような印象をお持ちですか?
「危険そう」「面白そう」「迷惑そう」「浅はかな人がやる行為」「乞食みたい」
人によってイメージは様々だと思います。
私はというと、元々「面白そう」と思っていた人間です。
 
 
ヒッチハイク経験者の友人Aに影響されたのかもしれません。
ヒッチハイクを通じ、色々な人と交流した友人Aの経験談は、どれも魅力的でした。
人の優しさ、あたたかさを感じられるエピソードが多く、興味をそそられたのです。
だから私は内心、人生で1度くらい、ヒッチハイクをしてみたいと思っていました。
そんな私に、ヒッチハイクをする機会は、突然訪れました。
 
 
それは、友人たちと複数人で沖縄に行った時のことでした。
まずは首里城へ。それから、ゆいレールに乗って、泊港へ。
泊港から、その日最終便のフェリーに乗って、座間味島へ行く予定でした。
それなのに、思っていた以上に長い時間、観光してしまったのです。
 
 
「どうしよう」
私たちは焦っていました。
予定通りゆいレールを利用すると、フェリーに乗り遅れる可能性が大いにありました。
一方で、タクシーを呼ぶと、お金もかさみます。
そんな中、友人の1人がこう切り出したのです。
「ヒッチハイクする?」
 
 
結局、話し合いの結果、ヒッチハイクすることになりました。
ヒッチハイクですから、快く応じてくれる車が現れる保証は、皆無です。
最初はまったく見向きもされず、このまま大丈夫なのか、不安でした。
しかし、幸運なことに、20分ほどで、私たちを乗せていただける車に出逢えました。
 
 
「どうしたの?ちょうど泊港の方に行くけど、良かったら乗っていく?」
そう、話しかけてくれた車には、ガタイの良い男性2人組が乗っていました。
「ありがとうございます。お願いできますか?」
緊張しつつ、友人と2人、後部座席に座らせていただきました。
 
 
「沖縄ははじめて?」
「カップルさん?」
男性たちは私たちに、色々と質問してくれました。
 
 
「沖縄は、はじめてです!」
「おすすめのお店ってありますか?」
 
 
すると、助手席の男性がこう続けました。
 
 
「いしぐふーの沖縄そば、おススメだよ!」
その他にも、沖縄おススメのお店情報を私たちに教えてくれました。
しかし、すぐに話のネタがつきてしまいました。
 
 
この時の私たちは、ヒッチハイカー。
ドライバーの優しさに甘えて、車に乗せて頂いている立場です。
乗せて頂いたからには、話を切らすのは、失礼だと思いました。
 
 
ふと後ろをみると、釣り用品を見つけた私。
偶然にも目的地は港であったので、聞いてみました。
「これから釣りにでも行くのですか?」
「いやぁ、実は大学の帰りなんだよね」
実はお二人、大学の市民公開講座で物理を勉強してきた帰りだったのです。
 
 

実は、私の父は物理マニア。
私は父の影響で、物理に関する本に触れて育ちました。
なおかつ、私は理系女子。物理専攻でないものの、多少は物理の知識を持っていました。
そこで、記憶の片隅にあった知識を投げかけてみました。
「ヒッグス粒子とかですか?」
すると、お二人はキョトンとしながらも嬉しそうに返しました
「そうそう!」
その後、お二人は物理の魅力を楽しそうに語りはじめました。
そして、気づくと泊港に到着していたのです。
その間、特に話題が尽きることもなく。
 
 
そして、無事に私たちはフェリーの時刻に間に合い、座間味島へ渡ることができました。
透明な海、満天の星空、愉快な民宿のオーナー……。
自然も、人も魅力的な座間味島を満喫することができたのです。
 
 
あの時、まさかこんな所で物理の知識が生かされるなんて、思いもしませんでした。
物理の話題ひとつで、人との距離感を縮められるなんて。
これこそが、教養の持つ効能だと感じました。
 
 
どこで何があり、どんな人と出会うかなんて、わかりません。
そんな時、知識の幅が広ければ、色々な人と話を弾ませることができます。
つまり、教養には「人と仲良くなれる潤滑油」という作用を持つのです。
教養は大切である、とはよく言いますが。
しかし、当時の私は、その理由までは知りませんでした。
 
 
私のはじめてのヒッチハイク経験は、友人Aと同様、心があたたまるものでした。
たった20分ではありますが、心に残る体験でした。
 
 
フェリーの時刻が迫っており、急いで車を後にした私たち。
そのため、あの男性たちとの写真は1枚もありません。
そのことは、ちょっぴり後悔しています。
 
 
ですが、彼らの優しさは一生忘れないと思います。
 
 
皆さんも、機会があればヒッチハイクに挑戦してみてはいかがでしょうか。
きっと、人に拒絶される悲しさと、人に受け入れられる喜びを実感できることでしょう。
もしくは、ヒッチハイカーを車に乗せてみる。
ヒッチハイクをする人の多くは、変わっていて、刺激的な経験を求める傾向にあります。
きっと、奇妙で刺激的な話を聞き、楽しむことができるでしょう。
 
 
いずれにせよ、ヒッチハイクという非日常的な行為は、乗る側・乗せる側どちら対しても、「新しい何か」を教えてくれることでしょう。
たとえば、私が教養の大切さの理由を知ったように。
 
 
 
 
 

***

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2019-08-18 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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