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メディアグランプリ

子育て中のイライラで気づいた、私が本当に大切にしたかったもの


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:小田桐紗矢香(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
休日出勤から帰宅した私の目に飛び込んできたのは、見覚えのないミニカーや、キラキラ宝石のおもちゃが散乱したリビングで人生ゲームに興じる主人と子供たちだった。
 
そういえば朝家を出る前、「今日は人生ゲームを買いに行こうか」「うん!」と主人と娘が話してたわ。おもちゃ屋さんの隣にはゲームセンターがある。なるほど、そこでしこたま遊んできたなとすぐに察しがついた。
 
……ゲームセンターだと?
 
「ゲームセンターなんかに連れて行って悪影響があったらどうするの!
だいたいそんなところでお金使うなど不毛だ!
子供と一緒の時間には、絵本を読むとか公園に行くとかさ、なんか情緒的に良さそうなことしようよ?
で、お昼はファミレスで食べた?はあ~?手作りして!
そしてこの散らかったおもちゃをどうする気?!」
 
数年前の私なら、こんな風にキレていたかもしれない。
 
なぜなら、私は「母親業」というものにすごくプレッシャーを感じていたからだ。
 
少子化の影響もあってか、子供一人当たりの教育費や習い事への投資額は増えているらしい。そんな話を聞くと、「ぼんやりしてるとうちの子だけ取り残されちゃうのでは?」なんて不安な気持ちになった。どこかで“子供の優秀さ”イコール“母親の成績表”と感じていて、「なんとか我が子を賢く育てたい!」とエゴ丸出しで願っていた。
 
加えて、「お母さんなんだからしっかりしなきゃ」という想いも強かった。
満員電車でのベビーカー問題に代表されるように、小さい子供を抱える母親への世間の目が、必ずしも優しいわけではない。だから「なんとか周りに批判されないように」振舞わなければいけないと常に気を張っていた。
 
こんな背景から、長女がまだ幼い頃、私が子供たちと接するときのマイ・ルールとして
 
・子どもの前でスマホは絶対いじらない
・テレビを見せない
・市販のおやつは与えない。手作りおやつで、できれば低糖・グルテンフリー。
 
といくつか定めた。それが自分なりの「良きお母さん像」だったからだ。
 
ところが、だ。
 
主人の子育てはそうではない。
 
子供の前で平気でスマホゲームをするし、ジュースとか甘いものをすぐ買い与える。なんならテレビを子供に見せっぱなしにして自分は昼寝を始めたりもする。
 
ちなみに主人は比較的家事もやってくれるし、子煩悩だし、いわゆる“イクメン”と呼ばれる部類ではある。
 
それでも、私のルール外の振る舞いをすることにずっとモヤモヤし、不満がたまってたまって仕方がなかった。
 
なんであなたはそんなに楽するの? 自分の時間を楽しむの?
私は自分の自由時間なんてほとんどなくて。こんなに、こんなに我慢してるのにさ……!!
 
たまった不満は家族への八つ当たりとして外に吐き出され、吐き出されたところでスッキリもせず、私一人が家族から浮いているような、疎外されているような感覚に陥ることすらあった。
 
でもある時、そんな自分に心底嫌気がさした。
 
こんな家族でいいわけがない。何かがおかしい。
私はよい家族をつくるために頑張ってる。多分旦那も頑張ってる。
子供たちもいい子。めちゃめちゃかわいい。
なのに、なんだか満たされない。
このイライラの正体は一体何なのだ。
 
悶々と考えていて、最終的に私の中から湧き出てきたのは
 
「誰の目も評価も気にせず、毎日安心して過ごしたい!!」
 
だった。
 
本当は、私だっていつでもスマホで情報チェックしたい、観たいテレビ番組だってある、おやつ作るも面倒だから市販のもので済ませたい!甘いもの、大好きだ!
いくら躾をしてたって子供なんて言うこときかないものなのだからちょっとくらい大目に見てよ!!
ただただ、私は、家族みんなでいる時間を安心して過ごしたいだけなんだ!!
 
……ああ、我が子に賢く育って欲しいことでも、いいお母さんで居たい事でもなく、こっちが私の本音なんだ。まだ見ぬ未来に怯え、実体のない「世間」や「誰か」からの目を恐れ、いいお母さんを演じようと一人で勝手にハードルを上げ、結果ストレスを抱え、まさに自作自演。それを家族にぶつけていたなんて。なんて、なんて……
 
「アホらし。」
 
そう気づいてからは、急速に肩の力が抜けていった。
私も疲れているときは休むようにしたし、冷凍食品や外食に頼ることへの心理的ハードルがぐっと下がった。さらに、不満だらけと思っていた日々は、小さな幸せに溢れていたことにも気がついた。
 
家族を「いってらっしゃい」と見送り「おかえりなさい」と迎えられる家があること。
毎日家族そろって夕食を囲めること。
子供たちがいるからこそ自分でもびっくりするほどの喜怒哀楽を感じられること。
主人が居てくれるから、休日も安心して仕事ができること。
主人が居てくれるから、私がしてあげられない経験を子供たちにしてあげられること。
家族みんなが元気で、私の毎日の活力になっていること。
 
全部全部、私の“安心“材料だ。
これまで私はこんなに大切なことを感じられずにいたのだ。
 
目の前の出来事の捉え方って、自分の在り方次第でいくらでも変わる。
在り方というとなんだか難しい気もするけれど、ほんとのほんとの心の声に気づけば、あとはテレビのチャンネルを変えるように、感じたい気持ちに意識を合わせるだけ。それだけなんだ。
 
今日も、床に散らばったおもちゃを片付けながら「これ捨てたい。」という心のチャンネルを、「子どもの喜ぶ顔が見える♡」に切り替えた。
 
 
 
 

***
 
 
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2019-08-29 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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