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メディアグランプリ

ジャパネットから学ぶ女性視点


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:MIOKO(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
「新商品のキッチンのプレゼン、女性視点での提案を楽しみにしてるから!」
 
○○視点でお願いします。
こんな言葉を上司やクライアントにかけられたことはないだろうか?
新入社員ならフレッシュな視点? 結婚したら主婦視点? 子供を産んだらママ視点……?
 
私は社会人になってから、何度となくこの言葉に悩まされてきた。
今でこそ女性セールスの割合も増えてきたが、入社した10年前はまだまだ男性が大多数の建築業界。現場に行けばジロジロ見られ、名前ではなく「おねえちゃん」と呼ばれる。
そんな場所で、新人として受け入れる側もまだ戸惑っていたからこそ出た言葉かもしれない。
 
「何だよ、女性視点って」
席に戻り、ぽりぽりと頭を搔く。
 
22歳。実家暮らし。
上げ膳据え膳で、これまでろくに家事なんてやったことは無かった。性格も雑な大酒呑み。毎晩酔っ払って家に帰っては母親から「早くお風呂はいっちゃいなさい!」「靴下脱ぎ捨てないで!」と怒られ続けた学生生活を終えて社会人になったら、いきなりこれだ。
いきなり〝オンナ〟を求められる。
 
「何だろうなぁ、女性視点って」
当時はそんな事を気軽に相談できるような先輩も近くにおらず、期待されるような〝女性視点〟での提案なんてうまくできるはずもなく、ただ悶々とする日々を過ごしていた。
 
そんな私を変えたのが、アノ人だった。
深夜、いつものようにだらだらとテレビを見ていると、聞き慣れた音楽が流れてきた。
「ジャーパネットー、ジャパネットー、夢のジャパネットたかたー♫」
続いて、聞き慣れた声が響き渡る。
「みなさぁ〜ん、今日はコンパクトカメラをご紹介します!」
そう、ジャパネットたかたの高田明社長だ。
現在は引退して息子の旭人社長に代替わりしているが、当時はまだ創業者の明社長がテレビで商品説明をしていた。
 
私は普段、買い物は楽天やAmazonを使う。レビューを参考にして、機能を綿密に比較して購入する。なので、衝動買いをする事なんてないし、テレビショッピングで買い物をする人の気が知れない。
 
でも、買ってしまったのだ。コンパクトカメラを。深夜1時に。衝動的に。
完全に、高田社長のペースに乗せられてしまっての買い物だった。
だってカメラなら既に持っているし、普段はあんなに吟味するのだから。
 
私ななぜ買ってしまったのか。
冷静に高田社長のセリフを考えてみよう。
「みなさぁ〜ん、今日はコンパクトカメラをご紹介します!」
ここまでは、普通だ。強いて言うなら、他のテレビショッピングの司会者はこんなに訛っていないぐらいだ。
「このカメラは、なーんとカードサイズ!」
小さいとか何ミリとかのサイズを言わずに、名刺と並べて見せて、視聴者がイメージしやすい身近なモノでその小ささを表現している。
「こーんな風に、いつでもポケットに入れて持ち運べますので、カワイイお孫さんの大事な瞬間を逃さず撮ることができます」
「さらに、ケーブル一本でテレビに繋げれば、ご家族で集まってお孫さんのお写真や動画の上映会もできますよー」
当然私には、孫はいない。
でも高田社長が実際にポケットからカメラを出し入れしたり、ケーブルを繋げて写真をテレビに映しているのを見て、自分が家族や友達と上映会をやっている様子が浮かんでワクワクした。
 
高田社長は限られた時間で、機能を詰め込んだ説明ではなく、生活の中で具体的に何ができるのかを伝え、視聴者にワクワクを与え続けた。
 
あ、これこの前新人研修で習ったやつだ。
営業トークの基本は、FABだって。
F=Feature ……その商品のカタログに載っているような特徴・機能
A=Advantage ……その商品を他と比べた時の優位性
B=Benefit ……お客様がその商品の優位性によって手に入れられる利益やメリット
 
先ほどのコンパクトカメラに置き換えると、
F(特徴)  =カードサイズという小ささ
A(優位性) =(今お使いのカメラと比べると)小さく、ポケットに入れて持ち運べる
B(利益①) =いつも持っておけるので(収納されたカメラを取りに行くこともなく)成長の早いお孫さんの大事な瞬間を逃さず撮れる
B(利益②) =さらに写真上映会をすれば、家族みんなで集まる時間を作ることができる
 
高田社長は小さいカメラを売っているように見えて、大事な瞬間を逃さないという〝チャンス〟と家族みんなで集まる〝時間〟を売っていたんだ。
だから、それが欲しくて視聴者は買ってしまう。
お客様視点。とりわけ今回は孫を持つシニアをターゲットにして、その生活を想像して、プラスになる利益を伝える。
 
な〜んだ。
○○視点って、ターゲットの視点になって徹底的に考えて、その商品を使うメリットを伝えればいいだけなのだ。
自分が女性だからって、別に女性視点にこだわる必要なんて、最初からなかったのだ。
 
私は次のプレゼンのテーマを、〝もう一度、妻と料理がしたくなるキッチン〟に決めた。
オヤジ視点。
周りにはたくさんいいモデルがいる。リサーチには事欠かなそうだ。
 
 
 
 
***
 
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2019-08-29 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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