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メディアグランプリ

独身者へ贈る、ポジティブゴリラのすすめ


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:緒方愛実(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
「まだ結婚していないの?」
「そうですねー、ご縁ですからねー。」
 
出た、親戚の無自覚ノンデリカシーワード。
私はいつものようにあいまいな笑顔を浮かべる。
親族が集まった時だけではない、会社だって、どこだって、人が集まれば独身者は集中砲火に会うのだ。
特に、アラサー、彼氏なし、結婚の予定なしの女性。
彼らにとってのかっこうの獲物だ。
 
「えー、結婚しないなんてもったいない、早く幸せになりなよ!」
同年代の既婚女子にも言われることもある。
 
なるべく右に左に受け流そうと試みるが、私だって人間である、真っ正面からキャッチしてしまうことだってある。
何気ない一言がグサリと刺さって、ジクジクと心が痛むのだ。
 
女性は適齢期になると、結婚して、子供を産むのが幸せ。それは世間が敷いた、女性の人生設計レール。
確かに、友人たちの幾ばくかはその幸せを手にしている。
 
その電車に順当に乗っていけば終着点には幸せ駅がある?
結婚して子供を産まないと幸せになれないの?
独身女性は、社会の一員になれないの?
 
でも、今は令和。
あえて彼氏を作らず、結婚もしない人。
結婚をして、子供がいる人。
結婚をしても子供がいない人。
なんらかの事情で、そのどれもが叶わない人。
パートナーが異性、同性の人。
みんなそれぞれの人生、幸せの形がある。
世間一般が決めた平均を、無理して追わなくてもいいのだ。
 
そうやって今晩も部屋で一人、脳内討論会を開催してしまうのだった。
 
確かに、たまにさみしくなるときもある。
子供を抱く友人は本当に、幸せそうだ。私は時おり訪ねて行って、彼女と女子会をする。母親という役割をプラスされただけで、彼女は変わらず親友だった。
そこで私たちはお互いの愚痴やたわいないことを語り、私は子育てを疑似体験させてもらう。最近息子君もなついてくれて、愛着もさらに沸く。つい、服や絵本などを見かけると、貢いでしまいたくなる。
彼女たちとかかわることで、社会から切り離された、漂流するいかだの様な、心細い気持ちが安らぐ。
 
独身の友人に会えば、悩みを分かち合う。
結婚しない選択肢だってあるじゃないか、私たちは働いて経済を回すという大切な役割があるのだと。
そして最後は、同じ境遇同士で集まって老後はシェアハウスしようよ、と冗談半分、本気半分で話す。
やはり、みんな将来が漠然と不安で、誰かと繋がっていたいのだ。
すると、一人の友人がのんびりとした口調で私に言う。
「いいんじゃない、人それぞれでしょ? 私はね、友達の子供は私の孫だって思ってる。好きな時にかまって、かわいがって、お守りして。もうね、孫が10人はいるかな?」
そして、彼女は笑いながら言う。
「ゴリラはね、みんなで助け合って、子育てをするんだよ?」
「ゴリラ!?」
突然の友人のパワーワードに、その場にいた全員が驚きの声を上げる。
 
ゴリラ、私たちと同じ霊長類のあのゴリラである。
彼らは、群れに子供が生まれると、出産経験のあるなし、年齢に関わらず、みんなで代わる代わる子守りをして子育てを手伝うという。群れの子供はみんなの子供、大切に助け合って育てるのだ。
そういえば、同じ哺乳類のライオンもそうだと気がつく。
 
もしかして、一人で抱え込んで子育てをする人間って、大変なんじゃないだろうか?
 
独身の私たちと子育てする友人たち。
つねに子守りをすることはできないけれど、ひとときだけでも力になれないだろうか?
出生率をあげることも大切なことはわかっている。でも、一番大切なのは今を生きている小さな命とそれを守る母親たちに手を差しのべることなんじゃないだろうか?
 
独身者は生産性がない?
そんなことはない!
 
私たちにもできることがある。
子育てに奮闘している彼女たちを助けたい。
そうすることで、私たちもまた社会と繋がって、未来へ進むことができるのだ。
 
友人だけではない。人知れず、小さな未来を育て日々格闘する戦士たちが、電車の中やスーパー、様々な所で今日もみんなが助けを求めている。
席を譲ってあげたり、ドアをサッと開けたり、そんなささいなことからでも良いのだ。小さな手助けが、彼女たちの心の支えになることもある。
私たちが一歩踏み出して行動することで、周囲の見る目も変わるかもしれない。小さなアクションが、波紋の様に広がって社会がより良い方向に変わるかもしれない。
そうすれば、独身や既婚、年齢、性別関係なく、みんなが助け合う社会になるだろう。
 
自分のことばかりを考えて、傲慢に力を振りかざし、弱い物いじめをするネガティブゴリラではなく、やさしくて強いポジティブなゴリラが街にあふれる、やさしい世界に。
 
あなたもポジティブゴリラになって、未来を救う手助けをしてみませんか?
気恥ずかしい気持ち、ためらう気持ちはポイっと遠くに投げてしまって。
肩ひじ張らず、サッとさりげなく、笑顔で。
そうすることで、私たちの心もきっと弾むから。
 
 
 
 
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この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。 「ライティング・ゼミ」のメンバーになり直近のイベントに参加していただけると、記事を寄稿していただき、WEB天狼院編集部のOKが出ればWEB天狼院の記事として掲載することができます。
 

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2019-09-05 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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